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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 66-11

アン「わ、私も力になるよ、クロエ」
 
 すぐ隣にいたアンが会話に割って入ってきた。
当然、連れだっているであろうアンの姿が人波に隠れて見えなかったので、クロエはしまったと思った。
リク以外に聞かれたくない話しだったのに、アンにまで気を使わせてしまった。
 
クロエ「ありがとう、アン。そう言ってくれると心強いんだけど……」
アン「だけど?」
クロエ「ごめんね、ちょっとその……」
アン「私は聞いたらいけないの?」
クロエ「えっと……」
リク「ごめん、クロエ。じゃあ後で」

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レイディ・メイディ 66-10

クロエ「呪いは具体的に何なのですか? どうしたら解けるか方法だけでも教えて下さい。解けないって決め付けないで、お願い、最後まであがいて努力して……お願い……」
 
 必死に食い下がって腕をつかむ。
 
鎮「面倒だ……」
 
 ぼそりとつぶやく。
 
クロエ「……え……」
鎮「面倒だと言ったのでござるよ」
 
 軽く手を払う。
 
クロエ「………面倒って………」

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レイディ・メイディ 66-9

 その間にもどんどん距離は遠くなる。
 ちらりと鎮は独りで頭を抱えたり百面相をしているクロエを見やったが、相手にしていられないと首をすくめた。
 
クロエ『ハッ! 先生がこっち見た気がした。話しかける今がチャンス? そうだわ。傷の具合はどうですかって。さりげなくそこから入って、えーとえーとっ』
 
 角を曲がってしまった。
見失わないように駆け出して同じように曲がったら、当人がこちらを向いて立っていたのでぶつかりそうになり、思わず声を上げてしまった。
 
クロエ「ひゃっ!?」
鎮「何か用でござるか?」

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レイディ・メイディ 66-8

 翌日は丸一日、アンはリクを観察していた。
 いつもは見とれているだけだが、今日は気合を入れて「観察」した。
 気がつくといつのまにか見とれる方に流れていて、そうなるたびに頭を振って意識を改める。
 リクの紅い双眸は恋人の方を向く気配は全く見せず、一人の教官だけを追っている。
 しかも時々、切なげにため息などついているものだからアンの怒りはぐんぐんと上昇始めていた。
 そのミステリアスな瞳は一人だけを見ていればいいはずなのに。
 だが、怒りを煽る原因のリクは現在、恋人アンのご機嫌を伺っているどころではなかった。
 恋や憧れといった前向きな問題ではなく、もっと根が深い問題を追っていたからである。
 一人の人間を奈落の底から引き上げてあげたいと願っているのだ。

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レイディ・メイディ 66-7

 学徒宿舎。
 アンは急いで自分の部屋に戻った。
 今年のルームメイトは、ジェーン、クロエ、レイオット、ステラの4人。
 アンを合わせて5人部屋となっていた。
 3回生にもなるとぐんと人数が減って、6人きっちり詰め込まれなくなる。
 けれどベッドは6つあるので、そこにはしょっちゅうモーリーが遊びに来て占領している。
 今日も彼女は当たり前のようにそこに陣取っていた。
 
モーリー「っていうか、それさぁー」
 
 リクと鎮のやりとりを聞いたモーリーがベッドにうつぶせに転がって足をぶらつかせながら、とんでもないことを言った。
 
モーリー「一夜の夢って……アレ 夜の営み? 大人の
 
 全員が同時に噴出す。
 
アン「悪夢って言ったでしょ、あ・く・む!!」

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ぶりかえした……

 ぶり返しました、女子日……。
 なんでいつもこうかね=3 がっくり。
一度終ったかと見せかけてもう一度、どかんとくる。毎回のパターンだ。おとなしく終ってくれればいいのに。
 今日もおウチでおとなしくしています;
 気分的には元気だし、じっとしている分にはやっぱり元気なので、つい平気じゃんって外で活動始めると途中で電池切れる。
 夕方とかは動き回って平気なので、たぶん体温調整が普段より利かないので暑さにやられるのではないかと。
 ちぇー。
 昼間は皆サン、学業にお仕事に頑張っておられて、プーは相手にしてもらえないので退屈です。(贅沢な…!)
 退屈とか言っている場合じゃないんですが。懐が寂しくなってる;
 生活費稼がないと(爆) ヤバヤバ。

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レイディ・メイディ 66-6

 これまでは辛いことがあると故郷に思いを馳せては、耐え忍んでいた。
 これからはそうはいくまいなと独りでつぶやく。
 自分が生きていたせいで母親が自害していたとは思わなかった。
 幸せになって欲しいと願っていたのに。
 自分が死んで少しは哀れんでくれたらいいなと望みをかけていた母親は、自分が殺したも同然だったとは。
 彼女は子供を生んでからこのかた、ひょっとしたら一度も心から笑ったことがなかったかもしれない。
 大変申し訳ないことをした。
 せっかく結婚して子宝をもうけたというのに。
 お前さえいなければと母が口癖のように言うのも無理はない。
 彼女の一生を不幸で染め上げたのは、他でもない。
 この鎮なのだから。

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