HOME ≫ Entry no.707 「レイディ・メイディ 第45話」 ≫ [713] [712] [710] [709] [708] [707] [706] [705] [704] [703] [702]
レイディ・メイディ 第45話
2008.06.28 |Category …レイメイ 43ー45話
第45話:ヒサメ先生
中庭に出るとすでに受け持ちの生徒達は整列……せずにしゃがんだりおしゃべりしながら適当に待っていた。
隣のスペースでは、赤・青薔薇の生徒達が微動だにせずに狂いのない列を作ってきっちり立っているというのに。
氷鎖女「ありゃりゃ」
これでは文句が出るはずだ。
彼らは軍隊に入るための教育を受けているのに、ヒサメクラスときたら、それらしい指導を全く受けてなかったのである。
教官の氷鎖女からして、会議中にゆらゆら無意味に揺れていたり、窓の外をボンヤリ眺めているのだから、その下の生徒達がしっかりできていようはずもない。
しかも、
氷鎖女「まぁいいか」
……コレで済ましてしまう。
困ったものだ。
▽つづきはこちら
クレス「今日は何するんだよー。遅刻してくるなよ、ダメ教官」
氷鎖女「本日は、おいかけっこをしようと思う」
ジェーン「追いかけっこぉ~!?」
ステラ「何、それ?」
リク「楽しそうだね♪」
…………………………………………。
生徒達「ぎゃあああぁぁあぁああ!!!???」
阿鼻叫喚地獄?
おいかけっこは…………………楽しくなかった。
カイル「いっ、いないっ!? 消えたぞ!?」
アン「どこから出てくるの!?」
声「キャアアーッ!?」
ジェーン「マリアの声だわ!!」
ステラ「マリアがやられたっ!!」
リク「固まってるとヤバそうだから、俺は他に行くよ」
アン「わ、私もっ」
……20分前。
氷鎖女「本日は、おいかけっこをしようと思う」
ジェーン「追いかけっこぉ~!?」
ステラ「何、それ?」
リク「楽しそうだね♪」
追いかけるのは氷鎖女。逃げるのは、生徒達。
彼らは養成所を出てすぐ左手に広がる森へと出掛けて行った。
ピクニック気分で。
ジェーン「サークラ、サクラ、口の利けない哀れな黒猫♪」
中心に先生を囲んで歌いだす。
アン「サークラ、サクラ、優しい王様、拾って可愛がってくれたけど」
くるくる回って踊る。
ステラ「サークラ、サクラ、新しいおすまし白猫やって来たら~♪」
リク「哀れやサクラ、子猫と一緒に……」
カイル「川の中」
クレス「井戸の中だろ」
最後の文句を言い終わると、生徒たちは一斉にわっと逃げ出す。
氷鎖女「いーち、にーい、さーん、しーい……」
ルールは単純。
森の中だけを範囲とし、2時間逃げ切れば生徒たちの勝ちだ。
魔法を駆使してサクラ役である氷鎖女から逃れなくてはならない。
逃げるだけではなく、反撃して相手を倒してもいいことになっており、徒党を組むのも自由だ。
一方、追っ手の氷鎖女の方は防御魔法以外は一切使わない約束で追いかける。
お互い、相手を倒した証拠とするのは………
ジェーン「わーっ!? キターッ!!! いるいるいる! 走って来てる!!」
クレス「へへんっ! 正面からくるなんて、おマヌケもいいところだね! 先手必勝! これでも食らえっ!!」
容赦ない氷の魔法を放つ。
氷柱が無数に突き刺さり、辺りを蒸気の白で染め上げる。
クレス「やった! 今のは完璧だねっ!」
カイル「さっすがクレス!」
ジェーン「でも先生……、ケガしちゃったんじゃないの? 反応ないわよ?」
恐る恐る、氷柱の側まで歩みを進めた3人を待ち受けて、
ガサガサガサッ!!
突如、木の上から何かが降ってきた。
ジェーン「きゃあっ!??」
カイル「ヒッ!?」
クレス「うわっ!」