HOME ≫ Category 「みやまよめな」 ≫ [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8]
みやまよめな:61
2008.06.10 |Category …みやまよめな
社「姉上っ!! 姉上が玄米を殺したのですなっ!?」
いきりたって問い詰める。
都「!! 何を言うかっ!! 知らぬ!!」
社「では今の傷は何と!?」
都「野良にかまれただけです!!」
社「いいえ!! 姉上は先日、転んだとおっしゃっておりました!! なぜ嘘をつかれたかっ!?」
都「……………………………」
「……ふん……」
社「!!」
都「……たかが犬コロ1匹になんですか、大の男がみっともない……」
突然、開き直る。
みやまよめな:60
2008.06.10 |Category …みやまよめな
社「私があんな長い階段を登らせたりしたから……」
万次「いいえ……そうじゃなくて……」
社「……いいんだ、私のせいだ……」 しょんぼり。
万次「歳のせいじゃなくて………………殺されていたんですよ」
社「……何?」
驚いて目を見開く。
社「誰にだっ!!?」
万次「……知りませんよ、そんなこと……」
社「何だとっ!?」
万次「でも……」
社「何だっ!?」
万次「……いえ……。あんまりヒドイ殺され方してたんで……」
社「!!」
みやまよめな:59
2008.06.08 |Category …みやまよめな
外で聞き耳たてていた二人もあわててその場から逃げ出す。
庭先まで逃げてきた椿と万次丸。
椿「人形から血だって……怖いこと言うねぇ、社様……」
万次「……大丈夫かね?」
頭の横に指でクルクル渦巻きを示してみせる。
つまり、頭の方は大丈夫か?ということ。
椿「コラッ!!」
軽くにらまれるりをさらりとかわして、
万次「……なんだかおっかないコトになってきたなぁ。こうなっら、おヒマもらいたいところだけど……」(※おヒマをもらう→お仕事辞めさせてもらう)
椿「えっ!? 万次、辞めちまうのかいっ!?」
万次「そうできればな~って話よ。でもおヒマもらっても他に行くトコないんで、困っちまうんだよな」
椿「……………………」
万次「なぁ、椿ちゃん」
椿「うん?」
万次「冗談はともかくさぁ。鬼とか人形から血とか気味悪いと思わねぇ?」
椿「そりゃあ……」
万次「……ここだけの話……」 声をひそめ、
「都様もアレだしさぁ」
椿「…………………」
みやまよめな:58
2008.06.08 |Category …みやまよめな
都「そうですよ。お堂に入り込んでいるものだから、外から覗いてみたのです。そしたら貴方が……」
社「……覗いたのは……姉上? 鬼ではなく……?」
都「鬼?」
椿「んっま!! しっつれい~っ!! 社様っ!! 女子になんてコト言うんですかっ!?」
万次「ははははっ!! お堂の中で昼寝して寝ぼけたんじゃないスかぁ?」
都「……………」
椿「笑いごっちゃないでしょーっ!!」
社「……………」
「姉上……」
都「何です?」
社「姉上の人形が……」
都の右目を見る。
みやまよめな:57
2008.06.07 |Category …みやまよめな
声「匂うぞ、匂うぞ。隠れても無駄だぞぅ」
声の主は確かにいる!!
お堂の周囲を回り出した。
足音からして、裸足。
そして、そうとうの大入道であろうことが容易に想像できた。
玄米「バウバウバウバウッ!!!!」
社『しまった!! 玄米が外に!!』
声「童の匂いがするぞ、男の子(おのこ)の匂いがするぞぉ~!!」
社「………ッ!!!!」
息を呑む。
戸を開けようとしたが、体は動かなかった。
全身が泡立つ。
みやまよめな:56
2008.06.07 |Category …みやまよめな
朝食をとったあと、社は犬を連れて出掛けようとする。
椿「どこにゆかれるのですか?」
社「……何か用か?」
うるさいな、という表情。
椿「いえ……用ってワケじゃ……」
社「いちいちオマエに断らないと私は出掛けてはいけないのかな?」
椿「そういうワケじゃ……」 ションボリ。
社「……………御神崎様のお堂だ」
結局、ぶっきらぼうに答える。
みやまよめな:55
2008.06.06 |Category …みやまよめな
社「姉上、お待ち下さいっ!! あの者は罪人では……」
都「当たり前です。かような錦を罪人になど与えるものですか」
社「……姉上……」
巫女「お……お許し下さい、お許し下さい都様……」
都「さぁ、見せておくれ!! 天女のように、天に上がってみせておくれ!!」
求婚者3「お待ちを、神子姫!! アレは……アレはッ!!」
都「ホラッ!! 早よぅ!!」
巫女「!!」
足が震える。
巫女は恐怖の中で思い出していた。
世話になったというその意味を。
そう、彼女こそが社に都の動向を漏らしていた巫女だったのだ。
そして猛は死に追いやられた。
巫女『……都様は…………ご承知なのだ……………何もかも……』
絶望が全身の血を冷たくした。