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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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みやまよめな:41

恋と呪い

1,

社『嘘だ……アイツ、死ぬ者だったのか? もののけ類いかと思っていたが』

 

 知らせを受け、現場に急ぐ。

 猛が、死んだのだ。

 

社「!!」

 

 足を止める。

 広場には人だかりができており、中央には父が人の首を切り落として何やら自慢げに高々とかかげていた。

 

社「……猛……」

 

 ぼんやりと切り取られた頭を目に映す。

 

「父上!!」

 

 駆け寄る。

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みやまよめな:40

4,

 部屋に何とか戻って来たが、寝ることもできず、惨めな失恋の痛手をかみしめるばかり。

 夜が明けてもただぼんやりと過ごすだけで、気力も沸かない。

 猛のことを確認しに行かねばと思いつつ、それすらおっくうで腰が上がらない。

 都のはだけた胸を思い出しては、ため息。

 蔑んだ目を思い出しては、ため息。

 

社『……あんなことになって…………これから、どうやって顔を合わせたらいいんだ……』

 「社の、ばか」

 

 自分をののしってみる。

 けれど、事態はもちろん変わりようもない。

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みやまよめな:39

 やがて、いくつかの提灯(ちょうちん)が遠くから見えてくる。

 

椿「社様~!!」

万次「社様ーっ!!」

使用人「若様ーっ!!」

椿「ホントにこっち?」

万次「さっき俺が小便しに起きたら、社様が血相変えて出て行くのを見たけどな」

使用人「あ、あれっ!!」

 

 急に叫んで指さす。

 その先には座り込んでいる社。

 向こうもこちらに気づいたのか、尻をたたいて立ち上がった。

 

椿「社様~!!」

 

 ブンブン無邪気に手を振る。

 

社「……椿……」

 

 後ろめたくてうつむく。

 側まで来ると、いち早く万次は社の涙の跡に気づき、わざと椿を遠ざけるよう計らう。

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みやまよめな:38

都「むぐっ!? んんっ!!」

 『離せっ!! 社っ!!』 暴れる。

社「あっ……、姉上っ!! 話を……話を聞いて下されっ」

 

 暴れるのを抱えるようにして押さえ付ける。

 

社「姉上、私はあの男が姉上をだましているようにしか……痛て……ちょっ…………ちょっと……暴れないで……」

都「うぐっ!?」

 

 暴れているうちに足を滑らせ、都が転倒。

 

社「おわっ!?」

 

 引っ張られて、社も一緒に転ぶ。

 

「っつ……テテ。……あ……?」

 

 気づくと都が自分の下敷きになってしまっており、顔も間近。

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みやまよめな:37

 中にいるのが猛と決めつけて、いつでも抜けるように刀に手をかけ、様子を伺う。

 

 中にいる者「ほれ、都。弟が来たぞ。言った通りじゃ」 ささやきかける。

都「……まさか……」

?「そなたに惚れておるからな、あの弟君は」

都「…………………」

?「信じられぬというのなら、試しに、それ、そこの障子を開けてみよ」

都「……でも……」

?「パッとじゃぞ、パッと!!」

都「…………………」

 

 そっと障子に手をかけ……

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みやまよめな:36

2,

 夜。

 都の部屋から甘い喘ぎ声。

 昼間、都の異変に気づいた巫女が様子を見にくると障子にぼんやりと都と男がからむ影が映っていた。

巫女「ッ!?」

  『……確か……猛殿はまだ座敷牢に……。……そんな……』 青ざめる。

 

 急いでその場を離れ、社の元へと疾走。

 

巫女「社様っ!! 社様にお目通りを!!」

門番「かような夜更けに何事ぞ!? 若様はもうお休みであらせられる。明日にせい、明日に」

巫女「今すぐに耳に入れたいことじゃ!!」

門番「お館様ではなく、若君にか?」

巫女「神子様のことじゃ!! お館様に言っては、何かと神子様が責められますゆえ」

門番「しかしだな」

巫女「ええい、この石頭め!! 明日になってから言うて、社様のお怒りを受ければ、貴様のせいじゃと申し立てますぞ!!」

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みやまよめな:35

 中の都「ごめんなさい、私のせいで貴方を巻き込んでしまった……。でも無事に出されたのですね?」

 それには答えず、猛「ずいぶんと酷くやられたようじゃの、姫よ」

 

 都の頬に触れる。

 

都「……これは……」

 

 あわてて、アザだらけの顔を隠そうとしたが、猛はその手をつかんでさらに覗き込んできた。

 

猛「父上殿の仕業であろう」

 「お前の父はお前を困らせてばかりで、何の役にも立たぬ男よのう」

都「……………………」

猛「いっそ、いなくなってしまった方がよいのじゃあないかえ?」

 

 耳元でささやく生臭い吐息。

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