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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 44-3

 誘拐されていたクロエが復帰。

 友人たちが取り囲んで彼女の無事を喜んだ。

 

ステラ「クロエ~!」

クロエ「ステラ!」

ステラ「アンタ、マヌケだからもっと気をつけなさいよー」

クロエ「ごめん、ごめん。心配かけちゃったね」

レイオット「よかった、割りと早く戻って来れたんだね」

 

 当事者だったレイオットも安心して貧弱な胸をなで下ろす。

 

クロエ「うん、このとーり、もう元気、元気☆」

 

 全身を使って無事であったことをアピールした


▽つづきはこちら

 一通り、喜びを分かち合うと次は助けてくれたメンバー、一人一人を訪ねて礼を述べる。

 

レク「ホント、よかったよ」

フェイト「もう捕まるようなヘマはよしてくれよ」

クロエ「えへへ。はーい」

レク「フェイト。どーしていつも釘を刺さなきゃ気が済まないんだよ。いいじゃないか、こうして無事なら」

フェイト「また同じようなことがあったら、どうするんだよ」

リク「まぁまぁ。フェイトも心配でしょうがないんだよ」

 

 茶化し半分にリクがフォローを入れる。

 

フェイト「…なっ!? ち、ちがっ…!? お、俺はだな……っ」

リク「うんうん。わかってるよ。フェイトはクロエがラブラブフラッシュなんだよね」

レク「なんだ。そ、そうだったのか。ご、ごめん、俺、気づかなくて……」

 

 ふざけた言いように、まともに振り回されてレクは頬を染める。

 

フェイト「ま、待て……」

クロエ「え~っ!? やっだー☆ フェイトったらー、私のことラブだったなんてー。んもー。でもごめんなさいね。私には定められた運命の恋人・お兄ちゃんという人が……! え? なに? お兄ちゃんに挑むの!? やめて、私のために争わないでー!!」

フェイト「ホラ、変なのが始まったじゃないかぁ」 ゲンナリ。

    『っていうか、やっぱり前のは違ったんじゃないのか?!』

リク「あはは。妄想力も健在。これは心配ないね」

レク「え? 冗談だったの?」

フェイト「……ったく、これだよ」

 

 保健室で薬の調合を習うクレスも訪ねて、実験中に話しかけたために追い出され、最後にメイディアを探した。

 

クロエ「……あ、いたいた」

 

 校舎の裏で一人、呪文の暗記をしているらしいメイディアを発見。

 

クロエ「メーイディ♪」

メイディア「クロエ! まぁ、もうよろしいの?」

 

 気が付いて側に歩み寄る。

 

クロエ「うん。バッチリ☆」

メイディア「そうですか。よかった」

クロエ「ごめんね。迷惑かけちゃって。特にメイディには」

メイディア「いいえ。とんでもございませんわ。ワタクシが……もっとしっかりしていれば……」

クロエ「あっと……もう、このことはいいっこナシにしましょ? それより、パンツ買いそびれちゃったけど、今度はいつ行く?」

メイディア「おパンツのことでしたら………もう、よろしいのです」

クロエ「? どうしたの?」

メイディア「……マネしても、その人にはなれないって…………よく、わかったから」

クロエ「ハイ??」

メイディア「もう、よいのです」

クロエ「ふぅん? ならいいんだけど。でもまた買い物あるときは誘ってね。私もメイディとお買い物、楽しかったから」

メイディア「……ええ。ぜひ」

クロエ「お勉強の最中だったよね。ゴメン、邪魔して」

メイディア「お気になさらず」

クロエ「だって、呪文暗記してたところでしょ?」

メイディア「暗記? ……ああ…ええ、まぁ……」

 

 クロエは声に出して暗記をしているのだと思ったようだが、本当は発動していなかっただけなのである。

 

メイディア「………………」

クロエ「それじゃ、私、行くね。またニンジャ授業で会いましょ」

 

 クロエ、立ち去る。

 

メイディア「………………」

 

 メイディアの魔法はあの日から、使えないままになっていた。

 初めは魔力を練り上げることはできていた。

 呪文の詠唱の間に魔力を高めて、発動させる節にたどり着いたとき、魔力と魔法が結び付いて初めて完成されるのである。

 それが魔法につなげる前のところで四散してしまっていたので、不調に陥ってタイミングがズレてしまっているのだろうとレヴィアスからアドバイスを受けた。

 魔法使いにはよくあることだから、あまり気に病まないようにと慰められてしばらくは不安を抑えていられた。

 ところが、時間が経てば経つほど、状況は悪くなる。

 集中力が欠けているのか、魔力までもが上手く練ることができなくなってきたのであった。

 それが1カ月にも及ぶと担任教師の態度の変化を肌で感じるようになる。

 そう、声をかけてもらえなくなってきたのだ。

 クロエと別れたその後の授業でも野外での実践練習に加えてもらえず、教室で魔力を高める訓練だけを続けている。

 

メイディア「……………………」

 

 どうしても集中できない。

 誰もいない教室で一人、机に顔を伏せる。

 ……と。

 

メイディア「?」

 

 どこからか香ばしい、ほんのり甘い香りが漂ってきたことに気が付いた。

 匂いに釣られて廊下に出て、窓からのぞき込んでみればヒサメクラスの面々が敷地の隅でなにやら怪しい動き。

 

メイディア「……??」

 

 知らず、足は階段に向かい、校舎を出てその団体に近づいて行く。

 

カイル「リク、お前、食べ過ぎだぞっ!!」

クレス「両手に持って食べるなよ!」

リク「むぐむぐ……俺はちゃんと手伝いにも来てたから、いいの」

アン「でもいいのかなぁ、授業中に焼き芋なんかしててぇ」

ステラ「いいんじゃない? 先生が言い出したんだから」

シラー「……なんなの、このクラス……信じられないわ」

リク「あれ? 食べないの? だったらちょうだい」

ジェーン「コラ、リク君、意地汚ーい」

 

 彼らは、授業をつぶして芋掘り及び、焼き芋大会を開催していたのである。

 

メイディア「………………」

 

 そういえば、ヒサメ先生が薔薇園の隅に畑を作って、レヴィアスに叱られていたことがあったような……。

 結局、性懲りもなく目立たない所に再び作っていたというワケだ。

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