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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 第24話

第24話:姉妹

モーリー「ねーえ、何読んでるのォ?」

シラー「待ってました、お手紙」

 

 のっしりとおぶさってきたモーリーの肉感を背中越しに感じながらシラーは満面の笑みを浮かべた。

 

モーリー「いいな、いいな~。私んトコのママン、手紙よこしてくれたコトないんだよー」

シラー「それは寂しいわね」

モーリー「……なーんて☆ ウチのママは文字の読み書きできないから、無理なの知ってんだけどぉ~。アハハッ♪ 薔薇騎士なれてもなれなくてもとりあえず、家に帰ったら文字でも教えてやろっかな~」

ジェーン「うん、それっていいんじゃない?」


▽つづきはこちら

 月に一度届く、学徒たちの楽しみ。

 懐かしい家族、友人、恋人からの手紙や差し入れの数々。

 元気でやっていますか、私は元気です。

 辛いことはありませんか?

 寂しくはありませんか?

 薔薇の騎士になれますように、遠く離れたここからお祈りしております……

 午前中に配布された郵便物を嬉々として開封する学徒たち。

 

レイオット「……良かった。まめこ元気みたい」

クロエ「誰?」

レイオット「牛」

クロエ「……そ……そう……」

 

 レイオットは外見と中身のズレが激しいので、時々周囲がついていけなくなったりする。

 メイディアとアンの部屋にも当然……

 

メイディア「……………………」

 

 驚愕の表情で押し黙っているメイディアの恐ろしい雰囲気に耐え切れず、アンがどうしたのかと尋ねてみた。

 

メイディア「……何なの……どういうことですの、コレは……」

アン「えと……?」

メイディア「ワタクシの姉妹ですってっ!?」

アン「メ……メイディア様?」

メイディア「何かの間違いに違いありません!」

 

 アンの問いかけはまったく耳に届いていない様子。

 初めてもらった父からの直筆の手紙は、開封する前から嫌な予感がしていた。

 父が直筆で自分に宛てるということは、一大事を伝える以外の何物でもない。

 何せ、今までの手紙は全て別の人間に代筆させていたくらいだ。

自らペンをとるのはよほどのことに相違ない。

 すぐさま部屋に1つしかない机に向かい、便せんに怒りを叩き込める。

 

メイディア『お父様がお母様を裏切っていただなんてなんということ! 要するに不義の子という意味ではありませんか!! 彼女を認めるということは、お母様の体面に泥を塗り傷つけるばかりか、女性としての存在を否定することだわ。そればかりは断じてできません。お父様がシャトー家の一員として認めても、ワタクシは絶対に認めない』

 

 最後の行まで書き終えて、ふと腹違いの姉妹・シラーブーケのことを想った。

 確かに不義の子ではあるが、彼女に罪はない気がする。

 

メイディア「う~む……」

『悪いのは父と彼女の母であって、彼女ではないわ。彼女は最悪の結果でしかないのですから……。いやしかし、それが問題なのであって……。ああ、お母様はこのことをご存じなのでしょうか?』

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