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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 24-6

 身から出た錆び?

 あまりに幼稚で考えのない行動に出たために周囲はほぼシラーの手中。

 立場は悪化する一方だ。
 ……ぶっちゃけ、本人が悪いのだが。

 しばらくするとシラーを表向きは避けつつ、けれど取り入ろうとしている連中にメイディアも少しずつ気づき初めていた。

 

メイディア『何ですの、サイテー、サイテー!』

 

 気づいたら周りは敵だらけ。

広がる陰口。

自分が仕掛けたのを棚に上げて、怒り心頭。

 取り巻きたちにも当たり散らして、人心はさらに離れて行く。


▽つづきはこちら

 食堂で一人食事をとるメイディアを見かけて、レクが寄って来た。

 

レク「メイディ」

メイディア「……何の用?」

 

 ギッとにらみつける。

 

レク「そう噛み付かなくったっていいだろ」

 

 食事の乗ったトレーを向かいに置いて許可の返事を待たず座る。

 

メイディア「お説教なら耳にタコができるくらい聞きました」

レク「違うよ。……ああ、少しはそうだけど……」

メイディア「…………なぁに」

 

 少しはそうだけど、と隠し立てせずに言われたので耳を傾けることにした。

 ひねくれメイディアは取り繕われるのが大嫌いだ。もっともズバリと指摘されても結局怒り出すのだが。

 

レク「うん……仲良くしたくなかったらしなくてもいいけど……」

メイディア「ん?」

レク「周りを巻き込んだらダメだよ。いいかい、これは二人だけの問題なんだから」

メイディア「………………」

レク「二人だけの問題に他の皆が口を挟んだり、事情を知らないのにとやかく言ってくるのはわずわらしいだろ?」

メイディア「……………」

レク「ま、それだけ。ホラ、ご飯食べよう。冷めるよ」

メイディア「……貴方がよろしければ、家来にしてあげてもよろしくてよ」

レク「あはは、それはどーも」

 

 外から見たら今の台詞もとんでもないが、彼女なりのささやかな褒め言葉と承知したレクは軽く受け流した。

 食事を終えたレクに集まる友人たちが口々に「アイツに近寄らない方がよい」「レクは人間関係にうといから」などと彼を心配する。

 レクはレクで「大丈夫だよ」と笑うばかりだ。

 

メイディア『聞こえよがしに……よろしいわ。それはワタクシに対する挑戦と受け取っておきましょう』

 

 早速、嵐が巻き起こる数秒前。

姿勢よく立ち上がり、空の皿を乗せたトレーを手にわざとレクを取り囲む集団の真ん中を突っ切る。

 

レク『わぁ、またいらない波風を!』

 

……そうなのだ。

 彼女は悪く言われて黙っていられない性格。

 

メイディア「あーら、ごめんあそばせ」

 

 つんと小さな鼻を上に持ち上げて、涼やかに通り過ぎた。

 少年たちはハッと口をつぐみ、彼女が消えるまでを見守る。

 姿が見えなくなると、何だあの態度はと憤慨した。

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