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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 65-8

クロエ『でも……』
 
 このままにしておいてはいけない気もするのだ。
 
クロエ『どうしたらいいの?』
 
 今、今繋ぎ止めておかなくては、あの強固な心の扉は永遠に開かない気がする。
 開くのは自分ではないかもしれない。
 だけど、ノブから手を離したら、それさえも見失ってしまう。
 人の心に刺さったトゲを抜いて癒してあげるには、どうしたらいいのだろう。
 
クロエ『どうしたら            !』
 
 突如、クロエの身体が白い光に包まれた。
 回復魔法の訓練に集中していたクラスメイトたちが眩しさに目を覆う。
 

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レイディ・メイディ 65-7

 一方で、現在、ニケの白魔術の授業中であるクロエもまた彼女なりに今度の事件について思いを馳せていた。
 リクと同じく少なくなった学科はヒサメ先生の授業を専攻した。
 包帯を巻いて痛々しい姿だったが態度に変化はなく、淡々とした講義を進める鎮。
 2週間の休講とこのケガで生徒たちは口々に安否を尋ねたが、当人は魔物と遭遇したとだけ答えた。
 クロエとリクが同じ時期に姿がなかったことで、3人が魔物事件に巻き込まれたのだと周りは解釈しているようだ。
その中のまたいく人が一ヶ月間、片時も離れずにいた兄の存在が消えていることに気づいて指摘。
 これについて彼は、兄はもう故郷に帰った。ちょっと顔を見に来ただけだったからとごく自然に返していた。
 授業が終ってもクロエは今までのように鎮を追いかけるようなことはしなかった。
 それどころか声をかけることすらためらわれて、事件から2週間経ったというのに無事を喜ぶ会話一つも交わしていない。
 クロエの変化を敏感に感じ取ってくれる親友ステラがどうかしたのかと心配してくれたが、上手く答えることもできずにいた。

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レイディ・メイディ 65-6

 ここのまで内容を深く知ってしまったからには、できませんとも今更カンタンには言えまい。
 あと1、2年と思っていた寿命だったが、幸か不幸か一族の血を流したことにより、呪いの目的に貢献したためか、「女たち」の気配が遠くなった。
 呪いを解くには2つの方法があり、1つは愛してもらうこと。1つは一族を根絶やしにすること。
氷鎖女の血を流せば流すほど呪いを解くことに近づくのである。
それを先日、実感した。
重かった気配が少し減り、ケガや体力の回復が異常に早い。
氷鎖女の女がもっと殺せよと手を貸しているのである。
呪いは脅迫。
殺さねばお前の命はない。
代わりに殺せばお前を助けてやろう。
……そういうことなのだ。
こうしてあと少し、伸びた寿命。
これをどう使うべきか。
鎮は考える。

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レイディ・メイディ 65-5

ニケ「君は」
鎮「……はい」
ニケ「何故、二人を救った?」
鎮「救ったのではございませぬ。一族問題に巻き込んだ責任と、年長者の責務と、教官というお仕事上、仕方なくでございまする」
ニケ「あははっ。うん、そっか。そうだね。それでいいんだ」
鎮「そこに情があったと、お考えになりますとこのヒサメを見誤ることになりますゆえ。お気をつけ下され」
ニケ「……君は素直なんだね」
鎮「………………」
 

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レイディ・メイディ 65-4

鎮「別になりたくありませぬが」
 
 何かに引っかかったような動きで首をかしげる。
 
ニケ「……嘘……」
鎮「?」
ニケ「………………」
 
 咳払いして、改めて問い返す。
 
ニケ「なんで?」
鎮「だって別にいいもん。……あ。ござる」
ニケ「ヒサメは欲がないんだね?」
鎮「とんでもござらぬ。拙者は業突く張りでござるよ」
ニケ「それが地位や名誉ではないだけで?」
鎮「まぁ……」
 

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レイディ・メイディ 65-3

 この1カ月、兄に寄り添ってあれほど幸せそうにしている姿を見たことがなかった。
 
ニケ「……で? お兄さんは?」
鎮「死にました」
 
 即答だったので、一瞬言葉に詰まったが質問を続ける。
 
ニケ「死んだ? 殺した?」
鎮「……殺しました」
ニケ「彼がクロエとリクをさらった動機は?」
鎮「ひとつは拙者を遠くへおびき出すこと」
ニケ「何故?」
鎮「この近くで戦いが起これば、邪魔が入りますゆえ」
ニケ「ナルホド、理に適っている」

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レイディ・メイディ 65-2

 何故、こんな事態になったのか養成所側からの情報は、外の人間であるミハイルには詳しく伝えられていない。
 詮索するつもりもはなかったが、このケガ以来、ヒサメの兄というのが姿を見せていないのでだいたい察しはついた。
 あれだけぴったりと寄り添っていたのに、顔を見せないなんて不自然すぎる。
 おおかた、あの兄というのが曲者だったのだろう。
 敢えて好意的に考えるのなら、共にいて命を落としたか。
 
ミハイル『ま、前者だろうけどな』
 
 流れ者のヒサメ……いやシズカをわざわざ追って10数年ぶりに尋ねてきたというところからして、胡散臭い。
 どんな事情があるかは知らなかったし、興味もないが。

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