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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 24-8

氷鎖女「…………………………よくわからないが、断る」

ニケ「えいっ☆」

 

 突然、額あてを下に引き下げる。

 

氷鎖女「っ!??」

 

 大きく開けた世界。いつもより多い光が瞳に届く。

 

氷鎖女「……………………」 硬直。

 

 ヒュウ、と口笛を吹くナーダ。

 

氷鎖女「……………………」 瞬き。

ヴァルト「こんな顔だったっけか」 まじまじと覗き込む。

氷鎖女「…………ぎ……」

ニケ「♪」

氷鎖女「ぎゃあぁぁあぁ            っ!!!」

 

 キィィーン

 ものすごい悲鳴が上がる。


▽つづきはこちら

 職員室にいた全員の教官が驚いて振り返った

 すばやく顔を両手の袖で覆い隠し、勢いよく体を回転させて、ニケの足を払う。

 ズッダーンッ☆

 

ニケ「ぶぎっ!?」

 

 しこたま尻を打ち付けて、悶絶。

 

氷鎖女「バカッ! 三千世界随一のバカッ!!」

ニケ「ぃいったぁ~っ! そんなに怒らなくたっていいじゃないかぁ

  『老人をいたわれ、若造ぉ~』

 

 尻が青くなったらどうすると涙を浮かべて抗議。

 

氷鎖女『くっそっじっじっいぃ~!』

 

 警戒して額あてを押さえていたが、普通なら下から上に引き上げて“取ってしまおう”とするであろうところを、まさかズリ下げられると思っていなかったので、不意を突かれてしまった。

 一瞬にして視界が広がって、不覚、と思った。

 口の中で密に舌打ち。

 すぐに引き上げて元の位置に戻す。顔を隠せる位置に。

 

ナーダ「何よー。何でそんなに嫌がるワケー? 可愛い顔してるんじゃない」

 

 悪意に満ちた瞳で笑みをこぼす。

 

氷鎖女「……ナーダ殿はおつむは平気か?」

 

 我に返った氷鎖女はぶすっと不機嫌。

 

氷鎖女『この気味の悪い顔に何を言うか』

 

 彼は自分が大嫌いだ。鏡もまともに見られない程に。

 本来なら髪と同じ、もしくは近い色をしていなければならない双眸は金色(こんじき)

 ご丁寧にその瞳孔ときたら、光の具合や感情の起伏によって縦に細く割れてしまう。

 ……まるで、猫のように。

 特殊な瞳は彼を“魔物”とし、人々は恐れ彼の存在をよってたかって消そうとする。

 だから光を浴びないように、いつも被り物をして影を作るのだ。

影の中で瞳孔はあまり変化しないから

 理由は金色の瞳ともう一つ。

長い前髪をかきあげないことには現れないが、額右にある人面瘡だ。

これが瞳よりもやっかいで、宿主である氷鎖女……もとい、鎮とは完全に別の、独立した意思を持不気味な女の顔なのだ。

 これを目撃して戦慄を覚えない者はいないだろう。

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