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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 24-9

 しかしそんな事情は全く知らない教官たちはお気楽なもので、気にした様子がない。

 当然と言えば当然だが、顔を隠している以上、何かあることを察して放っておいて欲しかった。悪ふざけにも程がある、氷鎖女は本気で思っていた。

 今は日中とはいえ室内でそんなに光を浴びなかったから良かったものの、瞳がおかしいと知れれば魔性である疑いがかかり、今すぐにでも捕らえられて裁判にかけられてしまう。

 

ヴァルト「まぁまぁ、悪かった悪かった。それはそうとしてハタチには見えんなぁ。……歳、ごまかしてないか?」

氷鎖女「……悪かったと思っていないでござろう」

ヴァルト「まぁな」

氷鎖女『オイッ』


▽つづきはこちら

ヴァルト「文句はないな。学徒と同じくらいで十分に通る。むしろ、ハタチの方が怪しいもんだ」

 

 気軽に頭をペチペチ叩く。

 

氷鎖女「ハタチは本当でござる。失礼な」

 

 氷鎖女の生まれ故郷の島国人間は、こちらの西大陸の人間よりも平均して小さく細身だ。

 特に氷鎖女 は一族の中でも小柄であった。

 これでは西大陸の人間にはどうしたって年齢より若く見えてしまう。

 幼く見える外見を抜きにして、実は150をとうに越えているニケ、教官の中では若手といえど、年齢30を越えているナーダ、ヴァルトにしたところで氷鎖女は学徒となんら変わらない年少者であった。

 

氷鎖女「だいたい何が文句がないと? ヒトのつまらぬ顔見くさってわけのわからぬことを」

ナーダ「だから、言ったでしょ。聞いてなかったの? 貴方が学徒となって、彼女の護衛をするのよ」

ニケ「試験なんだから、くれぐれも必要以上に手を貸さないこと。いいね?」

 

 尻をさすりつつ、立ち直ったニケが釘を刺す。

 

氷鎖女「引き受けたとはゆうておらぬ」

ヴァルト「受けてもらわねば困る。他に適任者はいないのだから」

ニケ「怪しまれない程度にはちゃんと動いてよね」

氷鎖女「拙者の意志は無視でござるか」

ナーダ「ともかく正体を隠さなくちゃなんだから、普段の氷鎖女とは想像もつかないような人間になりきらないとダメよ」

 

 立ち上がって、にじりよる。

 

氷鎖女「!?」

ヴァルト「まぁ、しばらくの辛抱だ。我慢してくれ」

 

 背後に回って、退路を断つ。

 

氷鎖女「ぬっ!?」

ニケ「名前は何がいーい? 性格設定もしなくっちゃね。“ござる”はダメだよ。

可愛い()がいいなー♪」

氷鎖女「…………………………()……」 汗、ダラダラ。

 

 ……この日、氷鎖女は同僚が全て悪魔に見えたと言う……

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