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レイディ・メイディ 25-8
2008.02.28 |Category …レイメイ 24、25話
メイディア「いちいちつっかってこないで。今、重大な考え事の最中なの」
クレス「次なる嫌がらせを考えているんじゃないだろうね」
メイディア「あら、よくわかりましたのね!?」
そうでなくとも大きな目をまん丸に開いて驚いてみせる。
クレス『……マジか、このクソ女……』
メイディア「性格のよろしくない貴方なら良い考えが浮かぶのではなくて? ちよっとアイディアを出しなさい。実行はワタクシがしますから大丈夫」
クレス「ふざけるなよ、誰がお前何かに手を貸すか。シ、シラーを何でそんなにイジメるんだよ!? か、かわいそーだろっ。んー……意外とだけどっ! お前サイテーだぞ、すごく」
メイディア「…………嫌いだから、ですわ」 あっさり。
クレス『マジデスカ !?』
衝撃が駆け抜ける。
▽つづきはこちら
メイディア「身分の差をキッチリとわからせてさしあげようというのではございませんの。オーッホッホッホッホッ!」
小指を立てて高笑い。
出た。
世界一高く天に届くとさえいわれている山・エグラドゥ並みのプライド。
怖い。
女は、怖い。
特にこの女はダメだ。
恐れ慄いて立ち尽くしていると茂みの間から「ニャア」と可愛らしい鳴き声。
クレス「チェリー!」
救われてほっと表情を和らげる。
メイディア「あら。いらっしゃい」
同時にメイディアの方も慈愛に満ちた少女の顔になった。
クレス『ウソんっ!?』 ガビーン!?
メイディア「よし、良い子ね」
固まっているクレスより先に子猫を抱き上げる。
その頭上、校舎内の窓から数人の少女たちが下を覗き込んでいる。
アン「……本当にやるの?」
水をなみなみ注いだタライを見やる。
少女たち「当たり前でしょ。ここまできて尻込みしないでよ」
「ホラ、今がいい位置!」
廊下を歩いていたフェイトとレクが足を止める。
フェイト「?」
レク「何やってんだろ」
フェイト「……さぁな」
通り過ぎようとする。
少女たち「クレスの奴もいるよ。どうする?」
「いーよ、やっちゃいなよ。関係ないよー」
「あっ、待ってリク君が来る。……やめる?」
アン「リク君!?」
反応して窓に乗り出す。
アン「………………やろう。やっちゃお……」
少女「……どうしたの? 急に」
アン「いいからやっちゃお、来る前に早く!」
『恥をかけばいいんだわ……』
以前、リクの前で泣かされた経緯を思い出し、急激に腹が煮え繰り返ってきた。
彼女はこともあろうか憧れのリクの目の前で自分をウジ虫呼ばわりしたのだ。
「ウジ虫。……ウジウジしているから、ウジ虫」
あの言葉はきっと一生忘れないであろう。
人を人とも思わない、侮蔑の混じった見下す視線。
棘のある、辱めの言葉。
許せないのはそれだけではない。
誰もが憧れを抱くであろう天才美少年・リク=フリーデルスを捕まえて「誰もが貴方になびくと思っていたの、とんだおバカさん」発言。
おバカさんはお前だ。皆のアイドル?リク君に言っていいコトと悪いことがある。
無論、その後、リク本人から笑顔の反撃が繰り出されてはいたが、あんな程度では収まりがつかない。
何様のつもりだ、メイディア=エマリィ=シャトー!!
好きな人の前で恥をかかされることがどんなに屈辱か思い知るがいい!!
アンの号令で水の入ったタライが引っ繰り返された。
アン『フェイト君の前じゃなくて残念だけどね!』