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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 17-5

ジェーン「シラー……アンタ、どーゆー風に人の話聞いてるのよ」

シラー「聞いてたわよ。ちゃーんと。ケンカするほど仲が良いってネ♪」

アン「!!」

ジェーン「ハァ? 3カ月同じクラスでしょ? 今までのでどうやったら仲良しに見えるのよ。アレは水に油。犬に猿。わかる?」

シラー「わかる、わかる」

ジェーン「それにね、お嬢様は現在年上の彼氏追っかけてるの」

シラー「年上の? 誰、ソレ」

ジェーン「クロエのお兄様でメチャクチャ格好いいのよ 背が高くて、金髪で青薔薇の騎士なの♪ 惚れるのは無理ないってカンジ?」

シラー「へぇ」

ジェーン「それに毎月、ラブレター贈ってるのよね」

アン「……ああ、あの物凄い手紙ね。……ラブレターっていうのかな?」

シラー「熱愛じゃないの?」

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レイディ・メイディ 17-4

 同じ物をもう一つ、指に引っかけ回してもてあそぶ。

 

ヒサメ「もう一度踊る?」

 

 頭を左右に振る4人。すごすごと教室に入る。

 空いた席にそれぞれ座って教科書を広げた。

 

リク「ねぇ、彼女と仲良くしたいならもっと素直になったら?」

 

 小声で囁く。

 

メイディア「なんで隣に来るの? あっち行って!!

リク「んー。スゴイ嫌われよう」

メイディア「よくわかっているじゃない。なら話は早いわね」

リク「だってここしか空いてなかったから」

メイディア「窓際も空いているでしょ」

リク「遠いからねぇ。ここでいいよ」

メイディア「ワタクシが良くないのです」

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レイディ・メイディ 17-3

 スパーンッ☆

 アンの言葉をさえぎって、いきなり3人に近い側のドアが開く。

 性格ブスな生き物、再登場。

 

メイディア「聞こえてましてよっ!!」

リク「おお、来た来た。ドアの隙間からずっと見てたでしょ。やっぱり言い過ぎたと思ったんだ」

 真っ赤になって、メイディア「ちっ……!! 違いますっ!! たまたま席をこちらに近いところに取っていたのですっ!! 決して、決して様子をうかがおうなんて思ってませんでしたわっ!!」

リク「意地を張らないで謝っちゃった方が早いと思うんだけど」

メイディア「ワタクシは謝りませんっ!! だって本当のことだものっ」

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レイディ・メイディ 17-2

ジェーン「何でもないんですのよ、気になさらないで。ホホホホッ」

メイディア「ふぅん? ワタクシを追い出す算段でも立てていらっしゃるのかと思~った」

アン「そ……そんなコトないよ」

 

 ぎこちなく笑って場をとりつくろう。

 

メイディア「……ホント?」

ジェーン「もちろんですわよっ!! ねっ、アン?」

アン「う、うん……」

メイディア「……………」

 

 見下した視線を投げかける。

 

アン「…………」

 

 脅えたように首をすくめて背の高いメイディアを盗み見る。

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レイディ・メイディ 第17話

第17話:対立

 「聞いてよ!! メイディアったら」

 

……これがアンの口癖になって3カ月目。

 季節は早くも初夏を迎えていた。

 雨季に入り、気温の高さと湿気で蒸した室内は余計に人々の神経を苛立たせる。

 外に出られない日々が続き、ほとんど室内での講義と学問にあてられた時間。

 精神的にひどく幼いお嬢様と四六時中一緒のアンは限界に達しようとしていた。

 以前はレイオットやクロエが間に入って味方をしてくれたり、ジェーンやモーリーがはぐらかしてくれていたから良かったようなものだが、今の部屋はそういった類の人材に欠けていた。

 それどころか新しいルームメイトたちの方が、元々部屋が同じだったアンに頼ってきてしまう。

 当然と言えば当然の成り行きだったが、性質のおとなしいアンは押しの強い相手に弱く、結局、渋々従ってしまうだけである。

 

アン「もー、あの子、イヤ。嫌い。面倒見きれないよぉ」

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レイディ・メイディ 16-7

 シャトー夫人に見せたペンダントの文字は自分で刻んだものだ。

 候補生2年目で文字を読み書きできないワケがない。

シャトー夫人は養成所にも薔薇の騎士にも興味がなく、そんな細かいことにまで疑問は持たなかったのだ。

 養成所に通っているという彼女を頼みにして、メイディアを連れ戻すことだけに心を砕いていたのである。

 ひょっとしたら本当にシラーが自分の子でメイディアは違うかもしれない。

 シラーのでっちあげたウソかもしれない。

 マルガレーテがこの世にいない今、真相を知る術はもはやない。

 となれば、シラーを無下にするワケにはいかなかった。

 何しろ、本当の我が子かもしれないのだ。

 だからといって15年間娘として認識していたメイディアをいきなり放り出すこともできない。

 夫人の出した答えはこうだ。

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レイディ・メイディ 16-6

クロエ「どうしたの、急に?」

アン「急じゃない。初めから嫌いだったのよ、あの子!! 皆、よく我慢していられるわね」

 困惑した表情で、レイオット「えっと……アンは……仲良しなんじゃなかったの?」

アン「冗談でしょ? そう見えました? 皆、甘やかせ過ぎなのよ。どうしてあの子は何もできないのに可愛がられるの!!? 私の方がちゃんとなんでも真面目にしっかりやっているじゃないっ!! なのに私のこと、誰も見てくれないっ!!」

レイオット「アン、どうしたの、ちょっ……」

アン「ごめんっ!! 何でもないっ!!」

 

 荷物を持って部屋を出て行ってしまう。

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