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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 70-12

 口元を長い袖で隠して、ぎ、ぎ、ぎと首をかしげる。いつもの動作で。

鎮「これで、よろしゅうございますかな、ニケ殿」

 仮面をしていないせいで別人のように見えるが、当然、彼は何一つ変わってなどいないのだ。

ニケ「うん、ま、いいでしょ。じゃあもう一つ、ヒサメには早速だけど仕事があるんだ」
鎮「よもやリクの小汚い手にもちゅーしろとおっしゃられまいな?」
ニケ「いや。主は姫一人で充分さ」

 それは両方が危険な場面になったら、迷わず姫を取れという命令である。
 紅の瞳を持つ者は確かに重要であるが、それも姫のためにこそ価値がある。
 全ては姫の、いや、姫の存在すらもこのローゼリッタのためなのだ。

 

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レイディ・メイディ 70-11

クロエ「ち、誓いの口付けだなんて、わっ、私……」

 たちまち顔はトマトのように真っ赤に茹で上がる。

ニケ「何もそう、意識されずとも。ただ騎士の挨拶ですよ、姫」
クロエ「それはわかってるんだけど……む、無理っていうか……その……」

 ローゼリッタでは、特に貴族や平民でも上流家庭の間では、軽い挨拶程度に男性が女性の手の甲にキスをするのは常識である。
 だが、中流の平民として育った彼女にはそういった習慣がなく、ただの挨拶だとわかっていてもうろたえてしまうのだった。

鎮「まぁ、ニケ殿。かような形式程度の誓いなどせずとも拙者はちゃーんと(金のために)姫君をお守り致しまする。それに……」
ニケ「それに?」
鎮「ゴキブリを素手で打ち倒して、手を洗わずご飯を食べちゃうようなばっちぃ手なんかにちゅーしたくないでござるよ。ウフフフフ~」

 左手を口元に当て、右手をひらひら振って嫌~な笑い。
 これを聞いて全員が無言のまま可哀想なクロエを注目。

クロエ「ちっ……ちがっ!? んもーっ! 嘘ばっかり!! 人聞き悪い嘘を勝手に創作しないでぇ~!!」

 ががーんっ!??
 ビックリ仰天。あわてて否定に走る。
 乙女に対してとんでもないイジワルだ。
 さすがはメイディア嬢を初対面でイキナリ黄金の巻きグソ呼ばわりする男である。
 

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レイディ・メイディ 70-10

クロエ「……え……あれ?」
ブラウド「……ほーう?」
ガーネット『……女?』

 額当てを外し、改めて跪くシズカ=ヒサメ。
 意外なその素顔にクロエを含めたグラディウス親子は驚きを禁じえないでいた。
 奇行ばかりが目に付く小男。それでいて女性が卒倒してしまうほど醜いというので、どんな醜悪な顔が現れるのかとブラウドとガーネットは構え、ニンジャなヒサメ先生に過大な夢を抱くクロエは切れ長の涼しげな目をした美少年を思い描いていた。
 しかし三人の想像はどれも遠く、実際に現れたのは美少年にも美少女にも見える妖しい蝋人形めいた白い顔だった。
 頭を下げているためにハッキリと確認することは出来ないが、漆黒の髪の間から覗く瞳は不思議な金の光を帯びている。
 

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レイディ・メイディ 70-9

 ところで。
 とうとう謁見の間までたどりついたその脱力系・先生。
 本来、リクとクロエが来たときには、ブラウドらに混ざって先に参列していなければならなかった。
 つまり、リクたちよりも早く着いていなければならなかったわけだが……

ニケ「ヒィ~サァ~メェ~……」
鎮「ひいぃっ!?? お、お許しを~! へへぇっ!!」

 青ざめてその場にひれ伏す。

鎮「ちっ、違うのでござる! 焼きイモを焼いていたら、ぽんが……」
ニケ「女王のお呼び出しに遅れてくるなど……」
鎮「あっあのっ、コレッ! コレッ!!」

 ニケの雷が落ちる前にと風呂敷を広げて、例のブツを見せる。
 ぼてーん……。

鎮「………………」

 

