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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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みやまよめな:57

声「匂うぞ、匂うぞ。隠れても無駄だぞぅ」

 

 声の主は確かにいる!!

 お堂の周囲を回り出した。

 足音からして、裸足。

そして、そうとうの大入道であろうことが容易に想像できた。

 

玄米「バウバウバウバウッ!!!!」

社『しまった!! 玄米が外に!!』

声「童の匂いがするぞ、男の子(おのこ)の匂いがするぞぉ~!!」

社「………ッ!!!!」

 

 息を呑む。

 戸を開けようとしたが、体は動かなかった。

 全身が泡立つ。


▽つづきはこちら

 

社「………はぁ……はぁ……」

 

 恐怖のあまり、呼吸が速くなる。冷たい汗が落ちる。

 

声「……………………」

社「…………………ッ」

 

 刀と人形をにぎりしめた。

 まだ玄米は激しく吠えている。

 

社『……ん?』

 

 ふいに握り締めた人形に注意がいく。

 

「……血?」

 

 …………………人形は、右目から血を流していた。

 

社「ッ!!」 目を見開く。

 「うわあぁぁっ!!!!」

 

 思わず声をあげ、人形を放り出して叩きつける。

 

声「!!」

 「みぃつけたぁ~」

社「!!!!」

 

 格子越しに巨大な鬼の影が間近に迫る。

 

「うああああああぁぁぁーっっっ!!!!」

 

 

2,

 ……………………自分の悲鳴で目が覚めた。

 心配そうに覗き込んで、

 

椿「大丈夫ですかぁ~?」

社「……はっ……はっ……」 息を切らせる。

 「つ……椿……?」

 

 気づけば自分の部屋の布団の中。

 続いて万次丸も顔を覗かせる。

 

万次「どうしちまったんですかい?」

社「万次……」

 「私は……一体……!?」

万次「そりゃあ俺っちが聞きたいですよ」

椿「あんだけ七つ参りのお堂には行ったらダメだって言ったのに、ちっとも聞きゃしないんだから社様は~」

 

 母親のように叱る。

 

社「……では……アレは……」 夢では……?

 

 そこへ都がつと障子を開けて入ってくる。

 

社「!! 姉上!!」

 

 上半身を起こす。

 

都「……心配しましたよ、社」

社「………………」

 

 人形を思い出す。

 

都「呼んでもいないから椿に聞いてみれば、御神崎様のお堂に行ったかもしれないというではありませんか。急いで追ってみれば、人の顔を見て悲鳴を上げて気を失うし……」

社『え?』

都「どうかしていますよ」

社「姉上が私を迎えに?」

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