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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 61-2

アン「………………」
ジェーン「ま、わかんなくもないわよね。リッくん助けたのってメイディアだし」
アン「違うわ! レク君とフェイト君よ!」
モーリー「最終的にはねー」
アン「…………」
モーリー「で、メイディアがいなくなっちゃったら、ヒサッちにべったりになったじゃない? 元々、ヒサッち大好きだけど。寂しかったんだと思うのー」
ジェーン「でもそのヒサメ先生もお兄さんに獲られちゃったからー」
 
 二人、声をそろえ、
 
モーリー・ジェーン「チャーンス到来ッ☆」

▽つづきはこちら

アン「なっ!? 何言ってるの、そ、そんなの無理だよぅ」
モーリー「アンこそ何を悠長なこと言ってるの? ダメダメ。こんなことくらい、他に気づいてるヤツいっぱいいるんだからぁ。早くしないと獲られちゃう」
ジェーン「そうそう!」
モーリー「弱みに付け込むチャンス☆」
ジェーン「うんうん……って、エ? 弱み!?」
モーリー「だってそうじゃん。弱っているときに優しくされれば誰だってくるわよ、グッと」
ジェーン「言い方はともあれ、間違ってない。よしよし、いけいけ、アン♪」
アン「簡単に言わないで! 相手はリク君なのよ? 私なんかに見向きするわけないじゃない!」
 
 変な空気になってきたとあわてて否定する。
 
モーリー「大丈夫、イケてる。イケてる。美人が勝つとは限らないんだから。要はタイミングー?」
ジェーン「早くしないとシラーとかも狙っていたらどーするの?」
アン「でもシラーは私の気持ち知ってるから応援してくれるって」
モーリー「本当はシラーだって好きだったらどうするぅ? 自分も好きなのに、相手に遠慮するかなぁ? 私ならしないよぉ~」
アン「…私は……しちゃうかも…友達だし……」
モーリー「シラーがどっちかわかんないじゃーん」
ジェーン「それに、グズグズしてたら、別のコとくっついちゃうかも! リッくんに憧れてる子なんてモッジャモッジャいるんだから! あ、それ、モッジャモッジャ!!」
アン「モッジャモッジャ……」
ジェーン「今まで誰も告白していないのが不思議なくらいよ」
アン「い、言えないよぉ。皆、自分がリク君に釣り合うだなんて思えないに決まってるもん。リク君は近づいちゃいけない存在なのよ」
ジェーン「うーん……まぁ、確かに……」
 
 自分なら釣り合うだなんて堂々と思えるコはそういないだろう。
 リクの隣に立って遜色ないのは、麗人レイオットくらいなものか。
 ちょっとくらいの美人ではたちまち色褪せてしまう。
 
モーリー「ナーニ言ってんの。所詮、オトコよ? ただのヒト。どんな男だって、おんなじおんなじ。キレイに見えるのは、付き合ってほんの1年くらいじゃなぁい? 美人だろうがブサイクだろうが、見慣れちゃえば皆、同じ顔に見えるって」
アン「そんなことないモン!」
モーリー「とにかく、言うだけ言ってみなよー。可能性あるのにもったいない」
アン「だって断られたら、これからどうして顔を合わせていいかわかんないよぉ」
モーリー「何もなかったような顔をしていればぁ?」
アン「そんなぁ。……ね、ジェーンはどうなの?」
 
 逃げるためにジェーンに振る。
 
ジェーン「私?」
アン「そう。ジェーンだって、リク君、リク君っていつも言ってるじゃない」
ジェーン「うん、だってキレイなんだもん♪」
アン「ホラ。いいの?」
ジェーン「私をけしかけてどーするのよ」
アン「けしかけてるんじゃなくて……ジェーンももし好きだったら私……」
ジェーン「あきらめるって?」
アン「……………」
ジェーン「遠慮して譲ってくれるの?」
アン「それはっ……! それはリク君次第だから……選ぶのは……リク君……だし……」
ジェーン「なぁんだ、譲ってくれるつもりじゃないんだ?」
アン「えっ、あのっ…」
ジェーン「冗談よ。私はリク君は見ていられるだけでいいわ。誰かのものになったら、興味なくなっちゃうかもしれないし。アンじゃないけど、リク君と一線越えた関係になる自分なんて想像できないもの。役不足っていうかァー」
アン「…………」
  『……役不足』
ジェーン「あっ、だからって、仕方なくあきらめるとかそーゆーんじゃないの。初めから望んでないのよ。お花を見ているようなものね。それに私、クレス君のがいいもん」
アン「クレス君?」
ジェーン「カワイイじゃない? 一人でイジケてると寄って行きたくなるわ。リク君はいつも誰かに囲まれているからいいのよ」
モーリー「あら、クレス君の作戦勝ちってところかしらー?」
ジェーン「作戦って何よ?」
モーリー「母性本能、くすぐり大作戦♪」
アン「そういうモーリーはどうなの? あの……リク君……」
モーリー「あたしィ? あたしはァ、……………貧乏人に興味ないのぉ♪ キャハハッ」
アン「へ?」
モーリー「リッくん、顔はいいけど、貧乏じゃない? 天才クンだから将来性はあるんだけど、出世欲なさそうだし。あ、でもお尻叩けば何とか動くかな? じゃあ、リッくんにしよっと。あたし、告白してくる」
アン・ジェーン「えっ!?」
モーリー「じゃね♪」
アン「ちょちょちょっ……ちょっとぉっ!!」
モーリー「応援してね、アン?」
アン「え……でも……」
モーリー「友達でしょ?」
アン「……………」
モーリー「アンは告白する気ないんだし」
アン「……………」
モーリー「だったら、あたしが言ってもいいよね?」
アン「……ふ……振られたらどうするの?」
モーリー「別にぃ。どうもしないよ?」
アン「どうもしない……?」
モーリー「あきらめたくなかったら、まだ追うし、もういいやって思ったら、別の男追いかけるからいい」
アン「リク君が、うなずくと思う?」
モーリー「あたしごときに?」
アン「そっ、そうは言ってないよ!!」
モーリー「あたし、自信あるんだ」
アン「……!!」
ジェーン「もうその辺でよしときなよぉ」
 
 アンを追い詰めるモーリーをジェーンが止めに入る。
 
モーリー「何がぁ? あたし、本気よ? ……あ、リッくん」
 
 鎮がいなくなってあきらめて踵を返したリクが来たところで、
 
モーリー「リッくん、激烈大好きなの、付き合ってちょーうだいっ♪」
アン「!!」
リク「えっ!?」
 
 突然のことで理解できずに目を瞬かせる。
 
ジェーン『ぎゃあぁあぁぁあ!?? ゆっちゃったーっっ!!!! しかも軽くっ!!!』

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