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レイディ・メイディ 70-8

 深刻な表情で呆然とする自分を放置して、立ち去ろうとする鎮の髪をリクがつかむ。
 
鎮「ふぎっ!? な、何をしよる!?」
 
 頭を抑えて振り返る。
 
リク「まさか、ミカドって……女王?」
鎮「いかにも」
リク「アナタは……」
 
 鎮の的外れな遅刻の言い訳に毒気を抜かれていたリクの怒りがまたふつふつと熱を帯び始める。
 この人まで、“与えられた”人物だとしたら、自分は一体、何を信じればいい?
 自分の意思はどこにもなかったとでもいうのだろうか?
 今までの全てがあらかじめ決まっていた物語なのだとしたら……
 
鎮「?」
リク「アナタまで……女王の手先なのか」

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レイディ・メイディ 70-7

 クロエはまだ吹っ切れたわけではなかった。
 まだ何も整理されず、自分自身の気持ちもわからないままに足を一歩踏み出す決断を下した。
 この先、いつ躓くかもしれない。
 挫けるかもしれない。
 けれどまずは進んでみないことには何も始まらないことを彼女は知っていたのである。
 彼女にそうさせたのは、背後で支えとなっている兄や父への信頼と期待に沿いたい強い気持ちがあるから。
 だが、もう一人の少年には残念なことにそれが存在しなかったのである。
 彼の心は闇深く。病み深く。
 常に穏やかに見えるリクの心はさざめいていた。
 表情は優しげに保たれており、奥底に秘めた嵐を覗くことは叶わない。
 だが今、確実に。
すれ違う人間を振り向かせずにはいられない美貌の青年の心は、真実によって砕かれようとしていた。
 家族を殺した仇は既に亡き者に。
 復讐する矛先を失って生きる気力が減退していたところに追い討ちをかけるようなこの事実。
 殺したのは自分だ。
 自分のせいで、家族は死んだ。
 この忌まわしい紅い瞳のために。
 家族の死も恩師に出会えたことも自分が薔薇の騎士団を目指すことも全て、計画通り。
 当人の意思などなかったようなものだ。

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レイディ・メイディ 70-6

 謁見の間から逃げ出したクロエは、城の構造もわからないまま走っていた。
 とにかくその場から逃げ出したい一心で。
 どこを目指していたわけでもない。
 ただ落ち着いて考える場所を無意識に探していたかもしれなかった。
 建物から出て中庭を横切る。
事情を知らずにクロエを見かけた兵士に声をかけられ、あわてて離れの小さな塔の裏に逃れた。
幸いなことに兵士はそれほど気にしていなかったようで、後を追ってくる気配はない。
 
クロエ「ふう」
 
 石造りの冷やりとした塔の壁に背をつけて息をつく。
 
クロエ「私が……姫」
 
 ローゼリッタの。
 なんて非現実的な。
 深く胸の奥から空気を吐き出して、ずるずると座り込む。
 嘘で塗り固められた人生を今まで生きてきた、ということなのだろうか。
 楽しかった兄と父との三人暮らし。
 亡き母を慕う資格は自分にはなかったとでも?
 抱えた膝の上を涙が濡らしてゆく。
 父は当然知っていたとして、兄は。
 ガーネットはどうだっただろう?
 知っていて、妹ではないけれど妹のように扱ってくれていたのか。
 知らなかったのは自分だけ。
 
クロエ「教えてくれても良かったのに」
 
 最初から真実を。
 そうでなければ一生黙っていてくれれば良かったのに。
 泣いて赤くなった鼻をすすると、ふい玩具のような扉が目に付いた。
 
クロエ「……?」
 

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