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レイディ・メイディ 5-5
2007.10.29 |Category …レイメイ 5話
氷鎖女の背中を押した…………………つもりだった。
スカッ!?
メイディア「アリ?」
いない。
目の前にあるのはただ、木漏れ日の風景。
勢い良く背中を押した……つもりだったのに、押すものがなくなって、メイディアの体は前方に傾いていた。
両腕を突き出したままで。
リク『あ~あ』
肩をすくめる。
彼女の背後に誰かが降り立った音。
メイディア「わっ、わわわっ!?」
体勢を崩したら終わりだ。
自分が“アレ”まみれになってしまう!!
氷鎖女「やぁ~っぱり、裏があったでござるな~あ? んー? ごーるでんっ?」
背後から、楽しげに語りかけてくる声には残酷な響きがあった。
メイディア「ちょっ……わったっ! ちっ、ちが……誤解……きゃああっ!?」
もはや爪先立ちで腕を回してなんとか持ちこたえている状態だ。
氷鎖女「拙者がチョイと背中を押したら、ど~なるんでござるかなぁ? な? わかるか、ごーるでん」
▽つづきはこちら
メイディア「やっ……やめて……あっ、わっ……ヌギャ ッッッ!!!」
ちょんっ☆
氷鎖女は人差し指で教え子の背中を押した。
バキバキバキッ!
草を乗せるために組んだ細い小枝が折れる。
どっぷぅ~ん。
氷鎖女「あーっはっはっは! 愚か者ぉっ☆ 落とし穴ならもっと上手に作りやれっ♪」
その場で跳びはねて喜ぶ。
レク『………………。超嬉しそー…ハハ…』 冷や汗。
氷鎖女「どーだ、ごーるでん?」
勝ち誇って指をぱちんと鳴らす。
メイディア「…きゃあっ! きゃあーっ!!」
氷鎖女「ひひひっ。ようやりよる。……が、この俺に挑もうなど10年早いわ」
「……な、そこの?」
言ってリクの方を振り返った。
リク「ああ、バレてた?」
木陰から出て歩み寄る。
氷鎖女「隠れているつもりなら」
リク「さすが」
氷鎖女「おだてならいらん」
リク「まさかまさか。本当ですって」
メイディアの悲痛な叫びが聞こえないかのように笑って見せる。
そのときだ!
“彼”が草むらから物凄い勢いで転がり出てきたのは。
レク「ふぐふむっ! ふむぐーむっ!!」
『先生、危なーいっ!!』
ゴロゴロゴロゴロッ
氷鎖女「ん?」
…どぽ~ん……ぶくぶく……
氷鎖女「? ……動物? タヌ…キ?」
穴の方を見る。
手足を縛られても助けに入った彼は、誰も何もしていないのに勝手に穴に落ちていったのだった……
氷鎖女「ええ……っと?」
しゃがんで穴をのぞき込む。
●Thanks Comments
レクくーーーん!!!(涙)
健気なコ…。
おバカなコ…。
無題
…………うん……