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レイディ・メイディ 17-2
2007.12.08 |Category …レイメイ 14-17話
ジェーン「何でもないんですのよ、気になさらないで。ホホホホッ」
メイディア「ふぅん? ワタクシを追い出す算段でも立てていらっしゃるのかと思~った」
アン「そ……そんなコトないよ」
ぎこちなく笑って場をとりつくろう。
メイディア「……ホント?」
ジェーン「もちろんですわよっ!! ねっ、アン?」
アン「う、うん……」
メイディア「……………」
見下した視線を投げかける。
アン「…………」
脅えたように首をすくめて背の高いメイディアを盗み見る。
▽つづきはこちら
メイディア「ジェーンじゃなくてアンに聞いているの」
ジェーン「ですから、アンも……」
リク「…………………………」
アン、言葉なくうなづく。
無表情で、メイディア「………ウジ虫」
ポツリと言う。
アン「……え?」
メイディア「ウジ虫。……ウジウジしてるから、ウジ虫」
アン「!!!!」
カッと血が逆流して一瞬のうちに熱くなった。
好きな男の子の前で恥をかかされた、屈辱のためだ。
アン「な……」
『何よ、イキナリ……ッ』
リク「メーイディーア……ちゃんっ」
メイディア「……ナニ? その気色悪い呼び方は? やめて下さらない?」
リク「あれ、キショイ? ははっ。初めて言われちゃった」
メイディア「誰もが貴方になびくと思っていたの? とんだおバカさん」
リク「いいや。そんなこと思ってなんかないよ。少しもね。君こそ、権力で誰もがかしづくとカンチガイしちゃってるんじゃない? その性格どうにかした方がいいと思うなぁ」
メイディア「貴方に指図される覚えはありません。……失礼」
アン「………じゃない……」
アンの小さな声を耳に捕らえてメイディアは足を止める。
メイディア「何? 大きな声でハッキリおっしゃいな」
アン「……………」
メイディア「ふん」
「皆さん、次の授業が始まりますわ。教室にゆきましょう」
取り巻きたち「ハーイ、メイディア様っ♪」
メイディアが取り巻きたちと共にその場から消えるとアンは突然ひざを折って座り込み、堰を切ったように泣き出してしまった。
ジェーン「アリャリャ」
リク「あーあー」
アン「うぐ……ひっく……メイディア……私っ……ヤだ……」
ジェーン「泣くのよしなよぅ ホラ、そんななら先生に言い付けちゃおうよ」
アン「ヤダよぅ、ヒサメ先生、私たちに教えること以外興味ないもん。きっと私なんか無視される……。メイディアの方が成績いいもん……成績いい方が優遇されるに決まってる……。それにシャトー令嬢だし……」
リク「……………」
「残念ながら、ヒサメ先生はどんなに成績良くても、ちーともヒイキしてくれない先生なんだけどなぁ」
良くも悪くも氷鎖女は誰に対しても興味がなさそうに見える。
アン「ウソよ。他の先生は皆、メイディアを特別視してるもの」
リク「面倒だから放っておいてるだけじゃないかな……」
「それにそれって他の先生であってヒサメ先生じゃないでしょ?」
ジェーン「じゃ……じゃあレイ様に言い付けちゃうのは? レイ様ならちゃんと……」
アン「何だかんだ言って、レイ様も私よりメイディアの味方だもん。それに私がいいつけたってバレちゃう……」
リク「ならどうしたい?」
アン「…………リ……リク君が………ううん、何でもない」
また黙って泣き出す。
リク「んー……」
中途半端に伸びた黒髪をクシャクシャと掻く。
リク「気にすることないんじゃないかな? “性格ブス”の言うことなんかさ」
あわてるジェーンを尻目にわざとそこだけ強調して言ってみる。
リク「だって君の方が何倍も可愛いじゃない?」
アン「……リク君……」