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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 61-12

 養成所から東に5km離れた森に氷鎖女一族は集結し、偲が現れるのを待っていた。
 
悟六「ようやく知らせが届いたな」
 
 偲が密かに放った紋白蝶を肩に乗せて、悟六が息をついた。
 
初「どうなるやと思いました」
 
 初も大きくため息をこぼしている。
 
炎座「アイツは思ったことを口にせずにいきなり行動を始めるから読めんのだ。まったくやりづらいと言ったらないわ」
 
 もっともな事を言って炎座が丸太のような腕を組んだ。
 

▽つづきはこちら

冴牙「おれぁ、てっきりよぉ、シズにほだされて一緒に逃げちまったかと思ったぜ」
初「なっ……」
冴牙「アイツの可愛がりようは半端じゃなかったからな。人形にまで弟の名前つけて、気色悪りぃ」
初「村の衆がよってたかっておシズをいじめるから、偲が常に側におらねばならなかったのじゃ!! 人形だって……シズが死んだりしなければ……! 偲がどれだけ自分を責めたか……」
炎座「ま、人形をシズと錯覚して、しばらくおかしくはなっておったわな」
 
 12年前。
 鎮の草履が川で見つかり、本人が消えてしまってしばらく。
 幼い偲は鎮の遺した人形を抱いて、本物の弟であるかのように扱っていた。
 それも実のところ、つい最近までである。
 間接的にとはいえ、自分の不用意な一言が殺したことを認めたくなかったのかもしれない。
 取り上げようとすれば、殺気立てて刃を振るうので、とうとう両親さえもあきらめてしまった。
 その弟が生きていたというのだから、ひょっとして心が動くのではないかと勘ぐられても仕方がない。
 彼らが約束の場所で待っているところへ話題の中心である双子はすでに到着していた。
 森の中に隠れて様子を伺う。
 
鎮「……いきなり殺りますか?」
偲「話で済むなら、まずはそうしよう」
鎮「…………」
偲「疑っているのか。だが、どちらにせよ奇襲にはなる。まさか俺がお前についたとは思うまいからな」
鎮「…………」
偲「シズはここにおれ。まずは俺が行こう」
鎮「…………あにさま……」
 
 思わず、兄の服をぎゅっとつかむ。
 
偲「案ずるな。俺がお前の味方でなかったことが、いつあった?」
 
 立ち上がりかけたのをやめて、側にしゃがむ。
 
鎮「…………………………ありませんでした……」
偲「……そうだろう?」
 
 つかまれた手の上に自分の手を添えて包む。
 
偲「覚えておくがいい。お前の味方でおれるのは、この世で俺だけだ。同じ魂を持つ、片割れだけ。……他人など信じるな。お前がどんなに想っても、お前がどんなに誠で臨んでも、どうせ最後には捨てられるのがオチだ」
 
 実にその通りだったから、鎮に返す言葉はない。
 
偲「だが、血は確かな絆。どれだけ離れておっても、我らは血を分けた一番近い兄弟。……それをわからせてやる」
 
手を離して立ち上がる。
 
偲「見ておれよ」
鎮「………………」
 
 こっくりとうなずく。
 そうして偲は悠々と一族の前に姿を現した。
 
悟六「遅かったな、待ちくたびれた。首尾はどうか」
 
 記憶の中にない無精ひげの男がまず口を開いた。
 他の面々はわかるから、あれがきっと悟六だと鎮は思った。
 
初「偲!」
 
 嬉しそうに香り立つような美女が兄に駆け寄った。
 あれが幼馴染の初だ。
 想像していたよりずっと美しく成長している。
 
鎮『…………お初……』
冴牙「はんっ。てっきり、同情引かれて丸め込まれたかと思ったぜ!」
 
 意地悪く吐き捨てるのは、あの強いクセ毛もそのままの冴牙だ。
 
鎮『……冴牙!』
炎座「おシズの始末はどうした?」
 
 巨漢は当然、残る炎座。
 
偲「………そのことだが」
冴牙「よもや、おシズの命乞いではあるまいな?」
偲「鎮はもういくばくもない」
初「!」
偲「呪いに侵されて、もはや心身共にズタボロだ。捨て置いても問題はない」
 
 顔を見合わせる氷鎖女一族。
 
冴牙「それで見逃してきたってか?」
 
 冴牙が唾棄した。
 
冴牙「へっ! や~っぱり言った通りだったぜ。この件に関して、偲は役に立たねぇ! カワイソーな弟にほだされるに決まってら」
初「仕方あるまい! 我らとて、忍びである前に人じゃ! 肉親にほだされて何が悪い!?」
『偲は……本当は……心の優しい人なのだから……』
 
庇い立てして初は偲の前に立った。
それですぐに鎮にもわかった。
初は兄に惚れているのだと。
昔からそうだったが、今もまだ兄を想っているのだ。10年以上も。
 
鎮『………………お初……』
冴牙「バカ言っちゃいけねーよ。逆だろ、逆。我らは人である前に忍よ」
悟六「冴牙の言うとおりぞ、お初」
初「さ、されど……」
炎座「お初は甘い。それでは生き残れぬぞ。忍は外道じゃ。わかるな?」
初「ですが……人です。一族……いや、身内を想ぅて何が悪いのですか? 我ら一族は一族の絆を何よりも重んじるのではなかったのですか?」
悟六「使命を帯びれば別よ。ここは里ではない」
炎座「それもシズにはその一族の命運もかかっておるのだぞ」
初「しかし、シズはもういくばくもないと言います。放っておいても儚くなるというのであれば……」

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●Thanks Comments

ああっ!

またいいところで終わってしまった(T_T)氷鎖女兄弟どーなる?どーする?うわぁーいっ☆次が読みたい←毎度、うるさいから...。

From 【あっぴ】2008.08.24 22:56編集

今、頑張ってます(笑)

楽しみにしてもらっていると、やっぱり気力沸きますよ(笑)
よーし、がんばるかーって。
とりあえず、今日中にもう1回くらい更新したいしね(^_-)-☆

From 【ゼロ】2008.08.24 22:58編集

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