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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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みやまよめな:61

「姉上っ!! 姉上が玄米を殺したのですなっ!?」

 

 いきりたって問い詰める。

 

都「!! 何を言うかっ!! 知らぬ!!」

社「では今の傷は何と!?」

都「野良にかまれただけです!!」

社「いいえ!! 姉上は先日、転んだとおっしゃっておりました!! なぜ嘘をつかれたかっ!?」

都「……………………………」

 「……ふん……」

社「!!」

都「……たかが犬コロ1匹になんですか、大の男がみっともない……」

 

 突然、開き直る。

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みやまよめな:60

「私があんな長い階段を登らせたりしたから……」

万次「いいえ……そうじゃなくて……」

社「……いいんだ、私のせいだ……」 しょんぼり。

万次「歳のせいじゃなくて………………殺されていたんですよ」

社「……何?」

 

 驚いて目を見開く。

 

「誰にだっ!!?」

万次「……知りませんよ、そんなこと……」

社「何だとっ!?」

万次「でも……」

社「何だっ!?」

万次「……いえ……。あんまりヒドイ殺され方してたんで……」

社「!!」

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みやまよめな:59

 外で聞き耳たてていた二人もあわててその場から逃げ出す。

 庭先まで逃げてきた椿と万次丸。

 

椿「人形から血だって……怖いこと言うねぇ、社様……」

万次「……大丈夫かね?」

 

 頭の横に指でクルクル渦巻きを示してみせる。

 つまり、頭の方は大丈夫か?ということ。

 

椿「コラッ!!」

 

 軽くにらまれるりをさらとかわして、

 

万次「……なんだかおっかないコトになってきたなぁ。こうなっら、おヒマもらいたいところだけど……」(※おヒマをもらう→お仕事辞めさせてもらう)

椿「えっ!? 万次、辞めちまうのかいっ!?」

万次「そうできればな~って話よ。でもおヒマもらっても他に行くトコないんで、困っちまうんだよな」

椿「……………………」

万次「なぁ、椿ちゃん」

椿「うん?」

万次「冗談はともかくさぁ。鬼とか人形から血とか気味悪いと思わねぇ?」

椿「そりゃあ……」

万次「……ここだけの話……」 声をひそめ、

  「都様もアレだしさぁ」

椿「…………………」

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みやまよめな:58

都「そうですよ。お堂に入り込んでいるものだから、外から覗いてみたのです。そしたら貴方が……」

社「……覗いたのは……姉上? 鬼ではなく……?」

都「鬼?」

椿「んっま!! しっつれい~っ!! 社様っ!! 女子になんてコト言うんですかっ!?」

万次「ははははっ!! お堂の中で昼寝して寝ぼけたんじゃないスかぁ?」

都「……………」

椿「笑いごっちゃないでしょーっ!!」

社「……………」

 「姉上……」

都「何です?」

社「姉上の人形が……」

 

 都の右目を見る。

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みやまよめな:57

声「匂うぞ、匂うぞ。隠れても無駄だぞぅ」

 

 声の主は確かにいる!!

 お堂の周囲を回り出した。

 足音からして、裸足。

そして、そうとうの大入道であろうことが容易に想像できた。

 

玄米「バウバウバウバウッ!!!!」

社『しまった!! 玄米が外に!!』

声「童の匂いがするぞ、男の子(おのこ)の匂いがするぞぉ~!!」

社「………ッ!!!!」

 

 息を呑む。

 戸を開けようとしたが、体は動かなかった。

 全身が泡立つ。

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みやまよめな:56

 朝食をとったあと、社は犬を連れて出掛けようとする。

 

椿「どこにゆかれるのですか?」

社「……何か用か?」

 

 うるさいな、という表情。

 

椿「いえ……用ってワケじゃ……」

社「いちいちオマエに断らないと私は出掛けてはいけないのかな?」

椿「そういうワケじゃ……」 ションボリ

社「……………御神崎様のお堂だ」

 

 結局、ぶっきらぼうに答える。

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みやまよめな:55

社「姉上お待ち下さいっ!! あの者は罪人では……」

都「当たり前です。かような錦を罪人になど与えるものですか」

社「……姉上……」

巫女「お……お許し下さい、お許し下さい都様……」

都「さぁ、見せておくれ!! 天女のように、天に上がってみせておくれ!!」

求婚者3「お待ちを、神子姫!! アレは……アレはッ!!」

都「ホラッ!! 早よぅ!!」

巫女「!!」

 

 足が震える。

 巫女は恐怖の中で思い出していた。

 世話になったというその意味を。

 そう、彼女こそが社に都の動向を漏らしていた巫女だったのだ。

 そして猛は死に追いやられた。

 

巫女『……都様は…………ご承知なのだ……………何もかも……』

 

 絶望が全身の血を冷たくした。

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