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レイディ・メイディ 17-3
2007.12.10 |Category …レイメイ 14-17話
スパーンッ☆
アンの言葉をさえぎって、いきなり3人に近い側のドアが開く。
性格ブスな生き物、再登場。
メイディア「聞こえてましてよっ!!」
リク「おお、来た来た。ドアの隙間からずっと見てたでしょ。やっぱり言い過ぎたと思ったんだ」
真っ赤になって、メイディア「ちっ……!! 違いますっ!! たまたま席をこちらに近いところに取っていたのですっ!! 決して、決して様子をうかがおうなんて思ってませんでしたわっ!!」
リク「意地を張らないで謝っちゃった方が早いと思うんだけど」
メイディア「ワタクシは謝りませんっ!! だって本当のことだものっ」
▽つづきはこちら
騒ぎを聞き付けた学徒たちも興味津々にのぞき込んでいる。
リク「じゃあ俺も謝らないよ。性格ブスも本当のことだから♪」
メイディア「なぬっ!!? ぬむ~っ。……撤回なさいっ!!」
リク「君がしたなら考えてやらないこともないけど」
相変わらず、無駄に爽やかな笑顔ですごいことを言ってのける。
メイディア「これは命令よ!!」
これもさらに涼しげに受け流して、
リク「いるよねぇ。言い分が通らないとすぐに権力を振り回す人。君はお子様かなー?」
近寄って頭をナデナデ。
メイディア「ムキョッ」
あのお嬢様に真っ向から勝負できるのは彼だけだと妙に感心するギャラリー。
メイディア「お子様などではございませんっ!! ワタクシは立派なレイディですっ」
相手の手を払いのける。
リク「ホラ、お子ちゃまじゃないと言うのなら、立派な貴婦人らしく筋道を通してごめんなさいしちゃったら?」
メイディア「貴婦人は夫とそれ以上の者にしか頭を下げたりしませんっ!!」
リク「それが貴族の在り方というなら間違っているよね」
メイディア「貴族のなんたるかも知らないクセに」
リク「貴族がどうあるべきかは貴族でない俺たちの方がわかっている気がするなぁ」
メイディア「お黙り!! 貴方と話していても……っ」
リク「埒が明かない? じゃあやるべきことをやろう☆ さ、“ごめんなさい”♪」
メイディア「謝らないと言っているでしょっ」
アンに向き直り、
メイディア「貴女!! 私も貴女のコトが好きません。気が合いますのね!! でも成績はまぁまぁ。よく努力はしていると思います。それなら、ワタクシを避けて誰かの陰に隠れる理由がどこにあるのかしら」
アン「………………」
鋭く睨まれて体を強ばらせる。
リク「君が怖いからだよ」
あっさり。
メイディア「私はこの生意気な生き物をけっちょんけっちょんにしてどちらが上か知らしめてやろうと思っておりますの」
性格ブス、お子様に続き怖い扱いしてくる少年の顔面に、脱いだクツのカカトを叩きつけてめり込ませる。
リク「ほぐっ!!?」
メイディア「貴女はどうなの、ワタクシが気に入らないというのであれば、戦いを挑めばいいのだわ」
リク「わぁ、乱暴~」
鼻血ブシューッ。
アン・ジェーン「きゃあっ、リク君っ!!?」
女の子たち「キャーッ!!!! リク君のキレイなお顔がぁぁーっ!!?」
メイディア「一歩も踏み出せないクセに。ワタクシ、貴女みたいな ……」
言いかけたとき、足元に紙ヒモをねじって丸めた物がいくつかほうり込まれた。
ソレは火を吹き、激しく回転し始める。
メイディア・アン・ジェーン「きゃあぁっ!?」
リク「!?」
3人娘、大パニック。
避けても避けてもそれはついてくるように火を吹きながら暴れている。
ジタバタと滑稽なダンスのように跳ね回る4人。
ヒモは短くなるにつれて勢いを弱めていったが、最後にパンッ!!と大きく弾けて心臓を縮こまらせた。
メイディア・アン・ジェーン「ゼェゼェ、ハァハァ……」
リク「……お、ヒサメ先生」
見るとソレを仕掛けた本人が口元に意地の悪い笑みを浮かべて立っていた。
氷鎖女「ネズミ花火」