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レイディ・メイディ 第26話
2008.03.02 |Category …レイメイ 26、27話
第26話:またまた恋の予感
授業はつつがなく終わり、宿舎に戻る面々。
水をかぶったことは口にもしなかったメイディアだが、レクから伝わったのだろう、心配したレイオットが食堂で小走りに近寄って来た。
レイオット「メイディ! 水浸しってホント!? レクがずいぶん心配……あ、来た」
続いて当の本人もこちらを見つけて足を向ける。
レク「メイディ!」
メイディア「変な噂流さないで。みっともないでしょう」
レク「そんなこと言ったって……」
腰に手を添えて頬をふくらませるメイディアにレクは申し訳なさそうに眉を垂れ下げた。
▽つづきはこちら
メイディアの、ロールのほとけてしまった髪はすでに乾きかけてざんばらになっている。
それを手にとって、
レイオット「どうしてそんなことになったの?」
メイディア「暑かったから、水遊びしたくなっただけですわ」
レイオット「そんなワケないでしょ、ね、ちゃんと話して」
会話を続けながら、3人、同時に席に着く。
レク『あの女の子たちのことは話さない方がいいのかな…………うーん』
レクが考えあぐねていると、メイディアは水の話題を唐突に打ち切った。
メイディア「話すことなどございません。それよりもレイオット、レク」
二人「?」
メイディア「ワタクシ思ったんですけど、よく考えたら、ヴァルト教官は正騎士の中隊長だわ」
レイオット「……は?」
レク「そ、そう……だけど……。それが?」
突然、先の見えない話をされてとまどう二人。
どうやら彼女は水の話に触れたくないようで、無理に話題転換を図ったようだ。
メイディア「そうよ。身近にいるではありませんか、ワタクシの運命の人が」
レイオット「……っていうか……え?」
レク「……なんの……話?」
メイディア「先日、ダーリンにお断りされてしまったの」
両手の指を組んで切なげにかぶりをふる。
レイオット「まぁ……」
ようやく内容をつかめてきたレイオットが「それはそうだろう」と納得した様子を見せる。
レクは相変わらず何のことかわかっていないようだ。
メイディア「ワタクシのどこが至らないというのでしょう」
レイオット「……え~っと」
それについては上げればキリがない。しかし言ったところで直るとも思えない。
メイディア「それでワタクシ、思いましたわ。ダーリンは運命の方ではなかったのよ」
レク「……?」
メイディア「ワタクシの夫となるべく人はヴァルト教官だったのです!」
がたーんっ☆
レクが椅子から転がり落ちた。
メイディア「……いかが?」 満面の笑み。
レイオット「い……いかがって……」
レク「メ……メイディ……」 よろりと立ち直って着席。
レイオット「たって……ヴァルト教官は30歳前後だと思うけど、どうだったかしら、レク」
水を向けられて、そのくらいだったと相槌。
メイディア「ワタクシ、今年16の立派なレイディ。大して変わりませんわ」
レク「倍くらい上だよ?」
ヴァルト先生の方できっと相手にしないよという言葉を飲み込んで、何とか思い止どまらせようとする。
だがその程度で思い直す彼女ではなかった。
メイディア「よし、決めました! 食事が済んだら、髪をセットして、ヴァルト教官のところに愛の告白をしにゆきます」