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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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みやまよめな:20

 都、のろのろと起き上がって、障子を開く。

 

都「……?」

 

 すると縁側に黒百合の花。

「……まぁ」

 

 手にとって口元に久しぶりの笑み。

 

「社? 社ですね? どこにいるのです?」

 

 キョロキョロと辺りを見回す。

 しかし、それらしき姿はない。

 

都「…………………」

 『……叱られると思って、逃げたのかもしれませんね』

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みやまよめな:19

黒百合

1,

 夏。

 最近、身元もハッキリしない、名もない野武士が帯刀家に召し抱えられた。

 色黒で体格のよい、いかにも男臭い、好男子。

細面(ほそおもて)で色白の社とは正反対。

 帯刀の頭目は身分ばかりに気を取られるので、こんな何処の馬の骨ともわからない田舎侍がわざわざ召し抱えられるのは今までにないことだった。

 

社「何なのですか、あの無礼な男は?」

父「良いであろう、山崎 猛(やまざき たける)という男じゃ」 満足気。

 

 父の相当のお気に入りらしく、帯刀家を我が物顔で出入りしている。

 

社『なんか気に食わない男だな……』 うさん臭い。

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みやまよめな:18

 だいぶ離れた所まで来て、ふいに表情を硬く引き締め、

 

社「椿、今度のことは黙っておいてくれよ」

 

 椿の手を握る。

 

椿「……は、はぁ……」

 

 握られた手に視線を落とす。

 ドキドキしながらも、

 

椿『なんだってそんなことを?』

 

 潔白なら、わざわざ釘を刺さなくても……

 そんな疑問に答えるように、

 

社「妙な噂がたったら困ってしまう。………わかるよね?」

 

 顔を間近まで寄せる。

 

椿「は……はいっ」 緊張。

社「ありがとう。椿はいつも可愛いね」

 

 人懐こい笑顔を向ける

 

椿「えへへ…………そんなぁ

 

 うつむいてモジモジ。すっかりだまされた。

 

社『……まぁ、これで大丈夫かな』 小さくため息。

 

 椿が自分に強い関心と好意を持っているのは、以前から知っている。

 頼めばだいたいは言うことを聞いてくれるだろう。

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みやまよめな:17

 その頃、都は今朝もまた中庭の隅で、清めの儀式を行っていた。

 椿の祖母の勧めで一年前から毎朝、身を清める儀式を始めていた。

 儀式といっても、ただ朝一番に冷水を浴びるといった単純な気休めだったが、それでも厄が落とせるような気がしてこれを習慣としている。

 儀式をしている時には誰も近寄らないし、またここには女子しかいないので、見られたからとてどうということでもない。

 …………が、今日に限っては勝手が違っていた。

 

都「……!?」

 

 気配を感じ、さっと振り向く。

 しかし誰もいない。

 

都「…………気のせい?」

 

 また裸体に冷水をかぶると、やはり誰かに見られている気がした。

 

都「誰っ!?」

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みやまよめな:16

3,

 場所は変わり、父の部屋。

 

都「もう国も広くなりました。充分でございましょう。これ以上はただいたずらに人々が傷つくだけでございます」

 

 座して、両手を前に重ね合わせ、深々と頭を下げる。

 父の怒りを少しでもなだめようというしおらしい態度のつもりだったが、まるで無意味。

 

父「今更何を言うかーっ!!」

 

 いきり立つ。

 

「これから、これからという時ぞ!! お前の先見(さきみ)の力さえあれば、父は天下統一できるやもしれないのだぞ!!?」

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みやまよめな:15

社『……くそっ……』

 

 “確かに”。

……と、社は思った。

 確かに社はずいぶんな姉っ子で、どこに行くにも同伴していた。

 それは大きくなった今も変わらず、よそ様から見たら、奇妙ですらある。

 いい年した男子が姉の背ばかり追いかけているのだから。

 これでは甘ったれなどと言われても文句は言えないし、おもしろおかしく下品に脚色している輩もいるやもしれない。

……目の前にいる父だけに収まらず。

 

社『別に……。別に私は甘えているワケではない。父上がこんなだから、私は姉上をお守りしていたのだ。悲しんでいる姉を支えるのが弟の勤めであり、困っている女子をかばいだてするのが、男の役目だろう。…………………………男の』

 

 今はこの場にいない都を思い浮かべる。

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みやまよめな:14

見や子

1,

 帯刀家。

 早朝に戻った二人を見とがめ、ずっと気をもんでいた椿。

 

椿「お二人とも、何処へ行きなすってたんですかっ!? もぅ、家の中、大騒ぎで大変だったんですからぁ!! 今も万次たちが外を探し回ってますよっ!!」

都「すまなかったね、椿。でもいまは火急の用です。お小言は後で聞きますから、皆を集めておくれ」

椿「!? は……、はぁ……」 あいまいに答える。

 

 都は急ぎ父の部屋に行き、「予言」の報告をする。

 これによって、防御体制は早めに整い、敵軍の手の内を逆手にとり、大勝利を収めることに。

 

父「都っ!! よやった!!! よやってくれたぞ!!!」

 

 珍しく父に褒められて、嬉しい都。

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