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レイディ・メイディ 34-10
2008.05.01 |Category …レイメイ 34・35話
レヴィアスが消えると前方から先ほどまで見舞いに来ていたメンバーがクロエを連れて戻ってきた。
リク「だから回復を頼みたいんだ」
クロエ「うん、任せて!!」
リク「それから、宿舎までは俺たちが運ぶけど」
クレス「俺“たち”!!?」
反応して目を細める。
リク「女子寮までは無理だから、部屋にはアンたちと一緒に連れて行ってもらえるとありがたいんだけど」
クロエ「わかってるって♪」
どうやら一度戻った彼らがメイディアのためにクロエを呼んできたようだ。
一緒に友人のステラもついてきている。
リクとクロエという最悪の組み合わせを見つけて、氷鎖女は素早く窓から外に逃れた。
氷鎖女『イジメられてしまう…………!!』 などと本気で考えて、さっさと逃げ出す。
▽つづきはこちら
医務室にゾロゾロと入っていく一行。
リク「メイディは起きてますか?」
ミハイル「おいおい、こんなに入ってくんな」
クロエ「回復魔法をかけに来たんですよ。あと宿舎に連れ帰りに」
時計を確認して、ミハイル「ああ、もうそんな時間か」
ミハイル「しまったな。それならさっきヒサメが来てたんだ。連れて帰らせれば良かった」
リク「でもメイディが歩けなかったら、持ち帰りできないですよ」
クレス「小さいしね」
成長期に入りつつあり、身長に差をつけたクレスが意地悪く言う。
リク「うん、小さいし」
クロエ「小さい、小さい。私と目線一緒だもん」
ジェーン「私なんかつむじ見えちゃうくらいよ」
アン「アハ」
ステラ「ちょっとアンタたち、言いすぎ」
クロエ「そういうステラも笑ってるー」
生徒全員に笑われて、相当、氷鎖女はナメられているらしい。
ミハイル「メイディア、起きているだろう。そろそろ戻れ」
手当ては済んだ。
ずっと医務室にいられても、ミハイルが帰ることができなくなってしまう。
カーテンを開けてゆすってみたが、今度は本当に眠ってしまっているらしかった。
ずっとメソメソしていたから、泣き疲れてしまったのだろう。
ミハイル「まいったな」
クロエ「とりあえず、魔法かけるから先生どいてー」
ミハイル「おわ」
ステラ「コラ、クロエ。先生に失礼でしょ」
クロエ「まぁまぁ」
ミハイル「お前が言うな、お前が」
ミハイルを押しのけるとクロエは回復の魔法を唱えて淡く輝く手を添えた。
ミハイル「…………2年目でソレか?」
光、ちっさ!! ミハイルは疑いの眼差しを向けた。
クロエ「……………ミハイル先生、退場~☆」
気にしていることを。
笑顔に青筋を浮かべてクロエが退場の合図をすると、リクとクレスが無言で左右に立つ。
ミハイル「え? え??」
二人はミハイルの腕をとるとズルズル引きずってカーテンの外に追い出した。
ミハイル「オイオイオイオイ」
クロエ「先生、じゃーまっ♪」
ミハイル「あのな」
リク「じゃーまっ♪」
楽しそうにクロエの真似。
クレス「じゃまーっ」
うっかり便乗してさらに続ける。
ミハイル「わかった。わかったよ。ったく」
降参だと肩をすくめる。
ジェーン「あはは♪」
指差して笑うジェーン。
アン「……………………」
突っ立っているだけのアン。
ステラ「どう? クロエ」
ミハイルのいた場所にステラが立って覗き込む。
クロエ「うん、全然わかんない」
ステラ「ちょっとぉ~」
クロエ「でも頑張った!! うん、クロエ偉い☆」
ステラ「自己満足ですか」
クロエ「しょうがないでしょ。じゃ、次はお隣さんね」
立ち上がったクロエに、クレス「いいんだよ。あんな奴は!!」
クロエ「どうしてぇ?」
クレス「自業自得だから!!」
腰に両手を当てて、鼻をふんと鳴らす。