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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 25-10

 上ではフェイトとレクに目撃されていることを気づいていない女の子たちがやってやったと大はしゃぎ。

 

レク「なんか良くないことやってんじゃないのかな……」

フェイト「……イタズラだろ」

 

 相変わらず興味なさげなフェイト。

 

レク「あ、待てよ。一応、聞いてくる」

フェイト「俺は先に行ってるからな」

 

 待ってくれるつもりはないようだ。


▽つづきはこちら

 レクが女の子たちに何をしていたのかと問いただそうとすると彼女たちは一目散に逃げていってしまう。

 念のため下を覗いてみたけれど、もうそこには誰も見当たらなかった。

 午後の実技のため、広場を目指して階段を下るフェイトと遅れてあわてて追いかけてくるレク。

同じ階段で上がってくるメイディアと鉢合わせになった。

頭から水をかぶった状態で一目で先ほどの被害者が彼女だということが分かった。

 

レク「メイディ! 大丈夫か!?」

メイディア「あら、これから実戦授業ですの? 試験も近いから総仕上げで身を引き締めないといけませんわね」

 

 いつものように髪を払うしぐさ。

けれど水分で重くなった髪はとても軽やかとはいえない。

 トレードマークの縦ロールもところどころ落ちかけてヒドイ有様だ。

 しかし彼女は惨めさをおくびにも出さず、つんととがった鼻先を上に向けて姿勢正しく歩くのだ。

レク「のんきに挨拶はいいから、早く着替えないと! えと、このタオル、使う?」

 

 自分の首にかけていたタオルを差し出す。

 

メイディア「結構ですわ。もう鐘が鳴ります。授業に遅れましてよ?」

 

 断って静かに、強い足取りで階段を上がってゆく。

 

レク「あ……」

フェイト「置いていくぞ」

レク「わかってるよ」 仕方なくメイディアの背を追うのをやめる。

フェイト「大した鼻っ柱だ」

レク「……え?」

フェイト「別に」

 

 視線を傾けることなく、真っ直ぐに広場を目指した。

 一方、ずぶ濡れメイディアは着替えることもせず、教室のドアを開く。

 その異様な姿に一同が目を奪われる。

 

犯人の女の子たち「ヤダ、何アレ」

        「クスクス。まるで濡れネズミね」

 

 ヒソヒソ声が耳に届くとメイディアは足早に机に向かい、無言の圧力で彼女たちを黙らせた。

 乱暴にタライを机の上に置いて、

 

メイディア「奇襲に成功した者に告ぐ」

 

 どきん。

 アンの心臓が跳ね上がった。

 

メイディア「まずは成功おめでとう。このメイディア=エマリィ=シャトーに弓引く勇気を称えて差し上げます。今回のコレは宣戦布告として受け取っておきますわ。ワタクシを敵に回したこと、後悔なさるのね」

 

 挑発的、尚且つ豪胆で隙のない態度にアンはさっと血の引く思いがした。

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