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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 70-5

 宝石を保護するためにサレアが自分に近づき、成長したリクが、石に命じられるままに姫君を守る。
その力を体得させるため、養成所に入れられたのだ。
全ては国家のため。
 先程までの狂おしい怒りが急速に冷めて、代わりに裏切られたよう情けなさが浮上してくる。
 残った怒りの余熱と混ざり合って、どう表現したらいいのかわからない。
 
ニケ「彼を恨んじゃダメだよ?」
 
 下から、ニケが覗き込んだ。
 
リク「彼? ニケ先生はサレアをご存知だったんですね」
ニケ「……弟子だからね。命じたのは我ら十二賢者だ」
リク「……そうですか」

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レイディ・メイディ 70-4

リク「………………」
ニケ「………………」
 
 リク、呆然。
 ニケ、呆れて口を閉ざす。
 
リク「あの~」
ニケ「ああ、えーと、あの二人は薔薇の騎士見習い時代、同期なんだよ」
リク「いや、そうじゃなくて……いや、それもツッコミどころ満載でかなり気になるけど……っていうか、俺は何のために呼ばれたんです? かなりほったらかしにされてるみたいだけど」
ニケ「うん、ゴメンゴメン」
リク「まさかこっちまで両親が違うとでも言うんじゃないでしょうね? そんな真実だったらいりませんよ?」

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レイディ・メイディ 70-3

女王「これまであなた方を危険な目に遭わせてしまった事は、お詫びします。身に覚えがあるでしょう」
 
 側近であるニケが話を引き取り、まずは二人が今は誰とは言えないが何者かに命を狙われているということ。
 原因がシレネ封印に由来していること。
 そしてシレネを封印するために、クロエの力が必要なこと。
 それらを完結に説明した。
 
クロエ「待って下さい。シレネを封ぜよとそんな突然おっしゃられても、私は……私にはまだそんな力はありません。私は、養成所も終業していない見習い白魔術師です」
 
 急な展開に驚きを隠せず、思わず大きな声で反論する。

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レイディ・メイディ 70-2

 圧倒的な広さを誇る謁見の間には赤い絨毯が真っ直ぐ玉座まで伸びており、驚いたことに玉座のその隣には師であるニケが立っていた。
 想像を遙かに逸脱して、ずらり並んでいるであろう衛兵の姿は1人たりとも見えず、ここに来るまでについて来ていた兵士たちも一礼すると部屋から出て行ってしまった。
 兄が行ってしまわないようにと握ったマントの端を離さないようにクロエは意識した。
 もう一つ、驚いたことに無精ヒゲで身なりだらしない父が礼服を着て立っていることだ。
 全てが予想外である。
 そして、玉座には……

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レイディ・メイディ 第70話

第70話:崩壊と再会
 
クロエ「お城に? 私が?」
 
 城からの身に覚えのない通達を受けて、クロエは困惑していた。
 詳しい目的も書かれていない書状を何回も見直しては目を瞬かせる。
 
1、        同姓同名の人と間違われた。
2、        気がつかないうちに何か違反めいたことをしてしまった。
3、        悪質なイタズラ。
 
クロエ「うーん?」
 
 気がつかないうちに違反めいたことをしてしまったというのは、まずないだろう。
 罰せられるにしても城に呼びつけられるまでには至るまい。
 それほどの罪ならば、城に呼ばれるまでもなく断罪されよう。
 ともすれば、
 
クロエ「やっぱり誰かと間違われたか、イタズラね」

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