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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 5-3

メイディア「何故ですの?」

 

 ニヤリと口の端を吊り上げて詰め寄るメイディア。

仲良し作戦はどうしたのだろう。

 

氷鎖女「えっと…そのぉぅ…あれ…だから…じっ…実は…」

 

 追い打ちをかけられてしどろもどろ。

何か良い言い訳を考えている様子。

 

メイディア「実は?」

 

 容赦なく追い詰める


▽つづきはこちら

氷鎖女「実は~…そうっ! 実はコレを取ると三丁目の田中さんの群れが目を赤くして攻めてくるでござるよ!! 田中さんの怒りは大地の怒りでござるよ!? 怖かろ? だからそっとしておくが吉でござるっ!!」

メイディア「……………別に…………怖くありませんわ」 目を細めて、シラ~…

氷鎖女「エエッ!? 恐ろしくないと!? ナメてもらっては困るでござる!」

メイディア「だって…タナカたって…ソレ?」

氷鎖女「…ええ? 知らぬと申すか!? ええと……じゃあ、佐々木さん! 佐々木さんでいいや! 佐々木さんはおとなしいけれど、変身すると実は5体合身する戦闘用ゴーレムであの……怒ると口から火を吹いたり、目から怪光線を放って破壊行動を…………

 

 もはやすでによくわからない世界に突入。

とりあえず本人、ごまかしたくて必死の様子。

 

メイディア「…意味、わからないんですけど…」

氷鎖女「悪い奴が空の彼方から攻めてきて、それで人々を守るためにやってきた正義の味方・佐々木さんは怒ると見境がなくなって…肩にはしゃべる小動物が乗っていて、お星様のキラキラステッキで変身を…の、それで…だから…えーと、えーと……そんなワケで、コレは何でもないから気にしたらいけないのでござるっ!」

リク『落ち着け、先生、落ち着けー。帰ってこーい』

 

 先生、大パニック。

どっか遠~くにイッてしまっているもよう。

 そんなにもあの額あてには重大な秘密が隠されているというのか?

 

リク『いやー。それよりもしかすると本当に秘密なんかなくて、人の目を見て話せないだけだったりして

 

 人が苦手となれば、それも有り得る話だ。

大げさに思えるが、視線恐怖症までひどいものかもしれない。

 本当に重大な秘密があるとしたら、きっと彼はあわてたりしない。

 それはただの推測に過ぎなかったが、的を得ていた。

 実際に額あて自体には特別な秘密などないのだ。

 あるといえば確かにあるのだが、別のものでも代用しうる程度のこと。

 重要なのは、顔を隠したいという一点だった。にとっては。

詳しく言えば顔の右半分を。

 氷鎖女は人の視線を極端に嫌う。

 あの顔の上半分をも隠してしまう大きな額あての影から覗く暗い目はいつも他人の足元ばかり見ている。

真っすぐに人の眼と合わせるようなことはまずないといっていい

それほど、人の目を嫌っていた。

 

メイディア「ん~…ではその質問は追々ということで」

氷鎖女「企んでも本当に何もナイからつまらないでござるよ。この話はしまいにござる。めでたしめでたし」

 

 強引に強制終了。

 

メイディア「じゃあ、別の質問っ。先生はおいくつ? これまでまさか秘密じゃないでしょうね?」

氷鎖女「別に秘密主義というワケではござらんよ。年のはハタチにござる」

 

 不機嫌に答える。

手は用心深く額あてを押さえたままだ。

 

メイディア・リク『に…20歳!?』 同時に驚く。

メイディア「ウソ」

氷鎖女「嘘をついてどうする。ちゃんと20年生きてござる」

 

 見ればわかるだろうに…とブツブツ文句をたれる教官に、見てわからないから聞いてるんだと心の中で密かにツッコミする生徒二人であった。

 

メイディア『こンの、チビ助がハタチですって!? ワタクシより5つも上!?』

氷鎖女「何でござるかその反応は? 背のことなら、クレスだってちみっこいでござるよー」

 

 心の内に気づいてか、ツンと顔を背ける。

 

メイディア「でも先生よりは…」

 

 それに彼はまだ未来のある育ち盛り。

 ハタチで育ち盛りを超えている氷鎖女とワケが違うのだ。

 

氷鎖女「………」 閉口。

   「ま、アレでござる」 ポンと手を打ち、

   「本日も授業があることだし、そろそろ戻るでござるよ」

 

 またしても話を終わらせて帰ろうとする氷鎖女をあわてて食い止める。

 

メイディア「あーっあーっ ちょっと待って! まだ…まだえっと…そうそう。先生は異国の方だとか?」

氷鎖女「さよう。では御免…」

メイディア「ちょーっと待った!」

 

 襟首の服をつかむ。ほとんど猫づかみ状態だ。

 

氷鎖女「おおうっ!?」

メイディア「それでそれでっ!? どこの国の出身ですの?」

氷鎖女「そんなの聞いてどうするぅ~…」

 

 他人の介入を避けようとしている態度が丸見えだ。

 

メイディア「秘密なんですの?」

氷鎖女「……秘密ではない。海のずーっと向こうのちっぽけな島国だ」

 

 距離を置いてついてきている、リク『やっぱり島国なのか…』

メイディア「どうしてこちらへ?」

 

 いかにもうるさがっている様子で、村が嫌いだったから出て来ただけと答えた。

 彼は詮索をうとましく思っているらしい。

 

メイディア『プーッ♪ 村ですって。ふふんっ。やーっぱり田舎者でしたのね? そうだと思ーったっと☆』

 

 勝ち誇って含み笑う。

 

リク『小さな島国か…東の…かな?』

 

 尾行しているリクがもっと内容を深く知りたいと気にしていたが、質問したメイディアの方は実はさほど興味などない。

 不機嫌になろうとうるさがられようと、要はこの場から逃しさえしなければそれでいいのだ。

 あと少しの距離、地獄の穴が口を開けて待っている場所に案内するまでは時間稼ぎをしなくては。

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●Thanks Comments

三丁目の田中さん

王蟲だよね!?(*^▽^*)

From 【 ぱんだ】2007.10.29 21:31編集

YES!

……王蟲です。

From 【ゼロ】2007.10.29 21:33編集

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