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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 61-13

 必死に偲を庇おうとする初の健気に、隠れて様子を伺っている鎮は胸打たれた。
 
鎮『……初……お初……』
 
 兄に殺してくれと頼んだはいいが、冷静になってくると気持ちに重さがかかる。
このままでは、偲を健気に慕う初をも兄に殺させることになってしまう。
どうしたら良いだろうか?
自然と手は胸元の服を握り締めていた。
初の気持ちを思えば息苦しいくらいだ。
 
悟六「気持ちはわかれど、ダメな相談だ。苦しいと思うが、お初も偲も耐えてくれ。里のためじゃ」
偲「…………どう……あっても?」
炎座「くどいぞ、偲」
冴牙「ケヒヒッ。女々しいな。敵陣の女子供を根絶やしにしても眉一つ動かさねぇ、偲さんがよォ。肉親となればこのザマか。嫌なら、俺が殺ってやるぜ? 俺はシズがどうなろうが痛くも痒くもねーからナ!」
偲「そうか…………なら、仕方がない」
 

▽つづきはこちら

 ひらり……
 表情のない偲の周りに白い蝶が舞い始めた。
 
炎座「……ナニ?」
悟六「!! いかぬ! 離れよ、お初!!」
初「えっ……?」
 
 偲が握っていた手を開くと、千切った紙が吹雪となって風にさらわれて宙に舞った。
 
鎮『!! これは……?!』
 
 宙を踊る紙の切れ端は数を増し、蝶へと変化する。
 蝶は味方であるはずの氷鎖女一族に襲い掛かった。
 
冴牙「うおっ!?」
悟六「や、やめよ、偲!!」
偲「………………」
炎座「このようなもの、燃やし尽くしてくれるわ!!」
 
 炎座が腕を振るうと炎が出現し、紙でできた蝶をあっという間に巻き上げ、焼き尽くしてゆく。
 その間に偲は鎮から返された自分の刀を抜き放って、自分を庇おうとしていた初に振り下ろしていた。
 
偲「……ッ!」
初「しっ……しの……っ!?」
冴牙・悟六・炎座「初ッ!!!」
 
 まさかこんな展開になるとは微塵も思っていなかった初は信じられないといった表情を凍らせ、何の抵抗も出来ないままにその瞬間を迎えようとしていた。
 
初「あっ!?」
 
 刃が迫る一瞬に、衝撃を受けて地べたに転がる。
 すぐさま顔を起こすと、冴牙でもない、悟六でもない、炎座でもない人影が初の代わりに偲の刃を受けていた。
 
初「お……お前は……」
偲「何をする、シズ……」
 
 刀を刀で受け止めて、火花を散らしたのは……
 
鎮「……あにさま、もう良いです……」
 
……鎮だった。
 
悟六「しっ……」
炎座「鎮!??」
冴牙「鎮だとっ!?」
初「あれが……鎮?」
 
 どつかれて刃を逃れた初がよろめいて立ち上がる。
 
偲「よくはない。何故、邪魔立てを? 欲しいと言ったのはお前だ。お前に首4つ、くれてやろうと言うに」
鎮「でも……けど……初は……初はいけません、あにさま。初だけはなりませぬ!」
初「………………」
偲「何故? お前が惚れているからか?」
初「……!」
 『まさか……』
鎮「初が……初があにさまに、惚れておるからです!」
初「……なっ」
悟六「斬れ! 初!! シズを斬れ!!」
 
 指示が飛んで、弾かれたように初は刀を抜いた。
 
初「やっ!!」
 
 一閃。
 鎮は素早く身をそらしたが、額当てを止めていたベルトと共に、髪を結っている布が落ちた。
 遅れて長い黒髪が広がる。
 
鎮「……ちぃっ」
 
 改めて氷鎖女一族に向けて、刀を構えた。
 
初「鎮……? これが?」
 
 第二の攻撃の手を休めて、初は現れた12年ぶりの幼馴染の顔を見入った。
 他の3人も同じように時を止めている。
 
初『これが…………』
 
 初の記憶の中の幼い鎮と重なる。
 偲の後にいつもくっついて歩いていた、幼女のような少年・鎮。
 絵を描くことが好きで、大きくなったら絵師になって全国を行脚したいと夢を描いていた。
 おとなしくて、言葉少ない内気少年。
絵を褒めるとはにかんで小さく笑う恥ずかしがりや。
怖がりで泣き虫で……
 それが今、成長して、目の前に立っている。
 
初『これが…………あの、鎮?』
 
 ずきん。
 初の豊かな胸が微かな痛みを訴えた。
 
炎座「……ハッ。驚いたな」
鎮「………………」
悟六「やはり……妖しの者だな、鎮。お前は……」
 
 キレイだと。
瞬間的に全員が思ってしまった。
 
冴牙「ヒュウ♪」
 
 ややあって、緊張した空気をかき混ぜようというのか、冴牙が下品な口笛を吹く。
 
冴牙「ナルホド、偲が入れ込むのもわかるぜ」
初「!!」
 
 あわてて初が偲の方を振り向く。
 だが偲は黙したまま、応えない。
 代わりに弟の側に寄り添い、冷めた眼差しを4人に向けている。
 顔立ちも体格も全てがこうも違っているのに、双子は似ていた。
 何が似ているかといえば、あの体温を感じさせない、目と表情である。
 黙っていれば二人とも精巧に出来た人形のようなのだ。
 
偲「…………シズ……」
鎮「申し訳ございませぬ、とんだワガママを……」
偲「謝罪は良い。さて、どうする? 倒すか逃げるか……」

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●Thanks Comments

倒すか逃げるか...。

うわぁーいっ☆どっちなんだろう...ドキドキ☆またいいところで終わってしまったよ(T_T)氷鎖女兄弟かっこいい☆そして.....気になるメイディアはヒサメ先生の家で今頃どうしてるだろう...。きちんとパンダベーカリーで習ってきたパン食べて元気してるかなぁ....。それとも気になる謎のクロエ人形で遊んでるんだろうか....(笑)うわぁーいっ。続きも気になるし、あっちもこっちも気になるし。(笑)
はい...。おとなしく待ってます(^-^)←どこが?

From 【あっぴ】2008.08.25 01:05編集

メイディアは、

日曜なのに先生が戻ってこないとカンカンになって怒ってます(笑)
その頃のメイディア編も後で書かないとね(笑)
氷鎖女兄弟カッコイイと言っていただけて嬉しいです♪

From 【ゼロ】2008.08.25 08:31編集

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