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レイディ・メイディ 18-10
2007.12.20 |Category …レイメイ 18話
同じように第1グループに含まれていたシラーブーケたちのチーム。
シラー「まぁ、私に任せてよ。去年休学してたけど、初期のこの試験は受けてたから」
ステラ「頼りになるわね」
シラー「ふふっ。一応ね、秋の試験前にもいたのよ。休学届けの延長許可をもらいに」
そこでメイディアを迎えに来ていたシャトー夫人の姿を見かけたというワケだ。
シラー「それより、ね、カードやらない?」
ここでも火を囲んで円陣を組んだ形でカードゲームが始まった。
赤薔薇候補の少女・ミレーヌ「ねーねー、せっかくだから、罰ゲーム入れようよー」
青薔薇候補の少年・テオドール「賭けのが良くない?」
ミレーヌ「ダメよぅ!! 賭け事は禁止されてるでしょ」
テオドール「堅いこと言うなって。公然の秘密みたいなモンで皆やってるし教官たちも知ってるじゃん。ただの遊びなんだからさ」
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赤薔薇候補の少年・ヴィクトル「だけど試験中はひかえた方が賢明じゃないかい?」
白薔薇候補の少年・フランツ「ですね」
テオドール「ちぇー」
シラー「せっかくだからさ、皆あまり知らない同士だし、負けた人は自分の家とか故郷とかのことを話すってのはどう?」
ステラ「罰ゲームになってない気がするけど……それもいいかもね。よくまとめるわね、シラー」
シラー「そう?」
小さく笑って目を細める。
早く眠らなくては明日に響くと思っていても、初めての冒険。興奮してなかなか眠りにつけない。
結局、彼らは夜遅くまで各々の話題を競い合い、いつのまにかカードは手の中で引かれることなく収まっていることとなった。
ステラ「ホント!? じゃあ、部屋で名前が変わるかもしれないって言ってたのは……」
シラー「そう。私、エマリィ=シャトーって近々なると思うから。そのときはヨロシク。まだ手続きとか色々あるから少し時間はかかるってお母様はおっしゃってたけどね」
ミレーヌ「きゃあ、スゴーイ 一気にシンデレラ人生まっしぐらぁ~?」
シラー「そういうことになるわ。でもまだメイディアには言わないでおいてちょうだい。突然、貴女はシャトー家の正当なる後継者ではないなんて知れたら、あまりに可哀想だわ。折を見て私から直接話すから」
ミレーヌ「どうしてよ? いい気味じゃない!! 知ってる? あのコ、レイ様やリッ君にも権力で言うこと聞かせようとしているのよ!! でもリッ君は水持って来いって命令されたときもキッパリ断ってたけどね~♪ 権力になびかない人間だってちゃぁ~んといるのよーだっ」
テオドール「それを言うなら、ウチんトコのクラスのフェイトだって、あの女をフッたんだぜ。窓の上から偶然見ちゃってさぁ。マジ笑ったよ。アイツ、勇気あるって」
シラー「へぇ。それって初耳ー……詳しく教えてくれない?」 小さくほくそ笑む。
ステラ「やめなよ。悪趣味じゃん」
シラー「え、だって。仮にも腹違いとはいえ、妹をフッた本人がどんななのか少し興味あるわ。ヒドイこと言ったなら、仕返ししてやりたいの」
ステラ「放っておきなって」
しかし咎める声も聞かず、テオドールが面白おかしく話し出してしまう。
いいにつけ、悪いにつけ……といいたいところだが、“悪いにつけ、悪いにつけ”メイディアは学徒たちの話題の種だった。