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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 51-6

 強い風が吹き抜けてメイディアのスカートが大きくなびいた。

 

フェイト『返事……返事をしないと……』

 

 それだけできびすを返す少女の背中に、何か言葉をかけなくてはという焦りが生じた。

 年が明けて今はもう一昨年になってしまった5月のときと違う。

 心境も、彼女に対するイメージも。

 ワガママ身勝手なだけの貴族のお嬢様だと思っていたのが、努力家で仲間思いのストイックな少女である。

 気が強くて口が悪く、ワガママも健在だが、勝利に対する執念と度胸、仲間を救うために走る勇気や割に生真面目なところも十分に魅せてもらった。

 表面だけで何も見ていなかったのは、自分の方だったと今は反省している。

 ただ……


▽つづきはこちら

 

フェイト「メイディア」

メイディア「…………」

 

 少女は足を止めたが、振り返りはしなかった。

 構わずその背中に語りかける。

 

フェイト「俺は君を嫌いじゃない。前に言ったことも訂正する。けど……けど、俺は、言ったことはなかったかもしれないが、俺はこの国の人間じゃない。同盟国ローゼリッタの恩情にすがってここにいるが、いずれは国に戻って復興に力を注がなくてはならない。だから、相手が例え君じゃなくても……」

 

 黙って聞いていた少女がようやく振り返った。

 動きに合わせて長いスカートが波打つ。

 

メイディア「返事は欲していませんの。ただ、伝えたかっただけ」

フェイト「…………」

メイディア「わかります。気を使って下さらなくても。貴方のことをただ好きだった……そのことを知って下さるなら、それでよいのです」

フェイト「…………」

メイディア「亡国の貴族であることとか、いずれ戻って復興とか。そんなこと、関係あるのでしょうか? 想い人を本当に見つけたなら、連れて帰ってしまえばいいだけです。共に苦労を重ねてくれるよう頼めばよいのです。そうしないのなら、貴方がそれほど相手を愛していないということでしょう」

フェイト「それは……」

 

 ふいに痛いところを突かれた気持ちになって口ごもる。

 

メイディア「貴方がワタクシを好いていないのは、初めからわかっていたこと。そんなに気の毒そうな顔をなさらないで?」

フェイト「そういうつもり……じゃ…」

メイディア「でもワタクシは貴方に恋をして良かったと思います。きっと……貴方の言葉が響いたお陰で変われたのだと思うから」

 

 晴れやかに柔らかく微笑んだ少女を前に、フェイトは彼女と今初めて会ったような不思議な錯覚に捕らわれた。

 あのように笑えるのかと今更ながら思ったのである。

 

メイディア「ありがとう、フェイト=ウィスタリア。どうぞ、貴方も良い恋を」

 

 微笑みを収めて、今度こそ、メイディアは静かに立ち去った。

 凛々しい足取りに乾いた冬の風を引き連れて。

 一昨年5月。

 春の日差しきらめく若葉の下で、彼女は無礼者と叫んでフェイトの頬を打った。

 したたかに叩かれた頬は赤く腫れたが、2年越の告白はもっと胸に痛かった。

 彼女の立ち去った後もしばらく立ち尽くしていたフェイトが、やがて頭を振って歩きだそうとする。

その彼の頭上に柔らかい感触が降ってきた。

 

フェイト「……てっ!? ……なんだ、こりゃ?」

 

 手に取り確かめてみると、可愛げのないウサギのぬいぐるみ。

 上を見上げたなら、窓から今にも落ちそうなまでに体を乗り出してあたふたしているマヌケなリクの姿があった。

 

リク「そっ、それっ、俺の……っていうか、今! 今来たところで懐から落ちちゃったっていうか、覗き見するつもりはあったようななかったような……」

フェイト「……………」

 

 要するに。

 覗き見していたら、懐からソレが落ちてしまい、受け止めようと思ったけど、大失敗。

 ……そんなところか。

 

フェイト「趣味悪いぞ」

リク「ご、ごめ……」

 

 投げてよこされたぬいぐるみをキャッチするリクは、ばつの悪そうな苦笑いを浮かべた。

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●Thanks Comments

メイメイ…(涙)

恋が報われなかったけど、立派になって…(泣)
頭が禿げ上がる位、ナデナデしてあげたいッ!!
(ハゲたら困ります)
皆とお別れ悲しいYO~~~!!!(雄叫び)

From 【 ぱんだ】2008.07.15 22:32編集

ごめん。

実は立派になっていません(爆)
氷鎖女先生のところでは、床にのた打ち回ってジタバタ泣き喚いています;

From 【ゼロ】2008.07.15 22:35編集

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