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レイディ・メイディ 19-18
2008.01.22 |Category …レイメイ 19、20話
目を閉じて耳をすますとサラサラと水の音が聞こえて来た。
微かに。
遠くに。
行きに足が疲れたからとしばらく休憩した湧き水の小川に違いない。
やった!!と心の中で叫んで走りだす。
足の痛みを忘れたように小躍りしながら水の音をたどる。
枝が手や顔を傷つけても気にはならなかった。
が、近づくにつれ、別の音も拾ってはたと足を止める。
▽つづきはこちら
男たちの声「本当にアレが………………だったのか?」
「もう一人の方だった………………いな」
「いや、アレは………………」
「念のために殺っといた方が良かったか?」
「雑魚は放っておいて構わない。それよりも……」
とぎれとぎれに聞こえる会話。
しかし間違いない。
自分たちを襲ってきたあの男たちだ。
顔は見ていないが、ここでこの会話は不釣り合いな気がした。
少なくとも学徒などではない。
メイディア『先手必勝ですわ。……捕まえて何故クロエを襲ったのか……、口を割らせて差し上げましょう!!』
呪文を唱え始めると男たちはすぐに気が付いたようで、腰の得物を引き抜いて散らばった。
人数は全部で5名。
男たち「コイツ……後をつけてきたのか?」
「気を抜くな。小娘とはいえ、薔薇の騎士候補生だ」
「なーに。魔女見習い一人くらい、どーってこたないさ」
メイディア「吹き飛びなさいっ!!」
余裕をかましている一人に向かって大きく爆裂の呪文を叩きつけた。
男は飛びのくつもりでいたが、範囲が広過ぎて避け切れず、弾き飛ばされて木に激突。
散らばったつもりの左右2人の男も爆風に耐え切れずに倒れる。
地面がえぐれて上から土砂が崩れてきた。
メイディア「貴方たち!! 何故、ワタクシたちを狙ったのです!? 白状なさい。さもなくば ……」
男「さもなくば何だってんだい、お嬢さん?」
すぐ背後で声がしたかと思ったら、喉元に刃が当てられた。
メイディア「……もう一人いた!!?」
6人目の男「ああ、いましたよー。ちょいと用足しに出ていましたね。爆発音がするからまさかと思ってきてみたら、可愛いお嬢さんがいたもんだ」
刃をちらつかせながら、メイディアを捕らえた。
メイディア「……汚らわしい。お放し」
戦闘体勢をとっていた仲間たちも剣を収めて6番目の男の元に集まってくる。
男たち「おい、他にはいないだろうな」
「この娘だけのようだ」
メイディア「質問に答えなさい。何故、ワタクシたちを狙ったのか。返答如何によっては……」
男たち「捕まっておいて何とまぁ威勢のいいこった。自分の置かれてる状況がわかっているのかねぇ」
「どうする、この女」
「……決まってんだろう? 殺すのさ」
「もったいなくないか?」
「我々は速やかに撤退しなければならない。こんな小娘を相手にしている時間はない。正騎士が来たらいくら俺たちでも不利だ」
メイディア「…………………」
自分をつかんでいる男の注意が会話に向けられている一瞬をついて、男の足をカカトで踏みにじる。
男6「いってっ!!?」
続けざまに後頭部で相手の顔面に頭突き。
腹にヒジを入れて、体を反転させると金的を容赦なく蹴り上げた。
男6「うぐぉっ!!? たっ……タマ……キン……タ……」
前のめりにうずくまる。