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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 21-6

 いつのまに眠っていたのだろう。

 廊下に出てみると次の教室に移動中の学徒たち。

 おしゃべりをしながら楽しそうに歩いている。

 その中につい最近まで朝から晩までともに過ごした内の2名の話し声も聞こえてきた。

 

ダレス「今日もクロエ見てないよなー。大丈夫だったんかな」

セルゲイ「専攻違うから様子もよくわからないね。誰か白薔薇組の人に聞いて…………あ」

 

 2人はメイディアに気が付いて歩みを止める。


▽つづきはこちら

ダレス「これはこれはお嬢様。ご機嫌いかがですかァ?」

 

 ワガママに継ぐワガママとクロエとの一件ですっかりメイディアを敵視してしまったダレスがワザとらしく語りかけてくる。

 セルゲイはよせとばかりにひじでつつく。

しかし制止を聞くダレスではない。

 

ダレス「ちょっと小耳に挟んだんだけど、アンタ、本当は正当なシャトー家の後継者じゃないって……ホントかよ?」

メイディア「……何ですって? どこでそんなデタラメ」

ダレス「ここ数日、そんな話題がチョコチョコとね」

メイディア「また根も葉もない噂を。ワタクシを妬んだ誰かがそんな噂を流したのね。正当なるシャトー家の後継者はワタクシです」

ダレス「ならどうして婿を取らずに嫁に行かされんだよ」

メイディア「!?」

 

 ワイズマン公爵に嫁ぐのが嫌でこの養成所に転がり込んできたのは、誰にも話をしていないハズだ。

知っているのは実家の身内だけ。身内の者などこの養成所にはいない。

 ここに来て初めて会う人間しかいないのだ。

 どこからそんな情報が漏洩したのだろう。

 

メイディア「……貴方、何故そのことを?」

ダレス「さーてね。発信源は俺も誰だか知らないけど、噂、広まってるぜ」

 

 いやらしい笑いを浮かべる。

 

メイディア「それはまるっきりのウソですわ。くだらないゴシップに躍らされて無礼な口を利くお馬鹿さん。ワタクシを侮辱すると後で後悔することになりますわよ」

ダレス「うっわー、怖い怖い。まぁた権力ふるってきたよ。家の威光がなけりゃ、なーんにもできないクセに威張るのだけは一丁前ときたもんだ」

メイディア「口を謹みなさいっ!!」

 

 平手が空をきる。

 だが、松葉杖をついた状態の女の手を避けられないほどダレスはのろまではない。

 ひょいとかわして足払いを食らわせた。

 

メイディア「ッ!?」

 

 思わぬ反撃をまともに受けて、勢いよく尻餅。

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