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レイディ・メイディ 19-16
2008.01.21 |Category …レイメイ 19、20話
フェイト「? 何だ?」
クレス「あ、いや……そうだ。ハハ……うん。そうそう。こういう時こそ、女同士!! あはは、あは、ははは」
拍子抜け。
すでに自分がやるんだとばかり思い込んでいたクレスは一気に頭の熱が引いて行くのを感じていた。
クレス『何だ、あせってバカみたいだ』
安心する反面、少し残念な気持ちもなくはない。
だがすぐに気を取り直して、メイディアを呼ぶ。
クレス「そうだぞ、今回ばかりはお前じゃないと…………って……アレ? メイディア?」
……いない?
▽つづきはこちら
クレス「メイディアッ。出番だって言ってるのに!!」
セルゲイ「あ、二人とも……その……メイディアは……」 おずおず……
クレス「何だよ」
挑むように睨みつける。
セルゲイ「つまり……あー……」
後を引き取って、ダレス「水を汲みに行った」
フェイト「ハァ? 何だって? あれほど言ったのに!! まさかお前たち、追い立てたんじゃないだろうな」
図星を突かれてセルゲイは口ごもったがダレスはどこ吹く風だ。
ダレス「知らねーよ。自分で水を汲んでくるって言ってどっか行っちまったんだから」
フェイト「止めろよ。クロエに毒矢を放った連中と出くわさないとも限らないんだ」
ダレス「うるせーなっ!! 止めたのにいつの間にかいなくなってたんだよっ!! あの姫さんのやりそうなこったろ!!?」
二人がケンカ腰になってしまい、セルゲイはクレスに助けを求めて視線を投げかける。
しかしクレスに応じる意志はない。
会っていくばくも一緒にいなかった娘とはいえ、ここで死なれては目覚めが悪い。
ケンカを仲裁するよりもクロエの容態の方が大事だった。
クレス「放っとけ。メイディアがいないならやっぱり薬、何とかして飲まさないと……」
ジャック「今、飲ませたよ」
クレス「エッ!!?」
ジャック「だって君たちが遅いから」
クロエの上半身を起こして抱えていたジャックは再びそっと彼女を地面に寝かせる。
クレス「あっ、えっと……くっ……く……口……ッ」
ジャック「口移しなんかしてない。純情可憐乙女にそんな無体な真似できるハズがないだろう。彼女は運命の王子様のキスでドラマチックに目覚めなくては。……フフッ。なんてね」
クレス「……………………」
ジャック「その役目は私ではないと思うから。つーか8歳も年下の女の子相手だと犯罪チックでこちらも困る。同じ8歳違いでもハタチ越えていれば立派なレディーだから申し分ないんだけどなー。16歳はなー。んー、残念残念。ははははは♪」
無意味なことを言って笑っている。
クレス「ど……どうやって……飲ませたの?」
『……何をホッとしるんだ、僕は……まったく……』
ジャック「ん? そりゃさっきと同じように水で流し込んだのさ」
クレス「よ、よく吐かなかったね。キッタナイの」
わざとそっけなく振る舞って気持ちの動揺を隠そうとする。
ジャック「吐かないように口と鼻を押さえてた。出るトコなけりゃ、入るしかないだろ。……お陰でクロエ君、真っ青になっちゃったけど♥ エヘッ♪」
クレス・セルゲイ「エヘって……オイ……」
ジャック「なぁにナニナニ。大丈夫。じきに良くなるって」
緊張感のない彼は、ヒラヒラと軽く手を振った。