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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 4-10

メイディア「さ。排泄物を運ぶのです」

 

 脱力してしゃがんだまま、

 

レク「あの~…俺、帰ってもいい?」

メイディア「ダァメェッ! 意地悪教官と戦うの! 正義のために!」

 

 座り込んだままのレクの服を一生懸命に引っ張る。

 

レク「同情はするけど、俺の正義じゃないし、それ…」

 

 ウンコ運びなんか勘弁して欲しい。

 しかも教官をハメようとしているだなんてさすがに思わなかった。

 「穴を掘っている時点で落とし穴だと気づくだろ、フツー」と同室で同じ剣士を目指しているイヤミでスカしたフェイトがここにいたなら言うところだろう。

 

メイディア「今さら何を怖じけづいているの。ワタクシの味方だと言ってくれたではありませんか」

 

 今度は両肩をつかんでゆする。

 揺さぶられるままに、

 

レク「それはそうだけど…」

 

 確かに言った記憶はある。

が、あれはあくまで例の男につきまとわれていると思ったからであって、決して穴を掘って土まみれになり、翌日寝不足のまま訓練に勤しんだり、ウンコを運んで教官に一泡吹かせるためではナイ。


▽つづきはこちら

メイディア「ねーえっ! ホラ、立って! お立ちなさい? ねぇ、ねぇってば」

レク「やめよう、な? メイディ」

メイディア「“メイディアさん”」

レク「あ、ごめ…」

メイディア「もーいいですっ! 貴方には頼みません。ワタクシがやりますわ!」

 

 レクの服のアクセントに使っている腰布(さっき一部を噛み千切られた)を奪って、メイディアは頬被り(ほっかむり)をし、鼻の前で結んでしまう。

 泥棒スタイルいっちょ出来上がり。

 …盗むのは他人及び自分のも混ざっているであろう排泄物なのだが…

 

メイディア「行って来ます」

レク「エ…? ちょっと…っ!? マジで!? 待っ…」

 

 あわてている間にメイディアは暗闇の中、駆け出して行ってしまう。

 

レク「ヒイイィーッ!? 勘弁してぇ~」

 

 仕方なく追いかけ始めた。

 この時代。この国。

 トイレは形は洋式だが、もちろん自動的に水で流れる仕組みにはなっていない。

 学徒たちが勉強に励む校舎の離れに手洗い所は設置してあり、排泄すると管を通ってさらに離れの排泄物処理場にまで届く。

 排泄物処理場には定期的に専門業者がやってきて、皆が物を食べて栄養をとってその後生産したアレらを運び出してゆく。

 その先はもちろん畑の肥料として農家にわたるのだが、糞尿はそのままでは強すぎて肥料にはならない。

だから充分に発酵させてそれから実際に使用されるのである。

 ……………ここの学徒たちには、そんな行き着く先などは関係ないが。

 その排泄物を一時的に溜めている肥溜(こえだ)めへ向かって大貴族のお嬢様が一直線。

 正気の沙汰とは思えない。

 しかも泥棒結び?で布を巻いているが、顔のした半分…つまり、鼻と口をふさぐ強盗結び?でないと臭いを防げないのを気づいていないお嬢様。

 勢い良く肥溜め小屋の扉を開け放つ。

 

メイディア「ゴッフ!」

 

 一瞬のめまいがして、すぐさま扉を閉める。

 

メイディア「ぬぐぉぉおぉうぅ~」

 

 胃の中の物が急激にのどをせり上がってきて、あやうく嘔吐(おうと)するところであった。

 口の中はほとんど酸っぱくなりかけていたが、思わずごくんと飲み込んでしまう。

 

メイディア「ううう…想像以上に恐ろしい所ですわね、禁断の扉! うっかりあっちの世界へ旅立つところでした。ふぅ、ふぅ」

 

 よろめいていったん腰を下ろす。

 

メイディア「でもだからこそ効果満点☆ あのおチビさんを本物のウ○コにしてあげましてよ。フフフフ。オホホホホ♪ …さて、今度は息を止めて心構えをしっかりしてぇー…」

 

 はむっ! 大きく息を吸い込んで再び魔の扉を開け放つ。

 中には“例のアレ”を運び出すための桶。

左右に桶がついており、真ん中の棒を肩にかついで運ぶのだ。

 

メイディア『クククククッ。あります、あります。おチさんをウンコッコ教官にする時がついにっ!』

 

 息が続く限り急いで桶にしつこいようだが“例のアレ”を汲み込んで、すばやく扉を閉じる。

 

メイディア「ゼェ~ハァ~。くっ…くさ…」

 

 めげない彼女はそのまま本当にしつこいようだが、“例のアレ”が入った桶2つをかついでゆく。

 手慣れたお方だとバランスよく運んで行けるこの桶。慣れない人間にはかなりツライ。

 モタモタ、ヨロヨロ。あっち行ったりこっち来たり。なかなか前へ進めない。

 そんなところへようやくレクが追いついてくる。

 

レク「あ~あ。本当にやるつもりだ」 盛大にため息。

 

 これはもうどう説得してもやめそうにない。

 まさか本当にかついでくるなんて思いもしなかった。

 大貴族の令嬢とかそういう問題でなく、女の子だからでもなく、フツーは老若男女、誰ぇ~もやらない。

 やらないというより考えもしないだろう。

 だいたい自分の労力の方がかかりすぎるイタズラなんて。

 

レク「いや、復讐だっけか」 つぶやいてうなだれた。

メイディア「うむむっ…お、重いっ…! ん?」

 

 暗闇の中に人影発見。

 

メイディア「まぁっ! やはり来て下さったのですね!? 信じておりましたわ! さぁっ、コレを。さぁっ! さぁっ!!」

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●Thanks Comments

レクも人が良いね(笑)

なんだかんだで付き合わされているレク…。
メイちゃんも空気イスやら、うんち運びやら本当に主人公?(笑)
ある意味スゴイお人ですが(^^;
ヒサメがうんちまみれになるのはいやん!

From 【ぱんだ】2007.10.26 23:37編集

無題

レクはヒトサマのところの主人公なんですけどね……ゴメン(汗)
ウンコ大会まだ続きます、申し訳ない(滝汗)

From 【ゼロ】2007.10.27 00:20編集

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