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ゼロのノート

ト書きでカンタン☆ 気楽に気軽に創作物語。

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レイディ・メイディ 18-15

ニケ「ったく。このチーム編成したの誰だよー」

ナーダ「アミダクジじゃない」

ニケ「…………………………テキトーだよね……結構……」

ナーダ「仕方ないじゃない。こんなに大勢の組み合わせ決めるのなんて不可能よ。それに運も実力の内。クジなら公平でしょ」

ヴァルト「性格の合う合わないはともかく、個々の力はなかなか粒ぞろいなのだがなぁ」

 

 アゴに手を当ててうなる。

 

氷鎖女「そこが落とし穴でござるがな、特にこの組は」

 

 同意したように肩をすくめてみせた。


▽つづきはこちら

ナーダ「その点、こちらのH班は完全にシラーブーケが中心になって取りまとめているわ」

ニケ「リクやレイオットのいるのS班は……リーダーそのものは不在なのに個々がしっかりと自分の役割を把握できているみたいだね」

氷鎖女「やはり性格なのか……」

 

 自己顕示欲が強く、濃いいキャラクター性のメイディアとクレスを思い浮かべて、冷や汗をかく。

 

ヴァルト「ああ、こちらのD班もガタガタだな。ケンカが始まった。まだ2日目だというのに……」

 

 チーム制が始まる2年目はだいたいこんなものである。

 初めから期待はしてはいなかったものの、それにしてもG班の足並みの悪さときたら群を抜いていた。

 剣を携えて幻の兵士と戦うフェイトたちと、氷の魔法で貫き通すクレス。

 そしてまだ白魔法での攻撃は習っていないクロエは果敢にも木刀で戦いを挑んでいた。

 誰かケガするようなことがあれば回復に回るつもりでいる。

 残るメイディアは指をくわえてしばらくぼんやり観戦していたが、そのうちに呪文を唱え始め……

 

ニケ「あ。吹っ飛ばした」

氷鎖女「…………を?」

 

 辺り一面を敵も味方もなく、爆発で吹き飛ばしてしまった。

 一瞬、監視室の画面もブレて激しいノイズのため、彼らを見失ってしまう。

 ついてまわっていた使い魔の鳥も吹き飛ばされてしまったようだ。

 しばらく待っていると画面が元に戻った。使い魔が体勢を立て直してくれたらしい。

 上空から映された風景は数十秒前とガラリと変わってしまっていた。

 大地はえぐれて木々が折れて倒れ、一帯の草が根こそぎなくなり、メンバー4人が離れた位置にある木の枝に引っ掛かって目を回していた。

 

メイディア「ホーッホッホッホッ!! どうですっ? 思い知りましたか!!」

 

 画面の中には相も変わらず高笑いのメイディア嬢。

 とっさに結界を張ったクロエだけが助かって目をしばたかせていた。

 やがて事態を把握した彼女がメイディアに詰め寄る。

 

クロエ「何やってんのォ、もぅっ!

メイディア「退治して差し上げたのです。皆さんが苦戦しているようでしたから」

 

 当然だといわんばかりに髪を払って格好つける。

 

クロエ「そりゃ退治できたけど……」

 

 枝にぶら下がっている男連中を指さし、

 

クロエ「仲間までやっつけてどーすんのっ!!」

 

 厚かましくも褒めてもらえると思っていたメイディアは、予想外にも(彼女の中では)逆に叱られる結果を招き不満顔である。

 

メイディア「避けられない皆さんが悪いのですわ。特にクレスなんかは結界があるのに」

クロエ「敵と戦っている最中に背後の味方からいきなり攻撃魔法に巻き込まれるなんて誰も思ってないわよっ!!」

 

 カンカンに怒りながら、勇み足で皆がブラ下がっている木に近づき、引きずり下ろそうとしている。

 

メイディア「クロエは避けたわ」

クロエ「私は運がよかっただけっ!! それにフェイトたち剣士は避けようがないじゃない、こんな広範囲の爆発じゃ。ホラ、メイディアも手伝って!!」

メイディア「……クロエったら怒ってばかり」 ボソ……

クロエ「何か言った?」 ジロリ。

メイディア「いーえ。別に。では、彼らを降ろしましょう」

 

 また軽い魔法を撃って仲間たちを弾き飛ばす。

 

クロエ「キャーッ!!??」

 

 ぐしゃっ ベショッ どさっ ゴキッ

 

 4人がさらなるダメージを負って地上に落下した。

 オマケにクレスは坂から転がり降りて岩に引っ掛かってようやく止まった有り様だ。

 

メイディア「ハイ、降ろしましてよ♪」

 

 今度こそ褒めてもらえるだろうと期待して側に寄ってきたのが伝わり、クロエは言葉を失った。

 

クロエ『わぁ~……どうしよう……思った以上に………………』

 

 想像をはるかに越えて、相手が子供っぽいということが判明。

 もはやどう対処したらわからないくらいに、だ。

 本人はイイトコを見せたつもり満々なのだ。

 キラキラと輝く瞳は感謝の言葉を待っている。

 

クロエ『うわぁ、うわぁ。レイオット……貴女はいつもどうやってこのコを取り扱っているの!!? ここはやっぱり叱るべき? お礼を言った上でこうすれば良かったんじゃない?……とかそれとなく注意すべき? それとも……』

メイディア「降ろしましたわ。ね、降ろしたでしょ? ホラ、ね、ねっ?

クロエ「あ……」

   「……あ……」

   「あり……」

   「ありが……とぅ?」 ずぅぅ~ん……

 

 待っていましたとばかりに、

 

メイディア「どーいたしましてっ」

 

 えっへん!

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