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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 70-2

 圧倒的な広さを誇る謁見の間には赤い絨毯が真っ直ぐ玉座まで伸びており、驚いたことに玉座のその隣には師であるニケが立っていた。
 想像を遙かに逸脱して、ずらり並んでいるであろう衛兵の姿は1人たりとも見えず、ここに来るまでについて来ていた兵士たちも一礼すると部屋から出て行ってしまった。
 兄が行ってしまわないようにと握ったマントの端を離さないようにクロエは意識した。
 もう一つ、驚いたことに無精ヒゲで身なりだらしない父が礼服を着て立っていることだ。
 全てが予想外である。
 そして、玉座には……

▽つづきはこちら

 
クロエ「女王様はどこに?」
ガーネット「今に来る」
 
 短く言うと、ガーネットは可哀想な妹の手から自らのマントを引き離させ、自分はカーペットを挟んで父の正面に立ち、いくら声をかけても微動だにしなくなった。
 呆けているクロエを促して、あくまで冷静なリクはそっと膝をついた。
 
リク「ほら、女王陛下がお出ましになるよ。ご挨拶ってお兄さんも言っていたじゃない。理由はすぐに明らかになるさ。そうでなかったら、来た甲斐がないってものだよ」
 
 やはりリクはこれまでの疑問を聞き出す腹づもりでいる。女王相手であっても。
 どんな席でも動じない彼の度胸に少しの救いを感じてクロエもやっとうなずいてみせた。
 促されるままに膝を折る。
 何故、呼ばれたのか。
 何故、父が兄がニケがこの場にいるのか。
 何故、クロエとリクなのか。
 女王が来ればそれが明らかにされる。
 明らかになるのが怖い気がしたが、もう扉は閉められてしまったのだ。
 運命の瞬間を今か今かと待ちわびる二人。
しかし待てどくらせど、肝心の女王が現れない。
やがて大人しくしていたニケが玉座の裏に回りこんだ。
 
ニケ「いつまでそうして隠れておいでですか!?」
 
 玉座の後ろにいる何者かとモメ始めた。
 
ニケ「この期に及んで、しり込みとは何事ですか。しっかりなさいませ」
 
 服をつかんで引きずり出そうとしている。
 相手の人物は引きずられまいと踏ん張っているようだ。
 まさかあの玉座の後ろでゴメている人物が女王ではあるまいか。
 
リク「いやいや。そんなことはないよね、さすがに」
クロエ「もしかして、お姫様?」
リク「そうかも」
 
 互いにしか届かない程度の小声で囁きあう。
 
ニケ「よろしいですか。貴女がその気なら、このニケにも考えがあります。せーのっ!」
 
 ニケは力いっぱい、引っ張る振りをして逆にその者を押した。
 相手は引っ張られまいと後ろに体重をかけ…………
 逆の力を加えられたためにイキオイ良く、転倒し、結果的にニケのいる逆側から転がり出てきてしまった。
 豪華なドレスを身に纏った淡い金髪の女性だ。
 2回転、3回転したためにうつ伏せに転がって顔は見えない。
 ガーネットが駆けつけて手を差し伸べると、ドレスの女性は見ていて哀れなほど震えながら立ち上がった。
 ゆっくりと現れたその顔に、二人の訪問者は絶句した。
 
クロエ「アレが……」
リク「ローゼリッタの……」
二人「女王!?」
 
 見事に蓄えられた、口ひげ!
 りりしい海苔まゆ毛!
 黒縁で瓶底のような眼鏡をかけ、頭には横転してすっかりズレてしまった男性貴族用の横ロールカツラ!
 二人が唖然としていると、女王らしき女性はもったいぶった咳払いをするといかにもな作り声を出してこう告げた。
 
女王?「ウォッホン! ワシはベルモール3世。女王ではナーイ!」
クロエ「………………」
リク「………………」
 
 途端、ニケの笑顔に青筋がうっすらと浮かび上がる。
 
女王?「女王は只今、病を患い、床に伏せておいでじゃ。よって代わりにこのワシ、ベルモォォォール3世が……」
 
 ズレたカツラを直しつつ、自らの演技に陶酔始めた彼女にニケが勇み足で近づき、
 
 
バリバリバリッ!!
 
 
 無残につけヒゲを剥ぎ取った。
 
女王?「あいったァーッ!!!」
 
 口元を押さえて、涙を浮かべるベルモォォォール3世。
 抗議の声をものともせず、続けてニケは眼鏡及びカツラ、海苔まゆ毛を次々に引っぺがす。
 
ニケ「ご覚悟をお決め下さい、見苦しいですぞ、女王!」
女王「いやん、ニケちゃん、そんな大声で」
 
 オロオロと気弱にクロエとニケを見比べる。
 その素顔を見たとき、リクはハッとなった。
 
リク『似ている……!』
 
 隣に跪く、その少女と。
 その素顔を見たとき、クロエはハッとなった。
 
クロエ『ベルモォォォォォール3世はどこに消えたの!?』
ニケ「女王、もうお諦め下さい」
 
 ニケに叱られ、どうやら女王だったベルモォォォォォォール3世は渋々、玉座に腰を落ち着けた。
 瞬間に先程とは打って変わった引き締まった表情でまずは呼びつけた二人に楽にするようにと威厳のこもった声で告げた。
 今更、威厳を取繕ったところでベルモォォォォォォォール3世な失態は消えないわけだが。
 
女王「今日、両名に来ていただいたのは、他でもありません。クロエ=グラディウス、リク=フリーデルス」
 
 何か大事なことが放たれようとしている。
 二人は固唾を飲んで次の言葉を待つ。
 女王は息を吸い込み、一度止めてから深く吐き出して言った。
 
女王「あなた方、両名は今日より、このローゼリッタ城に留まっていただきます」
二人「!?」

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もう2人は

戻れないのかと読んでて泣けて来たのですが、途中から別の涙に変わってしまった(笑)
ゼロさんの動かすキャラ達は愉快すぎます(笑)
ベルモォォォォォォォール3世、増えてってる(爆笑)

From 【雲】2009.02.04 01:51編集

ぶちこわしで

スミマセン(‐_‐;)
シリアスで通そうか迷ったのですが、我慢ならず愉快なことになりもした(爆)
ベルモォォォォォォォール3世、まだしつこく出てきますから☆

From 【ゼロ】2009.02.04 08:44編集

ん?

これは女王の名がベルモォォォォォォォール3世なの?


それともベルモォォォォォォォール3世は別にいるの?


ってか女王様ユニークvV(*^-^*)

From 【あっぴ】2009.03.21 14:31編集

Re:ん?

>ベルモォォォォォォォール3世は、女王様が今、即興で勝手に作った架空の名前です。
ごまかすために。
よって、ベルモォォォォォォォール3世は実在しません(笑)

From 【ゼロ】 2009.03.21 14:51

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