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エリート未満:4
2008.10.16 |Category …レイメイ番外編
「それであの、もう一度、声をかけてもらお」
「えっ?」
つまり、彼が言いたいことはこうだ。
これから頑張ってもう一度レヴィアス先生を振り向かせようというのである。
だけどそんなのは無理だ。
一度、目をくれなくなったら二度とは興味なんて持ってくれっこない。
「それでな。お前はこう言ってやれ。“考えてやってもいいぜ”ってな」
「でも俺……もう……」
「……出来るよ。出来る。ナニ、すぐさ。……俺がついてる」
表情は口元だけ。
その口がイタズラを仕掛ける子供みたいにニヤリと引き伸ばされた。
…………………………これを聞いたとき、俺は、この人がすげぇ好きだと思った。
▽つづきはこちら
天才2人をたまたま引き当てて、だから教官として能力がある風に言われているだけだとレヴィアス先生が評価を下したこの冴えない先生が俺はすごく……すごく好きだと思った。
本当にレヴィアス先生が言ったようなダメ教官かもしれない。
この人の根拠のなさそうな言葉は、捨てられた俺を励ますためのまったくの嘘かもしれない。
でもいいんだ。
俺はこの人のところでもう一度、1からやり直す。
天才じゃない俺が頑張って、この人の、天才2人を抱えたためにつけられた無能というレッテルを返上してみせる。
天才じゃない俺が強くなったら、皆がきっと認める。
ヒサメ先生がいい先生だって。
これは天才のクレスにもリクにもできない仕事だ。
オメーラになんか頑張ったってできやしないだろ。ざまぁみやがれ。
呼び出された小汚い人形だらけの執務室で、俺は声を上げて泣いたんだ。
ヒサメ先生は困ってオロオロして、食べかけのお菓子をくれた。
でもそれは、どこから取ってきたのかネズミ用の餌だったから。
俺は遠慮した。
俺はエリート未満だ。
この先もまざまざと見せ付けられる。
真のエリートとの力の差を。
ときには自信を失って魔法が上手く唱えられたりするけれど、でも大丈夫。
後ろ向きに倒れかけたら、あのちっこい教官が押し戻してくれるはずだから。
あの日から1年。
俺、なんかすげー伸びているって実感ある。
やっぱり俺ってスゴイ?
俺はもう一度レヴィアス先生にお声をもらうために今日も頑張っている。
声をかけてもらったら、言う言葉は決まっているんだ。
「間に合ってます」
レイディ・メイディ番外編:4
エリート未満
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●Thanks Comments
カイル…!
何か、余計カイルが好きになりました(爆)
エリート未満だからこその魅力ですよね、彼は。
ザコキャラですから(笑)
奴はダレスと並んでピエロキャラ代表ですからね(笑)
こんなトコでアレですが、今、おお振り読んでます。
まだ3巻しか読み終わってないけど、秋月さんの好きな榛名さん出てきてるよ(^_-)-☆
今のところ、ゼロは田島が好きです♪
カイルの番外編だね
なんか懐かしい場面を思い出しました。(^-^)カイルってこんな奴だったんだね。今でもヒサメ先生が好きで女性だと勘違いもしてるけど(笑)
ヒサメ先生がカイルに贈ってる言葉に感動☆さすがはヒサメ先生なのです。
カイルはエリートではないけど、メイディアみたいに努力で頑張る性格なんだね。そういえば、本編でもそんな場面があったよね?←違ってたらごめんね。
カイル、ヒサメ先生のクラスに変わってから性格も変わった気がする...(*^_^*)
カイルってこんな奴。
ちょうどメイディアと近いですね。
でもメイディアほどストイックじゃありませんけど^_^;
はい、ヒサメクラスに行ってだいぶ価値観は変ってます。
仲間とかは以前は全部、ライバル・敵だと思っていましたが、今はちゃんと友達だと思ってますし。
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