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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 21-4

メイディア「い……生きてて……良かった……」

クロエ「……うん」

メイディア「生きてて良かった……」

クロエ「ありがと」

 

 メイディアはそのまましゃくり上げ続けている。

 

クロエ『レイオットの教えてくれた通りだったな……』

 

 初めて見る弱々しいメイディアを目に映しながらクロエはレイオットのアドバイスを思い出していた。

 彼女は謝りたがっていると思うから。

 でもなかなかそれができない子だから。

 自分が悪いとかそういうこともわかっているけど、不器用でどうしたらいいのかわからないだけ。

 怖がりなだけ。


▽つづきはこちら

 落ち着くまで待っているとふいに彼女が顔を拭きながら言った。

 

メイディア「音楽が鳴って首がなくなるの」

クロエ「え……何?」

メイディア「“罪には罰を”」

クロエ「メイディア……?」

メイディア「だからクロエ刺した男は報いを受けるべきだったのだわ」

クロエ「……??」

メイディア「だから刺したの。もっと刺しておけば良かった。もっと、もっと。悪い子ですもの」

クロエ「……!! ……まさか……」

メイディア「クロエが死んだら、私も殺されてしまうところだった。クロエを殺した罪で私は首を落とされる」

クロエ「ち……違うでしょ、キズはメイディのせいなんかじゃないから。フェイトだって言ってたじゃない、メイディアが私を押していなければ……」

メイディア「ううん。嫉妬してどついたの……それで矢が当たったんだ……メイディアみたいに悪い子はずっと氷の上を踊り続けるか首を落とされるかするんだって」

クロエ「……誰が言ったの? メイディア、ねぇ?」

   『様子が……おかしい?』

 

 泣き止んだかと思ったら今度は遠いどこかに潜む何かを見つめている。

 

メイディア「音楽が鳴るの。ああ、あの鳥はどうしたかしら? 鳥よ。鳥よ。赤と緑の大きな小鳥」

クロエ「メイディア? しっかりして。メイディアっ!!?」

メイディア「言葉をしゃべったわ。そう。“メイディ、良い子ね。メイディ、大好きよ。メイディ、おかえり” ……あの鳥はどこにいったの? 知らない? ねぇ、知らない?」

クロエ「し……知らない。どうしたの? 何を言っているの?」

メイディア「お母様がくれたの。だからいなくなるとお母様が怒るわ。私を嫌いになっちゃう」

クロエ「メイディア……。メイディア、どうしたの。しっかりして」

 

 口をつぐんで、動転したクロエに視線を戻すメイディア。

 そのまま瞬きすら忘れたように立ち尽くしている。

 静寂の部屋に時間を刻む時計の音だけがやけに大きく耳についた。

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