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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 66-10

クロエ「呪いは具体的に何なのですか? どうしたら解けるか方法だけでも教えて下さい。解けないって決め付けないで、お願い、最後まであがいて努力して……お願い……」
 
 必死に食い下がって腕をつかむ。
 
鎮「面倒だ……」
 
 ぼそりとつぶやく。
 
クロエ「……え……」
鎮「面倒だと言ったのでござるよ」
 
 軽く手を払う。
 
クロエ「………面倒って………」

▽つづきはこちら

鎮「もう話はしまいとゆぅておるでござろ。ホントに平気だから」
クロエ「平気って言われてもっ、私……」
鎮「解く努力はした」
クロエ「でも解けてない……」
鎮「けどもう良いと思うておる。それをまた蒸し返さなくてもよろし」
クロエ「……そんな……」
鎮「………それとも」
クロエ「はい」
鎮「言ったら、お前様が解いてくれるとでも?」
 
 小さく首をかしげる。
 
クロエ「……! は、はい! できるだけの努力はします!!」
鎮「できるだけじゃ意味ない」
クロエ「じゃ……じゃあ解いてみせます」
鎮「嘘つき」
 
 見透かしたようにニヤリと笑う。
 
クロエ「……うっ」
鎮「責任も取れぬようなこと、軽々しく言うでない。もし本気にしたらそちらが困ろうが」
クロエ「だけど……」
鎮「さ、授業に行きっ」
クロエ「………………」
鎮「気持ちはようわかったし、有り難く受けておく」
クロエ「待って! 待って下さい!!」
 
 もう一度伸ばす手。今度はひらりと避けられてしまう。
 しかも、
 
鎮「ああ、うざ」
 
 ウザイ呼ばわり。
 
クロエ「ウッ、ウザッ!?」 びくっ。
鎮「ウーザーイ! うざいったらうざい! シッシ! えーんがちょ!! クロエ抜かして養成所全体ばーりあっ!」
クロエ「バリア!?」 がびんっ!?
 
 避けられてしまった手を見つめる。
 
クロエ『……クロエ抜かして養成所全体バーリアって…………ナンデスカー!?』 エーッ!?
鎮「学徒は学徒らしく、訓練に専念しぃ」
 
 言い残して今度こそ、鎮は立ち去ってしまった。
 透明で目には見えない、しかし冷たく分厚いドアで締め出されてしまったのだ。
 何も進展しないままに。
 残されたクロエは呆然と立ち尽くしていたが、やがてのろのろと今来た道を引き返す。
 何もしてあげられない。あまりの無力さに打ちひしがれながら。
 
クロエ『……私……先生の傷口を広げちゃただけだったのかしら……』
 
 授業に出席する気にとてもなれずに離れの図書館に足を運ぶ。
 大きくて重い木の扉を押し開けると授業のない学徒たちがまばらに座って勉強にいそしんでいた。
 秋の試験も近いから、熱が入っている様子だ。
 空いている席に適当に選び出した本を置く。
 
クロエ『本人が忘れたがっていることを私たちがいつまでも突きつけてしまっているの? だとしたら、何もしないでそっとしてあげることこそが私たちにできる唯一のこと? だけど……そしたら……』
 
 呪いはどうなるだろう?
 頭の中は一ヶ月前の夜に飛んでいて、ページをめくる本の内容は全く入ってこない。
 上下逆になっていることすら気づかない有様だった。
 自分に出来ること。
 本人は放っておいて欲しいと願っているし、こちらを頼ろうという意思も気配も見せてはくれない。
 自分たちを心配させまいとして、普段どおりに振舞おうとしているのなら、今クロエがしようとしていることは余計なお世話以外の何ものでもなくなってしまう。
 だが、家族との死別はそっとしておいたとしても、呪いの問題が残っている。
 一見、先生を見ても何もない。
 大丈夫なのだろうか。
 頼りの兄やステラに相談したい。意見が聞きたい。
 兄ガーネットなら本人の意見を尊重して放っておけと言うだろうか。
 ステラなら叱ってでも助けてあげなとでも言うだろうか。
しかしどんなに親しくても他人の秘密を言いふらすわけにはいかない。
先生はクロエたちにも知られたくなかったのだから。
 相談するなら、成り行き上、同じ秘密を共有するリクしかいない。
 クロエは決意して逆さまの本を閉じた。
 授業終了の鐘を待って、食堂に急ぐ。
 別クラスの人間を捕まえるには一番効率のよい場所だ。
 先回りしてしばらく待っているときたきた。
 あのすらりとした長身、艶のある黒髪は間違いない、リクだ。
 
クロエ「リク!」
リク「クロエ。どうしたんだい? 浮かない顔に見えるけど」
 
 呼ばれたリクがトレーに食事をのせながら顔だけを向ける。
 
クロエ「うんと……そんなこともないのだけど……ううん、あるかな、そんなこと」
リク「……なんだろう? 聞くよ、何でも」
クロエ「……うん。そう言ってくれると……思った」
 
 弱々しく笑ってみせる。

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●Thanks Comments

わっ☆これは...

アンとリクとクロエの三角関係の前触れかな♪(^-^)←コラコラ。

にしてもやはり、ヒサメ先生好きだvV
ヒサメ先生の呪いを解くために、なんとなく...クロエとヒサメ先生がくっついても良いような気がしてきたよ(笑)←ぉぃっ。

From 【あっぴ】2008.10.01 00:05編集

三角関係好きやのー(笑)

鎮に場面回るとシリアスぶち壊しで後が続かなくなるのが困ります(爆)
クロエと鎮ですか?
じゃあガーネットお兄ちゃんも入れて三角関係で!←ウソです。

From 【ゼロ】2008.10.01 00:12編集

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