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レイディ・メイディ 25-2
2008.02.25 |Category …レイメイ 24、25話
シラー「誤解よ。返事してくれたから嬉しくて……。この前も落とし物拾ってくれたし」
クレス「目の前であれだけハデに落ちればそりゃね」
シラー「でもあのとき誰も一緒に拾ってくれなかったわ。それどころか最近、教科書が隠されたりすることもあるし……」
言ってシラーは涙ぐんだ。
涙ひとつでクレスの中の天秤の比率が動いた。
やっぱり、メイディアが悪い。
あの女は性悪だ。
クロエ「だから、お兄ちゃんは私のなの!」
メイディア「安心なさい、ワタクシがあなたの姉になって差し上げますから」
唐突にキンと響く声が入って来た。
視線を巡らせると正騎士・ガーネットがクロエとメイディアに引っ付かれてサンドイッチ状態になっていた。
▽つづきはこちら
ガーネット「いい加減にしろよ、お前たち」
クロエ「お兄ちゃんはどーしてまたここにいるの」
ガーネット「ヴァルト中隊長に警護と調査を頼まれているんだ。今はジャック小隊長がヴァルト中隊長のところに命令を聞きに行ってる」
クロエ「なんでなんで?」
ガーネット「知らないっての。コラ、離れろ」
メイディア「ラブレターちゃんと読んで下さってます?」
ガーネット「あー……ああ、まぁ……うん」
メイディア「ハッキリして下さいませ」
クロエ「そーよ、ハッキリしてっ! 私かメイディアか」
ガーネット「なんでその2択なんだ」
メイディア「そーですわ! ダーリンにはワタクシしかおりませんのに」
ガーネット「ダ……ダーリンって……」 汗。
会話を止めて見ていたクレス『何だよ、元気じゃん……』
ガーネット「悪いけど、俺は君と結婚はできない」
メイディア「公爵が恐ろしいのですね!?」
ガーネット「いや、そうでなく……」
クロエ「私のお兄ちゃんだからよ、残念でしたーっ♪」
ガーネット「それも違う」
クロエ「ええーっ!?」 ガーンッ!?
メイディア「では他に想い人がおりますのね!? 浮気者~!」
クロエ「ひどい! お兄ちゃん不潔!!」
ガーネット「なんでそうなるかな。ともかく、君と俺とじゃ年も……」
言いかけて、そんなには違わないか……と思い直す。
けれど、恋愛感情をまったくもって感じない相手にこう熱愛されても困るだけだ。
ガーネット「気持ちは嬉しいけど、無理だから」
クロエ「ごめんね、メイディア。お兄ちゃんは一生結婚しないの」
ガーネットは妹の言葉に『そうは言ってない』と訂正しかけたが、この際は仕方ないだろうと黙っておくことにした。
少女の夢見がち突発的恋愛にこれ以上付き合ってはいられない。
ガーネット「すまないな。これからも友達としてやってこう。な?」
友達ですらないけどな、などと心の中で付け加えつつ。体よく断りを入れる。