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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 19-19

男たち「このアマッ!!」

メイディア「お待ちなさい。仲間の命が惜しければ剣を捨てて」

 

 自分を捕らえていた男から短剣を奪うと形勢逆転とばかりに首に刃を当てた。

 しかし覆面の男たちは目配せをすると小さく笑った。

 

メイディア「!!? 何がおかしいの?」

男1「いやいや。失礼。お嬢さん、君に刃物は似合わない。さぁ、おじさんに渡しちゃいな」

メイディア「馬鹿にしないで下さる? ワタクシ、本気です」

男1「人を殺せはしないだろう?」

メイディア「殺したことはありません。ではできるかできないか今ここで試してみましょうか」

 

 短剣を振り上げるメイディアの瞳に輝きは消えうせ、表情から感情という感情が失われる。

 どうせできはしまいとタカをくくっていた男たちの顔色が一瞬にして変わった。

 ドシュッ!!


▽つづきはこちら

 ……股間を蹴り上げられてうずくまる男の背中に短剣が突き刺さった。

 1秒の間をおいて、男が大きく叫びを上げる。

 

メイディア「……クロエを刺すからいけないのだわ」

 

 薄く口元をほころばせる。

 男たちは黙っていたが、すぐに中の一人が重い口を開いた。

 

男2「片付けて、行くぞ」

 

 剣の切っ先を少女に向ける。

 もう小娘を構う気持ちは微塵もない。

 ただ、目の前の魔女を殺しておかなければならない。

……男はそう思った。

 たかが見習いの少女。

きっとこの刃を振り下ろせば何の抵抗もなく、あっけなく息を引き取るであろう少女。

 けれどもし見逃したら、何か大変なことになるのではないかという、言い知れぬ不安を抱かせる不吉な少女であった。

 

メイディア「罪には罰を……」

 

 ふいに。

本当に、ふいに。

 頭の中で壊れたオルゴールが鳴った。

 鏡の湖の上を踊り子が回り出す。

 オルゴールが鳴ると合わせて踊り子の人形が回る、回る。一人で回る。

 くるくるくるくるくるくるくるくるくるくる……

 ギロチン人形の首が跳ぶ。

 ゼンマイを巻くと上からギロチンの刃が落ちて来て、囚人人形の首をはね飛ばす。

 囚人人形は笑顔のままで転がる。

 それでギロチンの刃は元に戻るのだ。

 壊れたオルゴールは後ろで鳴っている。

 この光景は何だったか。

 どこかで見たことがある。

 おもちゃばこ。

 ……………………。

 光を受けた刃がひらめいて、降ってきた。

 まるでそう、あの人形みたいに。

 ……そこまでは覚えていた。

 それと、誰かの叫び声。

 呼ぶ、声。

 

「メイディア!!!」

 

 どこかで聞いたことのある、声だった。

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