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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 70-3

女王「これまであなた方を危険な目に遭わせてしまった事は、お詫びします。身に覚えがあるでしょう」
 
 側近であるニケが話を引き取り、まずは二人が今は誰とは言えないが何者かに命を狙われているということ。
 原因がシレネ封印に由来していること。
 そしてシレネを封印するために、クロエの力が必要なこと。
 それらを完結に説明した。
 
クロエ「待って下さい。シレネを封ぜよとそんな突然おっしゃられても、私は……私にはまだそんな力はありません。私は、養成所も終業していない見習い白魔術師です」
 
 急な展開に驚きを隠せず、思わず大きな声で反論する。

▽つづきはこちら

 かまわずニケは先を続けた。
 
ニケ「もちろんです、姫。ですから姫にはこの先、母君の下で修行を続けつつ、城での作法などを学んでいただき……」
クロエ「ひっ、姫!?」
リク「母君?」
ニケ「ゆくゆくは女王としてこのローゼリッタを統治するだけの力を身につけていただきます」
 
 ハッキリと聞こえた。
 姫だと。
 将来の女帝だと。
 何の冗談だろう。
 
クロエ「何言ってるの、ニケちゃん? ね、ねぇ、お父さん、何とか言って! お兄ちゃん、これ、何の冗談!?」
 
 混乱して父と兄に助けを求める。
 叫びながら、ここへ来るまでの不安の正体が徐々に形づくのを感じていた。
 これだったのだ。
 嫌な予感の正体は。
 父・ブラウドと兄・ガーネットがゆっくりとその場に跪いた。
 
ブラウド「初めまして、王女・クローディア。ブラウド=グラディウスと申します。以後、お見知りおきを」
クロエ「クローディア?」
リク「………………」
ガーネット「青薔薇・小隊長代理、ガーネット=グラディウスでございます、姫」
クロエ「……ふざけないでったら」
 
 父と兄にかしずかれて、大事な何かか今にも崩壊しそうな……いや、実際に崩壊していくのがわかった。
 
クロエ「ニケちゃん、お芝居はもうやめてっ! こんな大掛かりな嘘を仕掛けないでよ! 本当はナニ!? 何のために呼んだのかそろそろハッキリさせて!」
ニケ「私は国立十二賢者筆頭・ニケ=アルカイック。これまで、微力ながら、姫の力の底上げを担当させていただきました。引き続き、城で貴女様の教育を引き受けさせていただきます」
クロエ「……な……」
リク「………………」
 
 固まってしまった娘に父・ブラウドが残酷な助け舟を出した。
 
ブラウド「突然で混乱されるのも無理はありませんが、貴女様は我々の実の娘ではございません」
クロエ「え……」
ブラウド「城の地下には恐ろしき魔女が毒を吐き続けております。生まれて間もない姫のお命に影響するため、また魔女側につく者の悪しき手からお守りするため、女王は我らを信頼し、貴方様をお預けになったのです」
 
 語られる真実にクロエは見る間に蒼白になり、女王は切なげにまぶたを伏せた。
 
ブラウド「姫におかれましては、ご自分のお命をご自分の手で守り、その運命を自らの手で切り開かんがため、不肖、このブラウドめが厳しくお育てしたつもりでございます。この先、重い使命が待ち受けておりましょうが、必ずや貴女様は遂げられるものと信じております」
クロエ「いやっ! 何を言ってるの、お父さん、変!!」
ブラウド「姫! クロエ=グラディウスはもうおりません。今すぐ、過去に決別なさい。貴女は、王女クローディア! よろしいですな」
クロエ「よろしくないったら!!」
 
 女王の面前であることも忘れ、クロエは立ち上がって強くかぶりを振った。
 
クロエ「私はブラウド=グラディウスとセレナ=グラディウスの娘です! ガーネット=グラディウスの妹です!! そこの変なベルモォォォォォォォォール3世なんかの娘じゃありませんっ!! 人違いです、さようならっ!!」
 
 言うなり、きびすを返して扉の方へ飛びついた。
 
クロエ「開けてっ! 開けて下さい!」
 
 強くノックすると外側から扉が開かれ、クロエは足をもつれさせながら廊下を駆け出していく。
 
ガーネット「クロエ!!」
ブラウド「ガーネット、追え」
ガーネット「わかってる」
 
 父の指示でガーネットが後を追う。
 
リク「………………」
女王「待って、クローディア! ベルモォォォォォォォォォール3世の何が嫌なのっ!?」
 
 一緒に駆け出そうとした女王のドレスをブラウドが遠慮なく踏んづける。
 
女王「あーれぇー!!!?」
 
 ビッターンッ☆
 
 女王、スローモーションで床にダイビング。
 
ブラウド「へぇ~かぁ~、どーか落ち着きになって。姫は一度に衝撃を受けすぎて混乱されているだけでございます。ここは息子にお任せを」
女王「でも私がベルモォォォォォォォォォォール3世だったばっかりに!」
 
 したたかに打ち付けた鼻先をさすって起き上がる。
 
ブラウド「そこはたぶん関係ありません、陛下!」
女王「だけどっ」
ブラウド「ええい、うるせーな。アンタが行くとややこしくなるから、おとなしくしてなさいって、このクソ女王」
女王「んなっ……!? 何ぃぃぃー!? 誰がクソ女王ですかっ! アナタこそ、ウンコ将軍のクセに!!」
ブラウド「誰がウンコ将軍だ」
女王「アナタよ、アナタ! 薔薇の騎士養成所に通っていながら、薔薇の騎士になれなかった、ウンコ将軍!!」
ブラウド「なれなかったんじゃない、ならなかったんだ。柄でもねぇと思ってな。だいたい人のことなんか言っておいて、お前なんか中退して女王じゃねーか。ダッセー!」
女王「ダサイ!? 好きで女王なんかじゃないんですからねっ! ああ、可哀想な私のクローディア! アナタみたいな甲斐性なしのヘッポコポンを父だと思っていただなんて!」
ブラウド「ヘッポコポン!??」
 
 暗雲立ち込める謁見の間。
 二人のいい年をした中年男女は、今、即席で考えたっぽい気配ムンムンな戦闘ポーズをとってジリジリと相手との間合いを互いに測っているようだった。
 
女王「ハアァァァ! 鶴の舞!!」
ブラウド「フシュウゥゥ! 亀の舞!!」

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●Thanks Comments

クロエの...

お父さん...薔薇騎士になれなかったんだ....ね?(T_T)


ってか、女王に対し、スゴイッ(≧ω≦)

しかし、ベルモォォォォォォォォォール3世も負けてない♪(笑)


お互い白の中で戦闘♪


この2人、幼なじみみたいなもんだったのかな?

From 【あっぴ】2009.06.28 04:02編集

Re:クロエの...

>お父さんはガラじゃないって薔薇騎士目指さなかったんだよ、確か。
>違ったっけ?
>雲さんキャラなので、詳しくは雲さんのところのキャラ紹介にて(^_-)-☆
>
>この2人は、幼なじみじゃなくて血のつながらない兄妹です。レイメイでは。

From 【ゼロ】 2009.07.01 21:03

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