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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 61-15

 森がざわめいた。
 突風が巻き起こる。
 鳥が一斉に飛び立ち、獣が身を隠す。
 
初「!? 皆! 酷い邪気が!!」
冴牙「な、何が来る!?」
炎座「関係あるかっ! ヤツを殺せばそれで済むこと!!」
 
 初と冴牙が戸惑って足を止めたが、好戦的な炎座は構わず突っ込んだ。
 
悟六「待て、炎座!! 印を結べ!!」
 
 若い二人に下がれと命じて、悟六は炎座の後を追う。
 

▽つづきはこちら

鎮「咎人でも良いと仰せになられた、あにさまが。あは……あはは……」
 
 氷鎖女一族4人と鎮の間に黒い球体が生まれた。
 それらは土をえぐり、森の生命力を吸い込んで大きく膨らんでゆく。
 
初「冴牙! 木が……草が枯れてゆく!!」
冴牙「オイオイ……なんちゅーメチャクチャな……!?」
偲『…………これが……シズの力なのか?』
 
 さすがの偲も目を見張って、じっとりと嫌な汗を浮かべた。
 あれに飲み込まれれば、全て吸い尽くされて塵となるか。
 
鎮「養成所に近いでな。静かに終らせたい………………死んで。お方々」
 
 口の端を吊り上げて笑う。
 
悟六「突っ込むな、炎座!」
炎座「このような鈍い黒丸なぞ、わしの炎で消し去ってくれるわぁ!!」
 
 腕を振るって火炎を出現させる。
 続けさまに下から上へ手招きするような動作を見せて、火柱を呼び起こす。
 数本の火柱は天へ伸びて互いに絡まり、一本の太い帯となって黒い球体に突き進んだ。
 
炎座「さあ、どうじゃ!」
 
 だが、そのエネルギーさえも黒い球体に飲まれてあっけなく消失。
 
炎座「なんと!?」
悟六「くそっ! これほどとは!! 建て直しをする。引くぞ!!」
炎座「ぐぅっ! おのれっ!!」
 
 今度こそ、悟六の指示に炎座も賛同した。
 逃げる4人。
 
偲「追わぬのか、シズ?」
鎮「この魔法……いえ、忍術は鈍いのでございます」
 
 あらゆる生気を吸って巨大化するこの暗黒魔法は威力はあるが、早さがない。
 じわじわと進むだけなのだ。
 パチンと指を弾くと、魔法が解除されてなくなった。
 球体が通った後には草も木も枯れ果てて無残な姿をさらしている。
 変わりに吹雪の魔法で追撃を開始する。
 
初「くぅっ!」
冴牙「危ねっ!」
 
 側の木の幹に楔となった氷が突き刺さる。
 氷のつぶてが混ざった凍てつく風が木を折り進んで襲い掛かってくる。
 
炎座「氷なら炎! わしがしんがりを勤めよう! 主らは先に行け!!」
悟六「頼むぞ! 適当にあしらったら、すぐに追いついて来い!!」
 
 炎座を残して3人は先を急いだ。
 馬をつないであるところまであと少しだ。
 いくつもの魔法を放つ鎮の後ろで偲はまた紙を数枚取り出して、自分の指先を切った。
 素早く紙に何事かを書き添えると破いて空にばら撒いた。
 
偲「逃げられたようだな、鎮」
鎮「は……はい……残念ながら……」
 
 つと鎮の目が横に泳いだのを見て、偲は甘いと思った。
 恐らく彼は追いついて氷鎖女一族を根絶やしにできる力を有している。
 それをしなかったのだ。
 恐らくは初のため。
 予想通りだ。口でどう言おうと、鎮は甘い。
 
偲「追撃は任せろ。もう追っ手は放った」
鎮「えっ……」
偲「どうしやった?」
鎮「いえ……あの……」
偲「俺の追撃を逃れてもしばらくは襲って来まいな。……お前が、必要以上に脅したから」
鎮「…………お、怒っておいでか……」
偲「………………多少」
鎮「申し訳ございませぬ」
 
 首をすくめて背中を丸める。
 
偲「まぁいい。次に潰せばいい話。……戻るぞ」
鎮「は、はい!」
 
 リクに渡した手紙は、その日のうちに手元に戻された。
 養成所にて。
 
リク「先生……どうして、頬被りなんかしているの?」
鎮「いいの」
 
 額当てのベルトが使い物にならなくなって、兄の上着を被って手を出している鎮。
 手紙を渡してほっとしつつも、不思議そうな顔をするリク。
 
偲「…………」
人形「どうしてそんなに顔を見せたがらないのでござる? 偲の前じゃ平然としてるクセして」
鎮「いいのっ!」
 
 偲の問いに過剰に反応して、鎮は学徒宿舎から逃げ出した。
 女装していたことがばれて変態扱いされたらたまったものではないからだ。
 クレスの女装がクラス中に知れ渡って1ヶ月以上からかいが続いていたことを鎮は決して忘れない。
 自分だけは同じ轍を踏んでなるものか!
 教員用宿舎の部屋に戻って、ようやく上着を頭から外す。
 一気に戦闘による緊張も解けた。
 もっと過激な争いになるかと思ったが、相手側が引いてくれたので助かった。
 じきに死ぬことは伝えた。
力も見せ付けた。
これで放っておいてもよいと結論付けてくれることを鎮は祈った。

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