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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 9-2

 翌朝。

 グラディウス邸。

 

ガーネット「う~……ふ、あ~あ」

 

 目を覚まして上半身を起こし、大きく伸びをする。

 細く開いた窓から秋の日差しが差し込み、白いカーテンをゆらしている。

 

ジャック「やあ、おはよう! とても爽やかな朝だ」

ガーネット「……………………………………………………」

 

 聞き慣れた、しかしここにあってはならない声が間近から聞こえた。

 まさか……。恐る恐る眼球の向きを右にズラしていくと、そこにはやはり。


▽つづきはこちら

ジャック「朝食の用意はできている」

 

 ありえないくらいに爽やかな笑顔で、隣に寝転がっている。

 ……というか、ベッドに一緒に入っている。

 

ガーネット「…………………………」

ジャック「…………………………」

 

 しばらく無言で見つめ合う?二人。

 

ジャック「……………………」

 

 ジャック、とりあえず、にこっ

 

ガーネット「だああぁぁあぁぁあぁ!??」

 

 驚いて勢い良く後じさり、ベッドから後ろ向きに落ちてしまった。

 

ジャック「こら、二度寝はダメだぞ、ガーネット。今日はクロエちゃんの応援に行くんだから」

ガーネット「何やってんだ、アンタわっ!?」

 

 怒髪天衝く勢いで起き上がり、上官の胸倉をつかんで持ち上げる。

 

ジャック「迎えにきてやったんじゃないか。ホラ、本日はこのコスチュームで行くぞ」

 

 部下に胸倉つかまれて揺すられてもちっとも動じていないジャック小隊長は自らも着ている白い制服をガーネットに手渡してきた。

 

ガーネット「これは……白薔薇の制服じゃないか」

ジャック「ああ、頼んだら(こころよ)く貸してくれたんだ」

ガーネット「自分の制服を貸すかな……? しかも色の違う別の部隊の奴に」

ジャック「まぁま。いいじゃないかそんな細かいコト。それより早く早く」

 

 訝しんでいるガーネットをせかす。

 

ジャック「あと5分で用意を済ませないとー……んー、そうだな。どうしようか」

 

 部屋の中をキョロキョロと見回し始めたジャックにガーネットは血の気が引いた。

 

ガーネット「……わかった。わかったから、妙な考え起こさないよーに手に持ったクレヨンは置く! 触らないっ!!」

 

 壁にラクガキを始めようとした上官の手からクレヨンを取り上げて机に放る。

 

ジャック「あ。……私のなのに」

ガーネット「後で返すからおとなしくしててくれ」

ジャック「わかった。急げよ」

ガーネット「~っ

 

 結局、不審に思いながらも白い制服を着込んで白薔薇に化けた。

 

ジャック「あーたーらしィい朝が来たっ。きーぼぉーのーあーさーだ♪」

 

 その間にジャックは窓を開け放って大きな声で歌っている。

 

ガーネット「ハイハイ、終わり終わり。できました。行くんだろ」

ジャック「よし、朝食は済んだか?」

ガーネット「5分でそこまでできるかっ!」

ジャック「仕方のない奴だ。あと5分待ってやろう。朝食を抜いたらダメだぞ。健康に悪い」

ガーネット「あー、ハイハイハイハイッ

 

 半ば自棄になって足早に自分の部屋を出て、食卓に着いた

 朝食はすでに用意されており、しかも何の記念日なのかというくらいに華やかな料理が並んでいる。

テーブルの中央には花が活けられていた。

 

ガーネット「? 何だ、今日はやけに豪勢だな。まぁいいか」

     『まったく……朝っぱらから一体何々だ。迷惑が制服来て歩いてるようなモンだな、あの

人は。存在自体がありえない』

 

 ぱくぱく。手早く口に運ぶ。

 

ジャック「…………………………」

ガーネット『あ~あ、人事移動になって他の隊になったりしないかなぁ。面倒見きれない』

 

 もぐもぐ。咀嚼。

 

ジャック「…………………………」

ガーネット『それが無理ならどうにかあの性格を更生させる手立てがあれば……』

 

 カチャカチャ。ハムエッグをナイフで切る。

 

ジャック「…………………………」

ガーネット『だいたい何だって……』

ジャック「ガーネット」

ガーネット「ん?」

ジャック「そんなにせかせかして食べたら胃に悪いぞ」

ガーネット「誰かさんが5分って言うからで…………………………………………でっ!?」

 

 驚いて顔をあげると、目の前の席ににジャックがすまして座っているではないか。

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