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レイディ・メイディ 5.5-2
2007.10.31 |Category …レイメイ 5話
フェイト「う…ん……まみれ…」
スープをかきまぜていたスプーンが止まった。
周囲の連中もシンとなって注目しているが、二人は気づかない。
リクは気にしていないようで、黙々と食事を続けている。
フェイトは自分は仲間じゃない!と、視線で周囲に訴えかけている。
メイディア「過ぎたことをいつまでも…意外と男らしくない方ですのね」
レク「男らしくないだって!? そーゆー問題か、アレは!? 人間としてアレだろ、ダメだろ! フツーは怒っていい場面なのっ、ココはっ!! っていうか、怒らない方がどうかしてるっ!」
突き付ける指は怒りに震えていた。
メイディア「まぁっ!? 人を指でさすなんて、はしたないっ! さすがは身分の低い野蛮で低俗な平民ですことっ!」
レク「うるしゃーっ! 謝りにきたんじゃなかったのか!? それともケンカ売りにきたのかよ!?」
メイディア「だから仕方なく謝ってやったのに貴方がちみっちゃいコトを言うから」
レク「ちみっちゃいぃ!? 謝って…やったァ!?」
メイディア「ショボイってゆーのよっ!」
フェイト「ま、それは言えてるかな……」
▽つづきはこちら
ガタ…… 一人で先に席を立つ。
フェイト「え、あ、……俺も急ごう」
見学している場合ではなかった。
メイディア「よろしくて? ワタクシは貴族!」
フェイト「…………」
チラリとルームメイトと口論している少女に視線を滑らせる。
メイディア「貴方は平民! その差がどれだけあるのか貴方、理解できる!? その気になりさえすれば、貴方のお家なんか消滅させることだってたやすいくらいの力の差があるんですからねっ!」
フェイト「…………」
メイディア「しかもワタクシ、シャトー家の一人娘ですのよ。ワタクシが右と言えば、左だって右なんだわ。ワタクシに逆らうなんて自殺行為は控えた方が身のため! …おわかり?」
レク「俺を脅迫するのか? 友達とかって言ったクセに」
メイディア「脅迫だなんて野暮なことは致しませんわ。だから、お互い仲良くしましょって言っているのでしょ? 貴方はただ首を縦に振ればいいのよ」
レク「そういうのは友達って言わな…」
バンッ!
テーブルを激しく叩くようにして両手をついたのはフェイトだった。
何に腹を立てたのだか、食事も途中だというのにそのままやめて席を離れてしまう。
突然のことに、ケンカしていた二人も一瞬言葉を失って去り行く後ろ姿を見つめた。
フェイトが足早に去ろうとすると、背中をつんとつつかれて振り返る。
そこには見知らぬ黒髪の少女とおぼしき人物が、今し方立ち去った席の方を指し示していた。
少女「ええと……あの……ご飯途中で席を立つのは良くないし……それにお盆や茶碗などは自分で片付けるのがここのしきたりであって、それから具合が悪くないのに残すのもいかがなものかと思うで……」
フェイト「あっ、ああ…ごめ…」
少女?「……ござる」
フェイト「ハ? ご、ござ……ッ!??」
少女「この世には食べたくても食べることのできない者も沢山いるのであって、それでえっと、お百姓さんにも申し訳がたたぬよ。そうは思わぬか、若者よ」
フェイト「わ…若…? ござる……」
少女「……戻り」
フェイト「…は……はい…」
何だかわけのわからないままに正論を吐かれて、毒気を抜かれたフェイトはその少女と共に元の席に戻った。
わけはわからなかったが、気がついたことは一つあった。
それはこの少女も同じく、髪がしっとり濡れていて、例のあの香り……いや、臭いがするという共通点だった。
フェイト「ううう……」
『クッサ……!!』
メイディアとレクは再びケンカの火花を散らせていたが、リクが去った席に腰を下ろした黒髪の少女が口を挟んで待ったがかかる。
少女「これ、ごぉるでん」
メイディア「……え?」
レク「ん?」
二人、同時に少女を注目。
レク「誰……」
メイディア「誰って……この声……」
髪が長くてうつむき加減だったから顔が見えなかった。
てっきり根暗少女かと思っていた彼女?は、
メイディア「まさか……ヒサメ先生?」
……黒薔薇の教官にして理数学の講師を務める氷鎖女先生であった。
ローゼリッタでよく見かける無個性な服装に変わっていたものだから、まるで本人と気がつかなかったのだ。
いつも頑固に着用している特徴的な異国の黒服のイメージが強すぎて、別の格好をされると誰なのか判別もつかない。
本当に不思議な人である。
●Thanks Comments
しずかちゃん
…カワユスv
えっ!?
気は確かか、パンダーソン!?
だって
いままで思い浮かべる容姿がニンニンだったから…ナルトほっぺは流石につけて想像してないよ!