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レイディ・メイディ 第20話
2008.01.24 |Category …レイメイ 19、20話
第20話:試験終了。その後で
目を覚ますとそこは養成所内の保健室であった。
ベッドに寝かされていたクロエは重たく感じられる体をよじって上体を起こす。
クロエ「あれ……?」
起きた気配を感じ取って、保健医のミハイルがカーテンを開いた。
ミハイル「寝過ぎだ」
いつも不機嫌そうな表情の彼は今日も一段とゴキゲンナナメ。
クロエ「あ……ス、スミマセン……」
『あれ? ……えーっと……』
クレス「クロエ」
セルゲイ「大丈夫か!!?」
ダレス「目が覚めたのか。良かったなぁ」
フェイト「……………………」
チームメイトたちが我先にとベッドの周囲に集まってくる。
▽つづきはこちら
クロエ「私、どうやって戻ってきたんでしょう? もしかして記憶がない内に封印がとけて真の力が目覚めて敵をなぎ払って世界に平和の光が戻ったりしたんでしょうか」
ミハイル「……………。頭、打ってるみたいだな」
ニケ「これは元々だから平気。むしろ、まともになってた方がキケンかも」
担任のニケまでもがそこにはいた。
ミハイル「痛みは?」
クロエ「いえ」
ミハイル「吐き気とか頭痛とか」
クロエ「あ、頭はちょっと痛いかも」
ミハイル「それはたぶん寝過ぎだろ。頭痛薬くれてやるからもう部屋に戻れ」
クロエ「あ……はい……」
心配するチームメイトに連れられて、保健室を出ると廊下にはクロエを心配した友人たちが数多く立ち尽くしていた。
ステラ「クロエッ!! 良かった!!」
始めに抱き着いてきたのは親友のステラだ。
ジェーン「アンタ、3日も寝てたんだよ」
モーリー「心配したんだからぁ」
続いてレイオットやルームメイトのジェーンたち、アンも寄ってくる。
集団とは離れて様子をうかがっていたメイディアは黙ってその場を離れて行った。
松葉杖をつきながら。
……あの後。
しばらくして救護班が駆けつけ、クロエを治療。
そのままチームも引き連れて山を降りた。
危険な侵入者がいるということで試験は中止。
メイディアはというと、刃が振り下ろされる寸前でもう一つの刃に救われた。
危機一髪で間に合ったフェイトだ。
何故、随分と先に出たメイディアにすぐ追いつくことができたのか。
足を滑らせてどこまでも坂を転がり落ちていったことは内緒である。
そして後を追って来て合流したクレスの足をとっさにつかんでしまい、道連れにしたことも当然、最高機密だ。
男の剣を退けたフェイトに切りかかる残りの連中をクレスが氷の魔法で威嚇。
それ以上は相手をせず、男たちは一目散に逃げ去ってしまった。
逃げる彼らに余裕があったように見えたのは二人の杞憂だっただろうか。
助けられたメイディアは何事もなかったかのように目的の水を汲み、貴方たちが来なくても問題はなかったといつも通りの憎まれ口をきいていた。
最後まで自分の足で歩いて帰ってきた彼女だったが、どうやらくじいていたのを最後まで黙っていたらしい。足は酷く膨れ上がって現在は当木に包帯。
そして松葉杖という大事にまでなってしまった。
すぐに言い出せばこんなにはならなかったものを。