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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 66-31

 今起こった出来事を遅まきながら理解した鎮の方は視界が大きく開けていることで額当てがなくなっていることに気がついた。
 しかも前髪が乱れてあちこち勝手な方向を向いてしまっていることに恐怖を覚え、とっさに人面瘡を隠して顔を背ける。
 
リク「!!」
 
 だが遅かった。
上体を起こそうとしたリクは途中で息を呑んで動きを止めた。
 今、チラリと見えたものはなんだった?
 人の……顔?
 
リク『アレが……呪いの正体!?』
 

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レイディ・メイディ 66-30

リク「そんな……違うよ、俺は……!」
 
 だけど、違う。
 それだけじゃない。
 それでけであるはずがないではないか。
 鎮は鎮だ。それは承知している。
 まったくの他人を父親・秋臣にすっかり挿げ替えてしまうことなどできっこない。
 リクの父親は永遠にただ一人なのだから。
 父親的な位置に置いて代わりとなる存在ではあったけれど、鎮では到底、秋臣になりえないということだ。
 
リク「ちゃんと鎮を見てるよ!」
鎮「……ウソツキ」
リク「鎮っ! 違うよ、聞いて!」
鎮「嘘つきはイヤだ。慰めに使われるのも、もう沢山。味方してくれるだの、守るだのってカッコイイことばっかり。できもしない……するつもりもないクセに」
 
 バケツを胸に抱いて一歩下がる。

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レイディ・メイディ 66-29

リク「もっと信用して、頼ってくれていいんだ。俺は……まだ何も出来ない子供で……力も足りない。でも、だけど……貴方を独りにしたくない。独りにさせたくない。俺が貴方をきっと……きっと、」
  『深い悲しみから、きっと…………』
 
 深く長かった暗闇の海から手を引いて連れ出してあげたい。
 冷たく降りしきる悲しみから救い出してあげたい。
 床に落としていた視線を上げ、
 
リク「きっと守ってみせるから」
 
 両肩を、痛みが走るであろうほど強くつかんで揺さぶる。
 肩は驚くほど細くて頼りなく、リクの決意をさらに強固なものに仕上げる効果をもたらした。
 ……だが。

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レイディ・メイディ 66-28

ダレス「うおお、フェイト! お前は俺様の仲間だ!! お前の死は無駄にしないぜ!」
 
 物言わなくなったフェイトにダレスは追悼の意を込めて祈りを捧げた。
 
レク「リクのことだし、ひょっとしたらヒサメ先生のところかもしれないから後で戻ってきたら、アンが探していたって伝えとくよ」
アン「!」
『……ヒサメ……先生!』
 
 レクの言葉にはっとなって顔を上げる。
 
アン「ありがとう、レク君! ごめんね。迷惑かけて」
レク「いいんだよ。さ、わかったらちゃんと部屋に戻って着替えてね?」

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レイディ・メイディ 66-27

 二人が立ち去ってもアンはそのまま階段の下で待っていた。
 着替えになんて戻ったら、リクとの再会が遅れてしまうではないか。
 1分1秒でも早く会いたいのだ。あの温かな笑顔に。
 じりじりとはやる気持ちを抑えて待っている間、目の前を食事を終えた者、これから食堂に向かう者、疲れを癒して風呂から上がった者、早くお湯に浸かりたいと入浴場に向かう者……多くの通行人が目の前を通り過ぎてゆく。
 その中に女子のグループがこちらをチラチラ盗み見ながら会話をしているのに気がついた。
 会話は聞こえなかったが、とても気分が悪かった。
 どうせ悪口を言っているに違いないと思ったからだ。
 リクの隣を射止めてから、妬みによる陰口には慣れていた。
 何かある度にリクがちゃんと守ってくれるので心配はなかったのだ。
 けれど今は一人きり。気にしなくていいと言って庇ってくれる人が誰もいない。
 アンはたまらなくなって階段を駆け上った。

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レイディ・メイディ 66-26

 鎮は丈夫だ。
 確かに丈夫だ。
 1ヶ月経つともうあの事件はクロエとリクだけの夢だったかと錯覚させられそうになるくらいに自然に振舞って寂しさなどカケラも表に出しはしない。
 人はそれほどヤワじゃなくて、どんなになったとしても生きてはいける。
 この人の言うとおりだ。
 言うとおりに彼は実践している。
 呪われて蔑まれようと母を兄を殺そうと死を望まれようと彼は生きている。
 いつもと変らず軽口を叩いて教壇に立っている。
 しかし。
 生きていけはすれど。
それだけではあまりに悲しいじゃないか。
独りでただ耐え忍んでゆくだけだなんて。
 
リク『この人は俺と同じなんだ……。誰といても独り孤独で……他人に頼ることもできなくて……誰にも愛してもらえない……』
 
 リクは自分の境遇に重ね合わせて胸が詰まった。
 

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レイディ・メイディ 66-25

リク「………………」
鎮「人はさ。なぁ、リク」
リク「はい……」
 
 毛布を被ったまま、声の方に顔を向けると教官が座るその後ろに紙で作った鳥の束が見えた。
 
鎮「どうになっても割りと、生きていけるものでござろ?」
リク『……あれは……』
 
 クローゼットの側面に突き出したフックに引っ掛けてあるそれは、この国では馴染みのない……千羽鶴だ。
 
鎮「それはお前様が一番、よう知っておるのではないか? これまでもそうして生きてきたのなら」
リク「!」

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