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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 25-5

 リクの机の上には何故か大量の食物が……

 どうも時間内で食べ終わらなかったらしい。

遅いのではなく、量が多すぎて。

 

リク「じゃあ食べ終わったら」

氷鎖女「それがよろしかろ」

学徒たち『そーじゃねーだろっ!?』

 

 もはやどっちに突っ込んでいいのかわからない。


▽つづきはこちら

 授業が終わり、メイディアがいの一番に教室を出て行く。

 近ごろは彼女がイラついてついてくるなと言うことが多くなったせいか、取り巻きもあまり集まって来ない。

 彼女が完全にいなくなるのを確かめるように、まだシンとしていた教室内。

 一定の期間をおいて、急にシラーの周囲に人が集まり出した。

 メイディアがいる内はシラーとは口を利かない。

けれど、いなくなればメイディアの悪口大会。

 ここ最近のパターンである。

 

取り巻きたち「ホラ、メイディアが逃げていったわ。いい気味」

      「シラー、今日は大丈夫だった?」

      「あの高飛車女、早く何とかしてよ。シラーが本当の令嬢なんでしょ?」

 

 取り巻きの中にはアンも入っている。

 

シラー「えー……まぁそうなんだけどー……でも私なんか所詮、貴族の元で育ったワケじゃないし、それにまだメイディだけは本当のことを知らないのよ。お父様もお母様も彼女のことを思うと言うに言えなくて、そのままになっているの」

取り巻きたち「じゃあ私たちがいっそ本当のこと伝えてあげようか?」

      「ねーっ」

ダレス「おー、それなら、俺から言っておいてやろーか? 次の再試験、また俺らあのクソ女と一緒なんだよ」

 

 ダレスが会話に交ざる。

 

ダレス「なー、フェイト、クレス?」

フェイト「……関係ないな。そんな他人の家庭事情に首突っ込むほど、ヒマじゃないもんで」

 

 教材を重ねて次の教室に向かう準備。

 

ダレス「……なんだよ、相変わらずカッコつけだな」 面白くなさそうに目を細めた。

   「クレスー、お前はー?」

クレス『都合のいい時ばっかり仲間に引き込もうとするなよな……』

 

 黙っているとダレスは肩をすくめて、また女の子たちとの会話に戻った。

 

リク「色々あるもんだねぇ」

クロエ「リク君、御飯粒ついてるけど……」

リク「あ、うん」

シラー「ねぇ、皆。メイディアをあまり悪く言わないで。私から、皆に対する態度を改めるように言っておくから」

 

 教室に残っている全員に聞こえるように言う。

 

クレス「シラーは人間できてるな……僕ならここまでされたら味方できないけど。する必要もないと思うし……」

 

 小さく独り言。

 それを勝手に聞き付けて、

 

クロエ「そうだよね。こんなに姉妹思いだってこと。メイディアに伝えればきっと誤解も解けるよ!」

 

 根が素直な二人は大いにうなづいた。

 そこに大量の弁当箱を片付けているリクが波紋を投げかける。

 

リク「そうかい? 彼女、ずいぶん得意げだよ」

クレス「……え?」

リク「ええと次の教室はっ……と」

 

 それだけ言うと我関せずのフェイトに続いて出て行ってしまう。

 リクはシラーの味方ではなく、またメイディアの味方でもなかった。

 彼は人間観察が趣味のようなもので、人間の勇気や優しさを称える一方で醜さなどの負の感情もまた同じように愛でる変わり種なのだ。

 

リク「まだ時間があるなぁ。氷鎖女先生の所に行ってみよう」

 

 また奇っ怪な円の動きとやらで氷鎖女を拘束しようと考えている困った生徒。

 フェイトはといえば、初めからメイディアに対して好意的ではないので、自業自得だくらいには思っているものの、決してシラーの方を良く思っているワケでもない。

 リクと反対に他人に興味のない彼にとっては、シャトー家を取り巻く人間の全てがわずらわしい外の雑音でしかないのだった。

 クレス、クロエ、レイオットはといえば、メイディアに心は残しつつ、シラーのペースに乗せられている。

……それが普通というものだが。

 メイディアさえもっと大らかで他人に対する配慮があったなら、こんなことにはならなかったのだから。

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