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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 51-4

リク「君は、厳しい事を言うんだね」

メイディア「そうかしら? でも、心配しないで」

リク「?」

メイディア「キース君はこんなヒドイこと、絶対に言ったりしないから」

リク「なんだ。ヒドイこと、言っている自覚あるんじゃない」

 

 苦笑いを浮かべる。

 

メイディア「だって貴方はこんなこと、言われたことなさそうだもの」

リク「ないね」

メイディア「戻って部屋でシクシク泣くといいわ」

リク「ははっ、じゃあ早速そうしようかな」

メイディア「うん?」

 

 今度はメイディアが目をしばたかせる番だ。

 


▽つづきはこちら

リク「キース君、キース君。メイディがイジワル言うんだよー。皆はメイディが近頃、成長して優しくなったっていうけど、俺には何故か厳しいよー」

メイディア「あっ! コラ! 何をキース君に言い付けているのです!?」

リク「だって、もうもらったんだから、俺のトコのキース君だもん。聞いてよ、キース君。メイディがヒドイよ、叱ってやって」

メイディア「ち、違います! キース君、ワタクシは悪くありません!!」

 

 あわてて縫いぐるみに対して弁解を試みるメイディアにリクは思わず吹き出してしまった。

 

リク「あははっ♪ 俺も笑っているよ、しょっちゅう。君がすぐに笑わせてくれるしね」

メイディア「どういう意味です?」

 

 ムッとして睨む。

 

リク「ははっ。大丈夫だよ、ちゃんと笑えているから。……心配、ありがとう」

 

 頭をなでる。

 

メイディア「しっ! 心配などではありませんっ!! 無礼なっ!!」

 

 真っ赤になってその手を跳ね上げる。

 

リク「さ、ウサギ教官に叱られちゃったし、もう戻ろう? 冬は校舎の鍵閉めるのも早いから。下手したら閉じ込められちゃう」

 

 提案にメイディアも同意し、二人は学舎を出た。

 そのままリクは食堂へ。

 メイディアは教科書などの荷物を置くために一度、部屋に戻った。

 

レク「いきなりカエル入れるんだもん、イタズラメイディめ~っ! 次ぎ会ったら容赦しないぞ!」

ダレス「俺は両手にいっぱい、ミノ虫だったぞ」

レイオット「私は薔薇騎士レンジャーグッズだったけど……どうしたのかしら、メイディったら」

ダレス「知るか! いつもの気まぐれだろ。フェイト、お前はまだ被害に遭ってないみたいだな?」

レク「きっとメガトン級のヒドイやつがくるよ! そうじゃなきゃフェイトじゃない!」

フェイト「意味わからないから」

ダレス「あれだ、パンツにサソリ!」

フェイト「パン…ッ?!」

レク「サソリいないからザリガニだね」

フェイト「オイ、待て……」

 

 赤薔薇青薔薇の仲良しメンバーが騒いでいるところにリクもお邪魔する。

 

リク「やあ」

レイオット「ああ、リク。お疲れさま」

リク「おつかれ」

レク「リクは何をやられた?」

 

 レクとダレスが身を乗り出す。

 何としてでも自分たちよりも酷い扱いを受けた人間を捜し出したいらしい。

 

リク「やられたって……何が?」

レク「カエルを背中に入れられるとか!」

ダレス「ミノ虫の大群をつかまされるとか!」

リク「…………キース君ならもらったけど?」

 

 ウサギのぬいぐるみを動かして見せる。

 

レク「そうじゃなーい! ちっがーう!!」

ダレス「ぐあーっ! 何で俺らだけぇーっ!?」

リク「ナ、ナニ?」

 

 気圧されるリクにレイオットが説明を加える。

 

レイオット「メイディったら、近頃、自分の荷物を配って歩いているでしょう? それで、二人がもらったのが、冬眠中の大きなカエルとミノ虫パラダイスだったの」

リク「うーん。それはそれは。わざわざメイディが外で集めたんだ。すごい贈り物じゃないか」

レク「だったらとっかえてくれよ」

 

 ジト目。

 

リク「いやいやいや。キース君はあげられないんだ。俺の親友になったから」

ダレス「ああっ、それっ!」

 

 見覚えのあり過ぎるそのぬいぐるみにチームメイト・ダレスが叫び、フェイトも同時に肩をすくめた。

 

ダレス「くあー、その可愛げのないぬいぐるん! 例のアレじゃねーか、なぁ、フェイト」

フェイト「ああ。アレだな」

リク「そっか、皆も何かしらもらってたんだね。ヒドイ言葉ももらった?」

レイオット「何の話?」

リク「……なるほど、やっぱりアレは俺だけか」

レイオット「?」

リク「いや、いいんだ」

 

 後で他にも聞いたのだが、クレスはもらったが内容を教えてはくれず、クロエはバレッタを受け取っていた。

カイル・ジェーン・モーリーなどはもらっていなかったとのこと。

 さすがに全員に渡しているわけではなさそうだ。

 どうしたのかと皆が不思議に思っていたが、当人は答えない。

 シラーが事情を知っていそうだが、やはり口を閉ざしていた。

 夕食を終えた面々が部屋に戻ると、男子部屋のドアの隙間に一通の手紙が差し込まれていた。

 宛て名はフェイト=ウィスタリア。

 差出人不明。

 中身は、

 

フェイト「……果たし状?」

レク「え?」

フェイト「明日の放課後か」

 

 日時と場所のみ書かれたその書状を折り畳む。

 

レク「一体、誰がそんなことを…?」

フェイト「さぁな。だが、挑戦を叩きつけられた以上は受けて立つ」

レク「きっとレイオットだよ」

フェイト「は? なんで?」

レク「いつも筋肉女とか余計なことを言うから、こらしめてやろうっていうんだ。おとなしく謝っちゃった方が身のためだぞ」

フェイト「……マジ?」

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