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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 60-18

鎮「見た目がアレなだけで、大丈夫。腐ってないし、食える」
リク「………………」
鎮「拙者ならほんのり嫌だけど」
リク「嫌なんじゃんっ!!?」 ガビッ!?
鎮「でもあにさまは平気。全然」
リク「へぇ……だ、大丈夫……なんだ? その……生ゴ……ねこまんま」
鎮「たぶん」
リク「……それって、あれ、あの……たぶん?」
鎮「うん」
 
 こっくりと頭を下げる。
 
リク『うわぁ、うわぁ、大変だ……』
 
 どきどき。
 

▽つづきはこちら

鎮「あにさまはそれ、この通り」
 
 しばらく歩いて門の前を指し示すと、ロープでぐるぐる巻きのミノムシにされた偲が転がっていた。
 白目を向いて気を失っているのは、さっき見たときにはなかった頭の巨大なタンコブのせいだろう。
 そして犯人は当然、この人。鎮サン。
 
リク「せせせせせっ……センセー!??」
鎮「ん?」
 
 首をかしげる。
 
リク「ん、じゃない、ん、じゃ!」
鎮「あのな、外に小屋を作るでござる。外から入れないように結界を敷いて、中からも出られないように出入り口はナシで格子を立てて……」
リク「まっ、待って。よぅく、よーく、考えよう、先生」
鎮「うん」
リク「出入り口がないとお兄さん、困るよねぇ?」
鎮「大丈夫。シズがおるから」
リク「格子じゃまるで牢屋だよねぇ?」
鎮「だって外に行かれても外から来られても困るから。あにさまはシズとだけおればよいのだ。くすくすっ♪」
 
 袖を当てて笑う。
 
リク「…………おればよいったって…………」
鎮「シズが捕えておれば、あにさまは裏切りをしたことにならぬ」
リク「よくわかんないんだけど……」
鎮「知らなくてよい」
リク「…………」
偲「む……?」
 
 頭に巨大なタンコブを作製された偲がようやく目を覚まして自分の置かれた状況に気がついた。
 
鎮「あにさま、飯をお持ちしました♪ 食されますか?」
偲「!??」
リク『た、大変だ! 先生、楽しそうだ! なんかキャッキャッしてるっ!! すんごい嬉しそうだ! こんな先生見たことないけど、無邪気にコワイ! とってもマズイ、人として』
 
 返答も聞かず、兄の口に漏斗(じょうご)を突っ込み、バケツの中身を流し込んでいる鎮。
 当然、お兄さんは……
 
偲「ぐふっ! ごほっ! がはっ! がぼっ!」
鎮「あ。吐いてはなりませぬ。おばちんがせっかくこさえてくれた食物が……」
 
 そう言いながら無理やり食べさせようとする鎮の腕をリクがあわててつかむ。
 
リク「落ち着こう、先生。ね? お兄さん、すんごい苦しそうだから! むせてるからっ」
 
 アワアワ。
 
鎮「? 拙者は落ち着いておるよ?」
 
 きょとん。
 
リク「あー……」
 
 困った。
 
鎮「あにさま? 鎮の持てる技術の粋を集めた鉄壁の小屋を作るまでの我慢でござる。中に入れたら、縄はほときますに」
 
 名案に思えたのか、大喜びだ。
 
偲「…………このような真似をせずとも、こぼっ、に、逃げは……」
鎮「あにさまは、ずっとシズとおるのです。他の誰とも会わず」
リク「セーンーセー!!!???」 がっび―ん!??
  『先生がおかしくなった! 目を覚ましてェェェー!!!』
鎮「リク」
リク「ハ、ハイ?」 びくっ!?
鎮「小屋作り、手伝ってくれるな?」
リク「いや……あの……お兄さん……超首振ってますけど……や、やめにしません?」 どきどき。
鎮「手伝ってくれると了解してくれたのに」
 
 頬を膨らましてゴキゲンナナメ。
 
リク「だってこんなちょっと……ホラ、やっぱり、野宿はやめて連れて行こうよ。外より、先生といた方が安全だよ。ねっ? ねっ?」
鎮「もし妙な動きでもされたら、刺すかもしれないけどいい?」
リク「なんでぇぇぇー!???」
 
 いつもわからない人だけど、今日は極めつけだ。
 珍しく振り回されっぱなしで頭を抱えるリク。
 ヒサメ先生の隠れた新しい面を見つけたけど、ちっとも嬉しくない。
 怖い。
 ものすごく。
 
偲「………………」
 
 青ざめて、汗だらだら。
 このような展開は全く想定していなかった。
 当たり前だけども。
 昼間、弟自身が10年でどう生きてきたかわからない、どんな男に成長してのかわからないと言って警戒したが、それはこっちの台詞だったかもしれない。
 よもやこんな暴挙に走ろうとは想像だにしなかった。
 
人形「シクシクシク……鎮が猟奇的で怖いでござるよぅ」
鎮「だって、仕方がない。あにさまがお味方して下さると言うが、イマイチ信用できぬのだもの。鎮こそ怖い」
リク『いやいや、怖いの先生だから!!!!』
 
 リクもうろたえまくりだ。

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