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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 60-19

リク「許可を取ろうよ。せめて数日間くらい。……いや、ここから一番近い町に宿を取って、そこにいてもらおうよ」
鎮「だって目の届く所にいて下さらないと……」
リク「く……下さらないと?」
鎮「あとの4人と共謀して、謀をするや知れぬ。そんなの怖い!!」
偲「しないから。しないから」
 
 偲、ねこまんままみれで頭を振る。
 大変だ。
 とりあえず、興奮気味の弟に逆らったら何をされるかわかったものではない。
 昼間の冷静さは仮面だったか。
 現在、弟の頭の中は大混乱の真っ最中。
 混乱したいのはこっちなのだが。

▽つづきはこちら

リクはリクで困り果てている。
もっと口達者な人間を連れてくるべきだった。
自分では手に負えそうにない。
何故なら、
 
鎮「あにさまが嘘をついても、どっちにしても大丈夫なようにしなくちゃ。……しなくちゃ。しなくちゃ。なぁ、リク?」
リク「えと……」
鎮「手伝っておくれだろう? 小屋作るの」
リク「……………………」
  『ど、どうしよう? 先生変なんだけど……』
 
 手伝ったら→喜んでくれる。
 手伝わなかったら→しょんぼりされる。
 
鎮「リク……」
リク「……………………」
 
 手伝ったら→感謝される。
 
リク「……………も………」
 
手伝わなかったら→がっくりされる。
手伝わなかったら……
 
鎮「……リク?」
 
 首をかしげて見上げる。
 
リク「もちろん、手伝うよ!!」
 
 言った瞬間、リクの後頭部に衝撃が走った。
 痛む頭をさすりつつ振り返って見れば、そこにはフェイトとクロエ。
 フェイトに限っては、剣の鞘をゆっくり下ろしているところだった。
 
リク「ヒドイな、ぶつなんて」
フェイト「言いなりになってんな」
 
 クロエが宿舎を出て行くリクを見かけて、フェイトに報告したのだった。
 どうせこんなようなことになっているのではないかと予想して追ってきてみれば、案の定だったというワケだ。
 
クロエ「ニンジャお兄さん、大丈夫ですか?」
 
 クロエが駆け寄って、縄を外そうとする。
 
鎮「ダメ、外したら」
 
 特にクロエとリクは近づいてはいけないのだ。
 兄に万が一にでも刺客である可能性がある限りは。
 
クロエ「ダメなのはヒサメ先生よ。こんなことしたら、嫌われても知らないわよ?」
鎮「うっ……だ……だって……」
 
 たじ……。
 
リク「クロエが先生を少し押した!? さすがはクロエ」
フェイト「お前が言いなりになりすぎるんだよ。今のやりとり見てたぞ、何だアレは」
 
 ふがいないとばかりに呆れた視線を投げるフェイト。
 
リク「いや、だってホラ……可哀想みたいに見えてきちゃって……オコジョ先生がきゅうぅん?って……手伝ってジョ。オコジョは重たい物、持てないジョって……」
フェイト「とうとう幻聴まで聞こえ出したか」
リク「あの場面にいたら誰だってきっと」
フェイト「君だけだと思うね。少なくとも俺は、あの先生がカワイイ動物になんか見え……」
クロエ「だから言ったでしょ。こんな風に扱ったら……」
フェイト「………見え………」
鎮「………うん……」
 
 しょぼ~んと背中を丸めた姿が何だか…………変な生き物に見えてき……?
 
フェイト「…………おい、もうそのくらいにしてやれよ、クロエ。野生動物だからきっとわからなかったんだジョ」
 
 何故か急に優しげで目の中に星が入っているフェイト(別人)が正論クロエの肩を叩いた。
 
クロエ「ジョッ!?」
 
 驚いてイキオイ良く振り返る。
 
リク「ジョッて今言った?」
フェイト「……言ってない」
リク「言ったよ」
フェイト「言ってない」
 
 とか言いつつ、先生の頭をなでてみたりする。
 なんだか変な動物みたいだとか失礼なことを思いながら。
 
フェイト『そうか。これがニンジャという生き物か……』
鎮「ううっ、フェイトはなにやら今日は優しいでござるな」
 
 旗色が悪くなったので、味方してくれた方にそそそと寄る。
 ……ズルイ。
 
フェイト『コレがえっと? 細胞分裂して? ええと……飼うのに許可とかいるのかな?』
 
 そんなフェイトの中では何かおかしなことがスタートしていた。
ビックバン。あとよくわからない小宇宙発生。
 変な生き物が可愛いような可愛くないような。飼って増やして自慢してみたいような。でもあんまり増えたらキモチワルイような……
 
フェイト「ハッ! 危ない、危ない。俺までニンジャのジュツに引っかかるところだった!」
 
 一人でブツブツ。

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