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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 4-7

レク「…エート…?」

 

 “穴”?

 戸惑っているレクの手首をつかみ、少女は颯爽と歩きだす。

 

レク「ちょっ…!? ちょっとっ」

メイディア「あまり大きな声を出さないで下さる?」

 

 淡いピンク色の唇に指を一本立て、その指でレクの口にもチョンと触れる。

 

レク「あ…え…」

 

 途端に真っ赤になる純情少年。

 彼はまだガールフレンドはおろか、女の子の手も握ったことがない。

 

メイディア「さ、急ぎましょう」

レク「あ、う、うん」

 

 何が何だかわからないままに流されてしまう自分が少々情けないと思いつつ、この状況をくすぐったく思っている自分も確かにいた。

 いた……が。

それはすぐに夢幻だったと悟ることになる。


▽つづきはこちら

メイディア「貴方はここで穴を掘るの。ワタクシも手伝いますから、もう一つスコップを持って来ます」

 

 彼女が走り去った後には微かな香水の香り。

 

レク「お…女の子だ…」

 

 当たり前のことを口にしながら、理由もわからないのにせっせと土を掘り返す。

 やがて戻ったメイディアも一緒になって土を掘り返す。

 

レク「えっと……コレは何のため……

メイディア「貴方、昼間は助けて下さってありがとう。お礼を言うわ」

レク「あ、いや、そんな、別に俺は…」

 

 ザックザック。穴を掘る。

 

メイディア「でもちょっとアレね」

 ざっくざっく。土を掘る。

 

レク「アレ?」

メイディア「貴方、ボンヤリしたカンジだったわ。なんていうの…? トロいというかショボいというか…」

レク「…ト…トロ? ショボ!?」

 

 手を止める。

 

メイディア「ホラ、手がお留守ですわよ!」

レク「あ…ハイ…」

 

 再びスコップを土に突き刺す。

 

メイディア「ああいう場合はいの一番に飛び出して、手を差し伸べるのが紳士のたしなみですのよ。覚えておくいいわ」

レク「……………」

メイディア「よろしくて?」

レク「ああ……そう……

メイディア「でもまぁ、許して差し上げますけど。ワタクシ、これでも心は広い方ですの」

レク「…………」 閉口。

 

 彼の頭の中にも徐々に彼女が誰であったかの記憶が浮かび上がってきた。

 頭の中でレイオットが言う。

 

「彼女、やることなすことともかく今までに会ったことがないくらいメチャクチャなコなの。まぁ、子供ってカンジで可愛いといえば可愛いのかなぁ? だけどたまに洒落にならないぞーっ!って時もあるのよねぇ…ハァ」

 

 食堂で向かい合って食事を口に運んでいたときにあがった話題の人物。

 その名は…

 

「メイディアさんって」

 

 ……………。

 

メイディア「ほらぁ、また手がお留守ですわよ?」

 

 やる気はあるのかと口をとがらせる。

 

レク「メイディ?」

メイディア「は?」

レク「メイディア=エマリィ=シャトー?」

メイディア「ええ、よくご存じ」

 

 額の汗を汚れた手で拭ってさらに汚している少女の微笑。

 レクは小さなめまいを覚えた。

もちろん、悪い予感でのめまいだ。

 

メイディア「そういう貴方は?」

レク「あ、俺はレク=フリグレット。ヨ…ヨロシク」

メイディア「ええ。じゃあ、これで貴方ともお友達ね」

 

 いきなりスコップを突き付けて穴を掘らせるわ、よくも知りもしない人間を捕まえてショボイだのトロイだのと言いたい放題。

 なのに汗を拭おうと汚れた手でさらに汚れを広げて微笑む仕草やお友達だと嬉しそうにする表情は確かに憎みきれないところはある。

 レクはあまり深く考えないようにして黙々と穴を堀り続けた。

 東の空が明るみを帯びて来たころには穴も無事?完成。

 何か大きな一仕事をやり遂げたような気分になって、レクは清々しい気持ちになっていた。

 ……うっかりこの穴が何だったのか尋ねるのも忘れて。

 

メイディア「上出来ですわ♪ あとはこの穴を隠しておいて…」

 

 その辺の草を上にかぶせる。

 

メイディア「続きはまた今夜ね! またここで落ち合いましょう」

レク「う…うん」

メイディア「あ、それと、このことは二人の秘密ですわよ? ね? 二人だけ。絶対誰にも話したらいけないんだからっ」

レク「わかったよ」

 

 二人、別れてそれぞれの宿舎へ向かう。

 しばらく歩いた後で、

 

レク「アレ? おかしいな? 俺、何しに外に出て来たんだっけ?? 穴…穴はいいけど…しまった、何で穴なのか聞きそびれたっ!」

 

 はたと立ち止まる。

 しかしまた今夜約束をしているのだ。そのときに聞けばいいだろう。

 女の子と夜の約束。

 例えそれが土遊びに過ぎなくてもレクにとっては始めてのことでちょっぴり楽しみだったりした。

 自分の末路も知らないで…。

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●Thanks Comments

不幸フラグが…

レクさんにたちました。
あ~あw

キャラクターが多くてたまに忘れるコがいるので、もし出来たらキャラ表?作って欲しいです。
名前と人物紹介みたいな。

From 【 ぱんだ】2007.10.25 21:30編集

はい。作成します。

ゴ、ゴメンなさい。いきなり多いよね、キャラ;
企画モノで参加者さんのキャラを早く出そうとした末路です……(爆)
あわわ。
キャラ表、作らせていただきマッスル。

From 【ゼロ】2007.10.25 21:33編集

どうもありがとう!!

わがまま言ってごめんです。
おかげさまで、だいぶ整理がつきました(頭の中)。
メイちゃんO型か~w

From 【 ぱんだ】2007.10.25 22:43編集

よかった…

ごめんね、本当はキャラ紹介なんかなくても読み手にわかりやすく書かなきゃなんだけど、なにぶん力不足でして……;
はい。メイはOです。
今までOの主人公がいなかったら、そうしただけなので、Oを意識して書いてはいないんですが;

今後また何かあったら遠慮なく意見して下さい。助かります。

From 【ゼロ】2007.10.25 23:00編集

ハロー

ゼロさんこんにちは~。ちょっと覗き見しにきましたよん。

From 【希】2007.10.26 18:14編集

いらっさーい☆

遊びに来てくれてありまとう♪
見事に見たことあるモンしか置いてなくてスマヌ;
薔薇騎士メンバーには退屈だよね。
そのうち、別のもアップしてくつもりだけど。

From 【ゼロ】2007.10.26 18:18編集

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